米FRB、グリーンスパン前議長の信条見直しも-資産バブル退治で

米金融当局者らは、資産バブルの予防策は 取らないというグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長の信条に ついて、考え直しているのかもしれない。

証券大手ベアー・スターンズが今月破たん寸前に陥った後、米ミネアポリス 連銀のスターン総裁は27日の講演で、「過剰な状態に対応する政策を政策当局 が支持すること、少なくとも容認することは、政策当局が十分に取り得る措置だ」 と言明。また、ベアー・スターンズの資産約300億ドル(約3兆円)を引き受け て救済することになったニューヨーク連銀のガイトナー総裁は2年前、政策を決 定する上で資産価格をもっと考慮するよう主張しており、その見方は変わってい ないようだ。

ファイナンシャル・マーケッツ・センター(バージニア州ハワーズビル)の エグゼクティブディレクター、トム・シュレジンガー氏は「放任主義の結果があ まりの惨状となったため、当局者は公の場でこれまでと同じことは言えなくなっ たのだろう」と語る。

こうした内省的な動きで金融政策が即座に変更されることはなさそうだが、 スターン総裁の発言は、機能不全となった信用市場がいかに当局者らにこれまで の市場における当局の役割に関して熟考を迫ったかを物語っている。

JPモルガン・チェースのチーフエコノミスト、ブルース・カスマン氏は「リ スクの管理者として、FRBは結果に対応するだけではなく、両方の方向性を考 える必要がある」と指摘。「一段と落ち着いたマクロ経済を望む当局に大きな意 味合いを与えてきた資産バブルは、過去10年に2回あった」と説明した。

スターン総裁はロンドンでの講演で、「資産価格水準を金融政策の目的とす るべきではないとの自分の意見に変わりはないが、住宅の値下がりや先に起きた ハイテク株の急落による影響を受けて、その結論を見直している」と語っている。 同氏は1985年からミネアポリス連銀総裁を務めており、最も現役生活の長い米 金融当局者。連邦公開市場委員会(FOMC)での投票権も現在持っている。

米金融当局者らは何年にもわたって、経済にダメージを与えることなく利上 げを通じてバブルを未然に防ぐ方法を考えてきたが、答えはほとんど見つかって いない。

過去20年にわたって支配してきたのはグリーンスパン前議長の考え方だっ た。前議長は2004年、「バブルは早期に発見できたとしても、大幅な景気縮小 や金融の不安定化といった大きな犠牲なくして未然に防ぐことはできないとい うのは明らかだ」と述べている。

グリーンスパン氏は27日、電子メールによる回答でさらに、「資産バブル の芽を摘めるなら、大賛成だと私は常々言ってきた」と述べ、「私が反対してい る理由は経験上、それができないことが分かっているからだ。そうした行動が成 功したためしを私は知らない」と強調している。

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