3月26日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国株の記事に一部加筆します)

○米国株:反落。過去4日で初めて下落した。銀行の業績見通しの悪化や製造 業耐久財受注の予想外の減少に加え、企業買収に必要な資金調達が困難との懸 念が広がった。

米銀シティグループが下落、ダウ工業株30種平均の銘柄では最大の値下が りだった。シティの下落につれて金融株はほぼ2週間ぶりの大幅な下げを記録 した。オッペンハイマーのアナリスト、メレディス・ホイットニー氏は、シテ ィの1-3月期決算の損失は従来予想の4倍に達する可能性があると指摘した。

農業機械メーカーのディーアやジェットエンジンやエレベーターを製造す るユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)も下落。午前に発表された2月の 製造業耐久財受注で機械受注が統計開始以来で最大の落ち込みを記録したのが 売り材料となった。

ラジオ局運営大手クリア・チャンネル・コミュニケーションズは1989年以 来の大幅安。銀行団が同社買収(195億ドル)に対する融資を撤回するとの懸念 が背景。

S&P500種株価指数は前日比11.86ポイント(0.9%)下げて1341.13。 ダウ工業株30種平均は109.74ドル(0.9%)安の12422.86ドル。ナスダック 総合指数は16.69ポイント(0.7%)下げて2324.36。ニューヨーク証券取引所 (NYSE)の騰落比率は1対2。

ノット・キャピタル・マネジメントの最高経営責任者(CEO)兼ポート フォリオマネジャーのマイケル・バロン氏は、「金融機関が直面している問題や 課題は山積しており、これが一般の消費者に直接影響を与えている」と指摘。「耐 久財受注の減少は米国がリセッション(景気後退)に入っていることを示す新 たな材料だ」と語った。

S&P500種の産業別10指数のうち7指数が下落した。米商務省が発表し た2月の米製造業耐久財受注額は前月比1.7%減と、予想外のマイナスだった。 S&P500種は今年に入り8.7%下落した。2007年初めからこれまでに住宅ロー ン債券の評価損や信用損失として世界の金融機関が計上した金額は総額2080億 ドル以上に上る。

この日のニューヨーク証券取引所(NYSE)の出来高概算は14億3000 万株だった。

シティグループ、ジェイビル・サーキット

シティグループは5.9%安。ホイットニー氏は25日付リポートで、シティ の08年通期業績予想を1株当たり15セントの赤字と、従来の同75セントの黒 字から下方修正した。同行が1-3月に、レバレッジド(高リスク・高利回り) 融資と債務担保証券(CDO)で131億ドル(約1兆3000億円)の評価損を計 上する可能性があるとみている。1-3月期は1株当たり1.15ドルの赤字の見 込み。従来は28セントの赤字を予想していた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)も安い。ゴールドマン・サックス・グ ループのアナリストは同行の1株当たり利益見通しを引き下げた。

電子機器メーカーのジェイビル・サーキットは下落。同社が発表した3- 5月(第3四半期)および通期の利益・売上高見通しがアナリスト予想を下回 ったのが手掛かりだった。

コンソル・エナジー、モトローラ

データベースソフト大手のオラクルは時間外取引で大幅に下落。同社が発 した2007年12月-08年2月(第3四半期)の売上高がアナリスト予想を下回 ったことが嫌気された。

石炭大手コンソル・エナジーは上昇。ゴールドマン・サックス・グループ はコンソル・エナジーの株式投資判断を「ニュートラル(中立)」から「買い」 に引き上げた。製鉄用石炭価格の上昇が投資判断引き上げの背景。

携帯電話メーカー大手モトローラも高い。同社は2009年に2分割する計画 を発表した。分割後の1社は携帯端末に集中し、もう1社はブロードバンドネ ットワーク機器を手掛ける。

○米国債:相場は続伸。この日発表された2月の米耐久財受注は減少し、新築 住宅販売も前月比落ち込んだことから、米経済がリセッション(景気後退)入 りしているとの懸念が強まった。

