米住宅ローン金利:連続利下げでも下げ幅限定的-景気浮揚に至らず

米カリフォルニア州サンディエゴのアパー トに住むマージョリー・キリアンさん(53)は、近くに一戸建てかマンション を買う計画で、融資の仮承認も受けた。だが、住宅ローンの固定金利が5.5% に下がるまで、実際に家を購入しないのだという。

景気に重しとなっている米住宅相場を回復させるため、バーナンキ米連邦 準備制度理事会(FRB)議長が呼び込む必要があるのは、まさにキリアンさ んのような消費者だ。それなのに、相次ぐ利下げや借り入れ刺激策にもかかわ らず、金融機関は当局の意向をくみ上げていない。

ブルームバーグのデータは、10年物の米国債利回りと米住宅ローンの平均 固定金利の格差が2.7ポイントと、1986年以来で最大となったことを示してい る。昨年7月以来、サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)関 連証券の損失を2000億ドル(約19兆7600億円)以上計上した金融機関はバー ナンキ議長を無視し、現金をため込んでいる。

米連邦預金保険公社(FDIC)によれば、銀行業界の利益は2007年第4 四半期に58億ドルと、16年ぶり低水準に落ち込んだ。それまでは6年連続で 過去最高益となっていた。

2003年のノーベル経済学賞受賞者、クライブ・グレンジャー氏は、「金融 当局は、ハンドルを少し動かせるだけで、ガソリンもブレーキも調整できずに、 自動車を運転しようとしているようなものだ」と話す。「景気を安定させるには、 消費者が手の届く金利水準での住宅ローンが必要だ。この点について、金融当 局は多くをなし得ていない」と指摘する。

「憶病」

PMCモーゲージ(バージニア州アレクサンドリア)のヘンリー・サベー ジ社長は、銀行は痛んだバランスシート(貸借対照表)の修復に努めており、 資本水準が改善するまでは、住宅購入者向けの金利を引き下げることに「憶病」 なままだろうとみている。「今のところ、住宅ローン金利と10年物国債の利回 りは連動していないようだ。金融機関は神経質になっている」と語る。

米金融当局は昨年9月以降、計3ポイントの利下げを実施したが、景気浮 揚には至っていない。この間、住宅ローンの30年物固定金利の下げ幅は平均

0.5ポイントにとどまっている。

資産規模で米2位の銀行、バンク・オブ・アメリカと同3位のJPモルガ ン・チェースは25日、10%の頭金を支払い、信用力が最良のニュージャージー 州の住宅購入者に対し、固定金利6.13%の30年物ローンを提供した。

サンディエゴのキリアンさんは、地元のブローカーによれば、今週6%で の借り入れが可能だった。だが、彼女はあと0.5ポイント金利が下がるのを待 っている。「景気が悪いのだから、住宅ローン金利はもっと下がるはず」だとい う。

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