2月の雇用情勢は改善足踏み、失業率は上昇-有効求人倍率は低下(2)

2月の国内雇用指標は、完全失業率が小幅 上昇となる一方、有効求人倍率は低下して3カ月連続で求人数が求職者数を下 回り、1倍を割り込んだ。2002年2月から始まった今回の景気回復局面が「踊 り場」入りする中、雇用情勢の改善も足踏みしていることをあらためて示した。

総務省が28日発表した労働力調査によると、2月の完全失業率(季節調整 済み)は3.9%と前月から0.1ポイント上昇した。男女別では、男性が4.0%と 前月に比べ0.1ポイント上昇し、女性も3.8%と0.1ポイント上昇した。また、 厚生労働省が発表した2月の有効求人倍率(季節調整値)は0.97倍と、前月か ら0.01ポイント低下した。ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト37人を 対象にした調査によると、完全失業率の予想中央値は3.8%、有効求人倍率は

0.97倍だった(36人対象)。

少子高齢化社会の進展で労働力人口の減少が見込まれる中、大企業の人材 確保に対する意欲は根強く、今年も新卒者の就職は売り手市場となっている半 面、原材料費のコスト増に苦しむ中小企業は人件費の抑制を強いられている。 政府は3月の月例経済報告で雇用について、「厳しさが残る中で、改善に足踏み がみられる」とし、前月から判断を据え置いている。

大田弘子経済財政相は閣議後の会見で、雇用者が前月比13万人減少して、 失業者は同6万人増えていることなどに触れ、「中身も決して良くない」と指摘。 その上で、「雇用の改善に足踏み感があるという判断がそのまま続いている」と 述べた。また景気の「踊り場」が雇用情勢の悪化につながっているかについて は、「雇用は基本的には遅行指標なので、踊り場に差し掛かったことがダイレク トに表れているとはみていない」との考えを示した。

ニッセイ基礎研究所の斉藤太郎シニアエコノミストは発表後、雇用者数が 前年同月比14万人減少し、36カ月ぶりの減少になったことなどを挙げ、「ネガ テイブサプライズだ」と述べ、「これが本当の基調だとすれば、雇用は悪化して いることになるが、単月の数字で減少基調と言うには尚早だ」と述べた。

2月の有効求人倍率を都道府県別にみると、愛知が1.87倍で最も高く、最 低は沖縄の0.41倍だった。前月比でみると、群馬が0.09ポイントの悪化と最 も大幅な悪化で、次いで北海道、滋賀、香川も同0.08ポイント悪化した。一方、 労働需給の先行指標とされる新規求人倍率(当月分の新規求人数に対する新規 求職者数の割合、季節調整値)は2月に1.40倍となり、前月の1.49倍から低 下した。

消費支出は反動減

一方、総務省が同日発表した家計調査によると、2人以上の世帯の消費支 出は27万5827円で、前年同月比では実質横ばいだった。前月比(季節調整済 み)では実質2.9%の減少。ブルームバーグが民間調査機関を対象にした事前調 査では、例年よりも1日多い「うるう年」効果で、前年同月比2.4%増を見込ん でいた。

ニッセイ基礎研究所の斉藤氏は、「1月は違和感があるくらい強めの数字が 出たが、2月はその逆で弱めに出過ぎている」と分析、住居、自動車購入、贈 与金などを除く消費支出(前年同月比実質2.4%上昇)の方が実態に近いとの考 えを示した。ただ、賃金が伸び悩み、生活必需品などの物価が上昇する中で、「消 費環境が悪くなっていることは間違いない」としている。

大田経財相も家計調査について「1月に大きく上がった反動だとみている」 とした上で、消費は「おおむね横ばいだと判断している」との認識を示した。

スーパーや家電量販店の店長など景気の動きを肌で感じやすい職業に就い ている人を対象にした景気ウオッチャー(街角景気)調査によると、2月の景 気の現状判断は11カ月ぶりに改善した。しかし、ガソリンや食品価格の上昇が 続く中、マインドとしては依然弱い状況が続いている。

--共同取材:亀山律子 Editor: Hitoshi Ozawa、Masaru Aoki

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