午後に実施された2年債入札で需要が強かったことも米国債の買いにつな がった。この日の入札規模280億ドルは1972年以来最大。オッペンハイマーの アナリスト、メレディス・ホイットニー氏は、米銀シティグループの08年1- 3月(第1四半期)利益見通しを引き下げた。

ドゥワイト・アセット・マネジメント(バーモント州バーリントン)のチ ーフ・エコノミック・ストラテジスト、ジェーン・キャロン氏は「市場参加者 は、現時点でリスクを取ることには引き続き非常に消極的だ。個人的には米国 債市場について強気の見方に徐々に戻りつつある」と語った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後3時32 分現在、2年債利回りは前日比11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント) 低下し1.66%。2年債価格(表面利率2%、2010年2月償還)は前日比ほぼ1/4 上昇し、100 20/32。10年債利回りは同2bp低下し3.48%だった。

米商務省がこの日発表した2月の米新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、 年率)は前月比1.8%減少の59万戸と、1995年2月以来の低水準となった。た だ、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想平均(57万8000 戸)は上回った。1月は60万1000戸と、速報値の58万8000戸から上方修正 された。

シティの利益見通し

オッペンハイマーのホイットニー氏は、シティの第1四半期が1株当たり

1.15ドルの赤字との予想を示した。同氏はまたシティが1-3月(第1四半期) に、レバレッジド(高リスク・高利回り)融資と債務担保証券(CDO)で131 億ドル(約1兆3000億円)の評価損を計上する可能性があるとの見方を示した。

ドイチェ・アセット・マネジメントで運用に携わるウィリアム・チェポリ ス氏は「全セクターに損失が波及しており、この状況が続く見通しだ。米連邦 公開市場委員会(FOMC)が政策金利を1%に引き下げることになっても意 外ではない。その場合には、債券利回りが低下しよう」と述べた。

ニューヨーク連銀はターム物証券貸与ファシリティー(TSLF)プログ ラムとして27日に実施する第一回の入札規模を750億ドルとする、と発表して いる。これには105億ドル相当のインフレ連動債を含む25証券が含まれるとい う。

利回り格差

2年債利回りに対する10年債利回りの上乗せ分はこの日、8bp拡大し

1.82%と、今月14日以来の最大となった。この拡大はインフレが加速する一方 で、景気が鈍化するという見方に基づき、短期債が選好されていることを示し ている。

米財務省が午後に実施した2年債入札(発行額280億ドル)の結果による と、最高落札利回りは1.761%と、入札直前の市場予想の1.795%を下回った。 前回(2月27日)は2.045%だった。また投資家の需要を測る指標の応札倍率 は2.44倍と、前回の2.14倍を上回った。

○NY外為:ドルが対ユーロで下落。2日間の下げとしては2006年1月以来で 最大となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が大幅利下げを実施する一 方、欧州中央銀行(ECB)は政策金利を維持するとの思惑からドル売り・ユ ーロ買いが優勢になった。

2月の米耐久財受注額が予想外に減少する半面、3月の独企業景況感指数 は予想に反して上昇。これをきっかけにドルは対ユーロで下落した。円はオー ストラリア・ドルとニュージーランド・ドルに対して上昇。信用市場の損失が 拡大し、低金利の日本で資金を調達し、高金利通貨で運用する「キャリー取 引」が抑制されるとの思惑が円買いを誘った。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)のグローバル為替戦略責任者、ロバー ト・シンチ氏は「米国は金融緊張の中心だったが、景気下降の中心になるだろ う。ドルは再び1ユーロ=1.60ドルの下値を模索する」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時17分現在、ドルは対ユーロで1.2%下落し、 1ユーロ=1.5838ドルと、過去最安値にあと1セント未満に迫った。前日は

1.5650ドルだった。対円では0.8%安の1ドル=99円16銭。前日は99円 98銭だった。ユーロは対円で0.4%上昇の1ユーロ=157円5銭となった。 前日は156円49銭。

