原油高騰と温暖化でグリーンランドに熱い視線-埋蔵量は北海に匹敵か

グリーンランドに住む人々は、トナカイを 捕獲して食料とし、犬ぞりで氷床の上を移動する生活を送っている。これらの 人々は近い将来、海洋石油掘削施設で働き、稼いだ金を勘定する生活を送るよう なるかもしれない。

複数の石油会社がグリーンランドの西岸で原油埋蔵地の探査を開始した。グ リーンランド鉱物・石油局のイェルン・スコ・ニールセン副ディレクターは、こ の地域の埋蔵量が、北海でこれまでに生産された原油の総量を上回る可能性があ るとみている。北海地域での主要生産国であるノルウェーと英国の統計によると、 同地域でこれまでに生産された原油の総量は約500億バレルに上る。

この量は、原油1バレル当たり100ドルで換算すると、5兆ドル(約500兆 円)。デンマーク領の自治政府である人口約5万6000人のグリーンランドでの 原油生産は、約15年以内に利益を生み始める可能性がある。

グリーンランドのハモンド外務・財務相は「われわれは画期的な時代を迎え ている。このことにどう対応するかが極めて重要だ」と述べ、「われわれが想像 し始めている以上に、グリーンランドはより多くの意味で世界的に重要な地域に なるだろう」と語る。

1990年代に沿岸地域の岩石から原油が浸出しているのが発見され、グリー ンランドに原油が埋蔵されていることが地質学者たちの間で知られるようになっ たが、世界最大の島であるグリーンランドの大半は氷に覆われているため、開発 は不可能とされていた。

原油相場は過去1年間で63%上昇し、1バレル当たり約103ドルに達した。 また、氷の溶解が進んでいるため、埋蔵されている原油の潜在的な収益性が高ま っている。

グリーンランド政府は昨年、米シェブロン、米エクソンモービル、カナダの ハスキー・エナジーに探査免許を付与した。これらの石油会社は、試掘に最も適 した地点を決定するため、地震探査データを収集している。

ニールセン副ディレクターは、今後、北海と比較するのは楽観的過ぎること が証明される「リスク」もあると指摘する。グリーンランドの国営石油会社、ヌ ナオイルのハンス・クリスティアン・オルセン最高経営責任者(CEO)は「2 -3年以内に原油が水中からわき出る」と期待する政治家たちの見方は「非常に 非現実的だ」と述べた。

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