日本株(終了)損失警戒で金融中心に反落、輸出一角下げ-売買高最低

受け渡しベースで実質2008年度相場入り となった東京株式相場は、銀行や証券など金融株主導で反落。投資信託手数料 の計画未達や保有株式の減損処理が響き、利益見通しを下方修正した中央三井 トラスト・ホールディングスの下げが拡大した。25日に発表された米国の消費、 住宅関連指標が悪化を示したことへの警戒感も朝方から根強く、JPモルガン 証券の投資判断引き下げを受けたキヤノンをはじめ、トヨタ自動車など輸出関 連の一角も安い。

日経平均株価の終値は前日比38円59銭(0.3%)安の1万2706円63銭、 TOPIXは5.43ポイント(0.4%)安の1237.55。東証1部の売買高は概算 で15億7529万株、売買代金は1兆7816億円。値下がり銘柄数は912、値上が り銘柄数は700、東証業種別33指数の騰落状況は銀行や輸送用機器、電機、そ の他製品など値下がり19、値上がりは卸売や情報・通信、食品など14だった。

住友信託銀行の島津大輔調査役は、米金融機関の連鎖破たんなど極端な悲 観シナリオこそ後退したものの、「根本的には何も問題は解決していない。日 米欧のファンダメンタルズはなお下方に向かっているのは間違いなく、マクロ 面での買い材料はない」と指摘している。

また島津氏は、日本の不良債権は当初数兆円と言われながらも、最終的に は数百兆円規模に達した点に言及。「米国も日本と同様の不良債権問題の道を たどっている。米金融機関の損失はまだ拡大する可能性がある」、と警戒感を 崩していない。

売買は最低更新、権利落ち分は103円

この日の東京市場は、米国の経済統計悪化や為替相場におけるドルの戻り の鈍さなどを背景に、朝方から輸出関連、金融株などに売りが先行。25日の米 国株主要3指数は高安まちまちながら、決算期末を控えて積極的に買いが入り づらく、午前の後半にかけて下げ幅を拡大した日経平均は一時、前日比154円 安の1万2591円まであった。25日発表の3月の米消費者信頼感指数は5年ぶ りの水準に低下、1月の米スタンダード・アンド・プアーズ/ケース・シラー 住宅価格指数も前年同月比で過去最大の落ち込みを記録したことなどが、投資 家心理に影響した格好。

特に金融株については、中央三井Hの利益下方修正に加え、米ゴールドマ ン・サックスが金融機関の損失拡大を予測した点もマイナス要因になったとい う。ゴールドマンでは25日、米ウォール街の銀行、証券会社、ヘッジファン ドがサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)市場の混乱に伴い 4600億ドル(約46兆円)相当の信用関連損失を計上する可能性があるとの見 方を示した。これは、すでに公表されている規模の約4倍に相当する。

午後に入って日経平均は1万2600円台でもみ合った後、取引終了にかけ ては債券先物売り・株式先物買いの動きが増え、下げ幅を縮小させたものの、 機関投資家を中心とした中長期資金の様子見姿勢は強く、東証1部の売買高、 売買代金ともに24日に付けていた終日ベースでの今年最低(16億768万株、 1兆7829億円)を更新した。

この日は、上場企業の大半の決算期である3月決算企業の配当権利落ち日 に当たる。ブルームバーグ・プロフェッショナルによると、日経平均の権利落 ち分は約103円。「権利落ち分を考慮すれば、やや強いという印象」(リテ ラ・クレア証券の井原翼理事・情報部長)との指摘も聞かれたが、落ち分を埋 め切るほどのエネルギーには乏しかった。

証券が下落率1位、日野自やシチズン、オルガノ急落

中央三井Hのほか、三菱UFJフィナンシャル・グループなど銀行株が安 く、野村ホールディングスなどの証券株は業種別33指数の中で下落率1位と なった。

個別では、会社側による連結業績の上方修正幅が事前予想ほど大きくなく、 来期も楽観視できないなどと見られた日野自動車が急落。JPモルガン証券が 投資判断を格下げしたキヤノンやシチズンホールディングス、セイコーエプソ ンがそろって安い。HSBC証券が格下げしたアドバンテスト、メリルリンチ 日本証券が格下げした塩野義製薬もそれぞれ急落。電子産業の設備一巡で、利 益計画を大幅下方修正したオルガノは午後に崩れた。

資源関連は上昇、ハニーズや東レ高い

一方、ドル安のヘッジ手段として前日の国際商品市況が上昇したことが追 い風となり、資源関連株は上昇。三菱商事など卸売株が上げ、国際石油開発帝 石ホールディングスや住商石油を買収した出光興産など石油関連、住友金属鉱 山、東邦亜鉛など非鉄金属株も上げた。25日のニューヨーク原油先物5月限は 前日比0.4%高の1バレル=101.22ドルと4日ぶりに小反発し、ニューヨーク 金先物や銅先物相場も大幅上昇した。

KDDIやヤフー、日本テレビ放送網など情報・通信株も買われ、JTな ど食品株も堅調。材料銘柄では業績予想を下方修正しながら、3月以降の復調 期待が高まったハニーズは続伸。約1カ月ぶりの水準まで戻した。JPモルガ ン証券が格上げしたオリンパスは6連騰。電子機器や自動車の電装部品などに 使われる樹脂の増産方針を示した東レが続伸。

新興3市場は堅調、ACCESや光波、日本通信高い

国内新興3市場では、ジャスダック指数が0.5%高の64.70、東証マザー ズ指数が3.4%高の627.55と上昇。大証ヘラクレス指数は0.03%安の984.58 と小安く引けたが、相対的に堅調な値動き。続伸して上昇率の目立ったマザー ズでは、ブラウザソフトの伸長で今期黒字化を計画するACCESSが急伸し、 リーマンブラザーズ証券が投資判断を「中立」に上げた日本ベリサインは大幅 高となった。日本風力開発、エリアリンク、26日付の日本経済新聞朝刊でブロ グに仮想通貨を導入すると報じられたサイバーエージェントも上昇。

ジャスダックでは、タムラ製作所による株式公開買い付け(TOB)の表 明で、TOB価格が前日終値比で24%上方に設定されていた光波は制限値幅い っぱいのストップ高比例配分。08年3月期の連結営業利益計画を従来比53% 増額した冷蔵ピザメーカーのジェーシー・コムサも急騰した。ヘラクレスでは、 NTTドコモの3Gネットワークを利用したMVNOサービスを早期に提供す るため、ドコモに相互接続を申し入れた日本通信はストップ高比例配分。

これに対し、業務停止命令が引き続き嫌気されたラ・パルレがストップ安 比例配分。今3月期の最終赤字幅見込みが拡大したイー・レヴォリューション が売り込まれ、中央物産、フェローテック、エン・ジャパンなどが安い

この日ジャスダックに新規上場し、「焼肉一番かるび」や郊外型お好み焼 き店などを展開する物語コーポレーションは、公開価格2000円に対して10% 安の1797円で初値を形成した。終値は1590円。

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