今日の国内市況:株価は続落、債券堅調-ドル99円を挟んでもみ合い

東京株式相場は続落。26日の米国で発表さ れた経済指標が低調だったため、同国経済の先行き不安が高まった。これを受 けて、海外収益依存度の高いトヨタ自動車やソニーなどの値がさ輸出関連株が 下落。一部アナリストが米大手銀行の08年業績見通しを下方修正したことから、 三菱UFJフィナンシャルグループなど金融株も売られた。

日経平均株価の終値は前日比102円5銭(0.8%)安の12604円58銭、T OPIXは同11.11ポイント(0.9%)安の1226.44。東証1部の出来高は概算 で16億7336万株、売買代金は1兆9216億円。値下がり銘柄数は934、値上が り銘柄数は684。業種別33指数は23業種が下落し、10業種が上昇。

米商務省が26日に発表した2月の米製造業耐久財受注額は前月比1.7%減 となった。市場予想の中央値は0.7%増だったため、予想外の減少だ。特に機械 受注が13%減と、1992年の統計開始以来で最大の落ち込みを記録した。また、 前日に発表された2月の米新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、年率)は前 月比1.8%減少の59万戸と、1995年2月以来の低水準となった。

このほか、オッペンハイマーのアナリストが、米シティグループの08年通 期業績予想を1株当たり15セントの赤字と、従来の同75セントの黒字から下 方修正したことから、前日の米国市場ではシティを中心に金融株が大幅安。同 アナリストは、シティが1-3月(第1四半期)に、レバレッジド(高リスク・ 高利回り)融資と債務担保証券(CDO)で131億ドル(約1兆3000億円)の 評価損を計上する可能性があるとみている。

米景気不安の高まりは、北米依存度が高いトヨタなど日本の輸出関連株の 収益悪化懸念につながり、輸出関連株が下げを主導。2008年3月期業績が計画 未達になる見通しと一部で伝わったTDKが日経平均株価の下落寄与度1位と なった。米金融株安の流れを引き継ぎ、三菱UFJや野村ホールディングス、 損保ジャパンといった金融株も相場を押し下げた。

相場は午後に下げ渋る展開となった。昼休み時間帯に新中期経営計画で来 期増益見通しを発表した日本郵船が午後に上昇転換、川崎汽船や商船三井など その他の海運株も軒並み値を切り上げて相場を支えた。円高や原油高から来期 業績への警戒感が強かっただけに、増益見通しによって買い安心感が広がった。

債券は堅調、米債高や株安-好需給や日銀幹部発言も支え

債券相場は堅調(利回りは低下)。前日の米国債高や日経平均株価の続落を 受けて、買い優勢となった。期末・期初の買いに加え、日本銀行の白川方明副 総裁、西村清彦副総裁、須田美矢子審議委員の発言が伝えられ、国内景気に対 する懸念が強まったことも支援材料となった。

東京先物市場で中心限月6月物は5日ぶり反発。前日比51銭高の140円95 銭で寄り付いた後、午前9時27分ごろに日中高値141円3銭まで上昇した。そ の後は、徐々に上げ幅を縮小し、午後1時19分ごろに140円61銭まで値を消 した。引けにかけては再び値を戻し、結局、33銭高の140円77銭で取引を終了 した。

現物債市場で、新発10年物の290回債利回りは、前日比2ベーシスポイン ト(bp)低い1.255%で寄り付いた後、若干水準を切り下げ、午前9時27分ご ろに1.25%に低下した。その後は下げ幅を縮小し、午後1時29分ごろに横ばい の1.275%をつけた。午後4時45分過ぎは0.5bp低い1.27%で推移している。

日銀の白川副総裁は、参院財政金融委員会で、不動産投資信託(REIT) や土地価格の動向が実体経済に及ぼす影響について、「現状においては、このこ とが日本経済に対し大きな下振れ要因となっていることではない」とする一方、 「そうしたことが今後、どのように顕在化していくのか、4月の(金融政策) 決定会合においても入念に点検すべき事項だと認識している」と語った。