3カ月物EURIBOR(欧州銀行間出し手金利)先物市場ではECBは 来年まで政策金利を4%で維持するとみられている。2008年12月限利回りは

4.01%。米2年物国債利回りは1.65%と、独2年債利回りを181ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)と下回っている。利回り差は1993年以来で最大。

米金融政策見通し

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物相 場の動向によると、FOMCが4月30日にFF金利の誘導目標を0.5ポイント 引き下げる確率は42%。前日は28%だった。0.25ポイントの利下げ確率は58%。

今四半期にドルは対円で12.5%下落。対スイス・フランでは14%と、1987 年以来の大幅な下げとなっている。ブルームバーグが実施したアナリスト調査 では、年末までにドルは対ユーロで1.45ドルまで回復するとみられている。

ポンドはほとんどの主要通貨に対して下落した。イングランド銀行(英中 央銀行)が景気減速に伴い、ポンドが下落するとの見通しを示したことが売り を誘った。ポンドは対ユーロで1.1%安。キング英中銀総裁が議会でポンド安 は2006年に上昇した調整であるとの見方を示すと、対ドルで1ポンド=2ド ルを割り込んだ。

韓国ウォン安

韓国ウォンは1%安と、対ドル相場での下げが最もきつい通貨となった。 財政経済省のチェ・ジュンキョン国際金融局長が劇的な為替相場の変動を望ま ない姿勢を示したことがきっかけ。一方、原油が1.4%上昇したことを背景に ノルウェー・クローネは対ドルで最も上昇した通貨となった。

円とスイス・フランはほとんどの主要通貨に対して上昇した。米国株が下 落し、キャリー取引の解消につながった。

LIBOR上昇

英国銀行協会(BBA)によると、3カ月物ドル建てロンドン銀行間貸出 金利(LIBOR)は2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の

2.67%と、14日以来の高水準。ユーロ建ては2bp上昇の4.72%と、昨年12 月27日以来の高水準となり、欧米中銀による貸し渋り対策が功を奏していない との懸念が強まった。

キャピタル・マーケッツ・マネジメントのプリンシパル、ロバート・フラ ー氏は「銀行は資金を積み増し、だれにも貸し出していない状態だ。お互いに 疑心暗鬼になっている」と述べた。

○英国債:2年債相場が3営業日連続で下落した。2年債利回りは前日比3ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げ4.04%と、2週間ぶりの高水準 となった。先週は3.65%まで低下し、2003年7月以来の低水準を付けていた。

2年債(償還2009年12月、表面利率5.75%)価格は0.05ポイント下げ

102.78。10年債利回りはほぼ変わらずの4.44%だった。

ポンドの対ユーロ相場は1週間ぶりの大幅安となった。対ドルでは1ポン ド=2ドルの大台を割り込んだ。イングランド銀行の政策担当者が、景気鈍化 を背景にポンドが下落すると予想したことがポンド売りを誘った。

○欧州債:ドイツ2年債に対する10年債の利回り格差はここ2カ月で最小とな った。欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が金利据え置きを示唆したこと が背景にある。

2年債と10年債の利回り格差は41ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)と、少なくとも1月15日以来で最小になった。トリシェ総裁が、イン フレ率は2008年の大半を通してECBのインフレ目安である2%を上回るとの 見通しを示したことを受け、利下げが実施される公算は小さいとの観測が広が った。同総裁はまた、ユーロ圏経済の「ファンダメンタルズ(基礎的諸条件) は健全だ」との認識を示した。また、ドイツの3月の企業景況感は予想に反し て上昇した。

BNPパリバ(ロンドン)の金利戦略責任者、シリル・ボージット氏は「特 に予想を上回る経済データを受けて、ECBのタカ派が勢力を増し、利下げに 反対することが予想される」と語った。

ロンドン時間午後5時25分までに、2年債利回りは前日比3bp低下し

3.46%となった。同国債(2010年3月償還、表面利回り3%)価格は0.05ポ イント上昇し99.14。10年債利回りは1bp下げ3.87%だった。

--*ニューヨーク・ニューズルーム (1)(212) 893-3007

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