3月25日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:全般に値上がりする銘柄が多かった。消費者信頼感指数の低下や住宅 価格下落といった悪材料がみられたが、資源株に買いが入った。

鉱山のフリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドやニューモ ント・マイニング、アルミ生産大手アルコアといった資源企業は金属価格の上昇 を手がかりに買われ、S&P500種株価指数は3日続伸した。一方、ダウ工業株 30種平均は下落。バンク・オブ・アメリカ(BOA)や家庭用品のホーム・デポ が売られた。種子最大手のモンサントは7年ぶりの大幅高。業績見通し上方修正 が好感された。

S&P500種株価指数は前日比3.11ポイント(0.2%)上げて1352.99。 過去3営業日で4.2%上昇した。ダウ工業株30種平均は16.04ドル(0.1%) 安の12532.6ドル。ナスダック総合指数は14.3ポイント(0.6%)上げて

2341.05。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落は2対1。

スチュワート・キャピタル・アドバイザーズのマルコム・ポーリー氏は、「先 週は商品全般で価格が大幅に下げた。私のような評価額に注目する投資家にとっ てはポジションを積み上げ始めるきっかけを与えた」と語った。

モンサント、ヤフーが高い

S&P500種株価指数の業種別24指数では小売株が1%安だった。米民間 調査機関のコンファレンス・ボードが発表した3月の米消費者信頼感指数は

64.5に低下。5年ぶりの低水準となった。半年後の景況感を示す期待指数は

47.9(前月58.0)と、1973年12月以来の低水準となった。

全米20都市部を対象にした1月の米スタンダード・アンド・プアーズ(S &P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で10.7%低下と、過去最大 の落ち込みを記録した。

モンサントは9.9%高と、S&P500種採用銘柄のなかで値上がり率トップ。 同社は2008年8月通期の利益見通しを1株当たり3.15-3.25ドルと、従来予 想の最大2.80ドルから上方修正した。

オンライン検索大手ヤフーも上昇。シティグループはヤフーの株式投資判断 を「ホールド」から「買い」に引き上げ、株価見通しを31ドルから34ドルに上 方修正した。ヤフーに買収を提示しているマイクロソフトが買収価格を引き上げ るとの期待が背景。

ホーム・デポが下落

バンク・オブ・アメリカ(BOA)は下落。メリルリンチがBOAの株式投 資判断を「ニュートラル(中立)」から「売り」に引き下げ、利益見通しを下方 修正した。

金融のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスは、アナリストによる利益 見通し下方修正が嫌気され、値下がりした。

ゴールドマン・サックス・グループによると、米大手銀行や証券会社、ヘッ ジファンドはサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン市場の崩壊に伴 い4600億ドルの信用損失を計上する可能性がある。これはすでに公表されてい る損失額のほぼ4倍に相当する。

住宅用品のホーム・デポやロウズはいずれも下落、米住宅ローン保険最大手 のMGICインベストメントも売りを浴びた。

○米国債:相場は上昇。この日発表された米消費者信頼感指数が5年ぶり 低水準となったことや住宅価格の下落を示す統計を受けて、米景気が リセッション(景気後退)入りしているとの懸念が広がった。

JPモルガン・チェースが、メリルリンチの評価損拡大可能性を理 由に、メリルの利益見通しを下方修正したことも米国債の買い手がかり となった。ただ、280億ドル規模の入札を26日に控え、2年債の上昇は 限られた。今回の入札規模は1972年以来最大。

リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの金利戦略担当責任者、 アミタブ・アロラ氏は、「米連邦準備制度理事会(FRB)が打ち出し た措置も消費者信頼感の低下、住宅の過剰在庫といった根本的な問題に は対処できない」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後 4時3分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1bp =0.01ポイント)低下し3.51%。10年債価格(表面利率3.5%、2018 年2月償還)は同約3/8上昇し、99 15/16。2年債利回りは同3bp低 下し1.78%。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが25日に発表した3月の 米消費者信頼感指数は64.5に低下。前月は76.4(速報値は75.0)に上 方修正された。また、全米20都市部を対象にした1月の米スタンダー ド・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年 同月比で10.7%低下と前月の同9%低下からマイナス幅が拡大、過去最 大の落ち込みを記録した。

大幅な落ち込み

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン の最高投資責任者(CIO)であるクリストファー・サリバン氏は、 「住宅価格は住宅ローン市場や住宅ローン担保証券の健全さを測る重要 な要素だ。住宅市場は引き続き急激な落ち込みを示している」と述べた。

JPモルガン・チェースのアナリスト、ケネス・ワーシントン氏は、 証券大手メリルリンチが債務担保証券(CDO)やAlt-A住宅ロー ン、商業用不動産ローンなどで計50億ドル(約5020億円)の追加評価 損を計上する公算があるとの見方を示した。

米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン市場の崩壊で 金融機関の2007年初め以来の評価損が1950億ドルに拡大するなか、投 資家は比較的安全な投資先としての米国債に買いを入れてきた。