また西村副総裁は、同委員会で、株価の低迷について「株価は将来の会社 の業績に依存する」と指摘した上で、「現在の株価が若干さえない動きをしてい るのは、将来に対する予想がやはりさえないということだろう」との認識を示 した。

須田審議委員は、宮崎市内で会見し、金融政策運営について「今はしっか り情勢判断をしていく時期」としながらも、「ある程度デフレリスクの兆候が出 てきたら、思い切ったことをやるという中央銀行の行動方針について市場と共 有しておくことが大事だ」と述べた。

財務省はこの日、2008年度上期の国債買入消却について、市場流動性が低 下している変動利付国債と物価連動国債の買い入れ額を大幅に増額し、総額を 2007年度の約1.8兆円から約3.0兆円に増額すると発表した。

08年度上期の買入消却は、15年変動利付国債が1回あたり1500億円程度 を4回、10年物価連動国債は1回あたり800億円程度を4回実施することを明 らかにした。

円は高値もみ合い、米景気不安でリスク敬遠-海外材料警戒

東京外国為替市場では円が強含み。ドル・円相場は1ドル=99円ちょうど を挟み、20日以来、1週間ぶりの円高値圏でもみ合った。米経済指標の弱含み や金融機関の損失拡大懸念を背景に景気の先行き不安が根強いなか、内外で株 安が進んでおり、リスク投資を回避する動きに伴う円買い圧力が強まった。た だ、東京時間は材料不足のため、3月期末を控えた需給に絡む動き以外は、新 規投資に慎重な姿勢が強く、円の上値を追う動きは限られた。

26日に米国で発表された経済指標は軒並み弱い内容となった。2月の新築 一戸建て住宅販売は1995年2月以来、13年ぶりの低水準に落ち込み、同月の製 造業耐久財受注額も2カ月連続のマイナスとなった。

前日の米金融市場では、指標の弱含みが株安・債券高につながり、投資家 がリスクを伴う投資先から資金を引き揚げ、安全資産に振り向ける傾向が示さ れた。このため、外為市場では、低金利の円やドルで資金を調達して、高金利 通貨などに投資するリスク選好的な動きが収縮しやすい。

この日の東京時間の取引では、日経平均株価が下落したことから、リスク 投資の圧縮に伴う円の買い戻しに圧力がかかり、ドル・円相場は一時98円57 銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)と20日以来の円高値を付けた。 ユーロ・円相場も一時1ユーロ=155円89銭と、前日のニューヨーク時間午後 遅くに付けた157円17銭から1円以上円が水準を切り上げている。

米ゴールドマン・サックス・グループは26日までに、信用危機が住宅ロー ンから商業不動産ローンに広がると、中堅銀行の損失は大手行を上回るとの見 通し を示すなど、引き続き信用不安につながる材料が懸念され、新年度入り後 の新規投資には慎重な姿勢が見込まれるようだ。

一方で、26日にドイツのIfo経済研究所が発表した3月の企業景況感指 数は市場の予想に反して3カ月連続の上昇となった。

同指標の結果を受けて、前日の海外市場ではユーロ買いが活発化。米経済 指標の弱含みも相まって、ユーロ・ドル相場一時1ユーロ=1.5858ドルと、1999 年1月のユーロ導入来の高値1.5903ドルを付けた17日以来の水準までユーロ 高・ドル安が進んだ。この日の東京時間の取引ではユーロが伸び悩みとな り、1.58ドルちょうどを挟んだ推移となった。

さらに、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が、欧州議会の経済・金 融委員会での証言で、「政策委員会は、中期的なインフレ予想には上振れのリス クがあると考えている」と述べるなど、タカ派的な発言をしていることもあり、 再びユーロの上値を試す機運が高まった場合は、全般的なドル売り圧力につな がり、対円でもドルの下値を模索する展開となる可能性がある。

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