投資家が一層長期の国債を志向している兆候として、2年債と10年 債の金利格差がこの日は1bp縮小し、173bpとなった。1週間前には 188bp開いていた。

○NY外為:ドルが主要通貨すべてに対して下落。米連邦公開市場委員会 (FOMC)が4月29-30日の定例会合で最大0.5ポイントの利下げを 実施するとの見方が広がり、ドル売りが優勢になった。

ドルはユーロに対して2週間ぶりの大幅安。3月の米消費者信頼感指数が 予想以上に低下し、FOMCはリセッション(景気後退)を回避することがで きないとの懸念が強まり、ドル売りを誘った。株価上昇に伴い、高利回り資産 に買いが集まり、オーストラリア・ドルとニュージーランド・ドルが堅調とな った。

ウェルズ・ファーゴの為替戦略責任者、ニック・ベネンブローク氏(ニュ ーヨーク在勤)は「ドルは守勢に回っている。ドルと米経済にとって非常に厳 しい環境だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時12分現在、ドルは対ユーロで1.2%下落し、 1ユーロ=1.5614ドル。前日は1.5423ドルだった。対円では0.6%安の 1ドル=100円15銭。前日は100円74銭だった。ユーロは対円で0.6%上 げ、1ユーロ=156円38銭となった。前日は155円39銭。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの外為世界戦略のディレクター、サ マルジット・シャンカー氏は「市場は現実を再検証し、何も変わっていないこ とに気付いた」と指摘。「米経済はさらに悪化するだろう」と語った。

米金融政策見通し

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物相 場の動向によると、FOMCが4月30日にFF金利の誘導目標を0.5ポイン ト引き下げる確率は30%。1カ月前はゼロだった。0.25ポイントの利下げ確 率は70%。

アイスランド・クローナは、ブルームバーグ・ニュースが集計する全177 通貨に対して上昇。アイスランド中銀が緊急会合を開き、政策金利を1.25ポ イント引き上げ15%に設定したことが買いを誘った。クローナはドルに対して 一時5.9%高と、1992年以来で最大の上げを記録。対ユーロでは4.9%上昇 した。

カナダ・ドル下落

カナダ・ドルはほとんどの主要通貨に対して下落した。米国の景気減速か らカナダの輸出が打撃を受けるとの懸念から売りが優勢になった。対ユーロで は1.2%安。

米ドルはオーストラリア・ドルとニュージーランド・ドルに対して1%余 り下落した。株価の上昇により、低金利国で資金を調達し、高金利国で運用す る「キャリー取引」が活発化するとの思惑から米ドル売りが膨らんだ。

政策金利は日本が0.5%、米国が2.25%。一方、ニュージーランドは

8.25%、オーストラリアは7.25%と高い。

MSCI世界指数は1.8%上昇し、S&P500種株価指数は3日続伸。

BNPパリバ・セキュリティーズのテクニカル為替ストラテジスト、アン ドルー・シャベリア氏(ニューヨーク在勤)は対ユーロでのドル安について 「再び勢いが付き始めたようだ」と指摘。今後2、3週間のうちに1.60-

1.625ドルへ下落すると予想した。ドルは17日に1.5903ドルと過去最安値 を付けている。

○英国債:10年債が下落。過去3カ月で最大の下げとなった。欧州で株式 相場が上昇し、社債保有リスクが低下したため、安全資産としての国債需 要が弱まった。

JPモルガン・チェースがベアー・スターンズ買収金額を引き上げたこと が、金融業界の信頼感回復につながり、2年債も下落した。英住宅ローン最大 手のHBOSの株価は一時17%高と、過去最大の上昇率を記録した。

HSBCホールディングスの債券戦略部門の責任者、スティーブ・メージ ャー氏は「JPモルガンによるベアー・スターンズ買収と、週末に買収価格を 4倍に引き上げたことが金融セクターを押し上げた。株価は堅調に推移してお り、信用スプレッドは縮小し、国債利回りは上昇している」と述べた。

ロンドン時間午後4時30分現在、10年債利回りは前営業日比15ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の4.44%。上昇幅は昨年12月12 日以来で最大。10年債(表面利率5%、償還2018年3月)価格は1.22安の

104.49。2年債利回りは26bp上昇の4.01%。

○欧州債:相場は下落。2年債利回りはほぼ2カ月ぶりの高水準に上昇した。 主要株価の上昇で質への逃避需要が弱まったことが背景。

2年債に対する10年債の利回りスプレッド(上乗せ金利)はほぼ2 カ月ぶりの最小に縮小した。社債の保証コストが低下したことを受けて、 高金利資産への投資が促進された。24日に米JPモルガン・チェースが 証券大手ベアー・スターンズの買収提示額を引き上げたことから銀行に 対する信頼感が回復し、主要株価が上昇した。

インベスコ・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、アク セル・ブレイズ氏(フランクフルト在勤)は、「株式市場にはやや自信が 戻ってきた。国債利回りは少なくとも短期的に上昇するだろう」と述べた。

ロンドン時間午後4時55分までに、2年債利回りは前日比19bp 上昇し3.50%となった。一時は24bp上昇する場面もあった。同国債 (2010年3月償還、表面利回り3%)価格は前日比0.35ポイント下落 し99.08。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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