日本株(終了)TOPIX今年初の5連騰、米不安後退で輸出や商社高

3月期決算企業の期末権利付き最終売買 日となった東京株式相場は上昇。TOPIXは今年初の5連騰となった。24 日の米国で発表された2月の中古住宅販売件数が前月比で7カ月ぶりに増加に 転じ、米景気に対する悲観的な見方が後退した。為替も一時1ドル=101円台 に乗せるなど直近の円安水準で推移し、収益悪化懸念の緩和を背景にキヤノン やホンダなど輸出関連株が買われた。世界経済の急減速は避けられるとの期待 から商船三井など海運株、三菱商事など総合商社株も高い。

TOPIXの終値は前日比18.83ポイント(1.5%)高の1242.98。TO PIXの5連騰は昨年10月26日から11月1日にかけて記録して以来。一方、 日経平均株価は同265円13銭(2.1%)高の1万2745円22銭と急反発。東証 1部の売買高は概算で19億530万株、売買代金は2兆1980億円、値上がり銘 柄数は1319、値下がり324。業種別33指数の騰落状況は上昇27、下落は6。

ベアリング投信投資顧問の牧譲治専務は、「米住宅市場の落ち込みは急に 良くなることはないものの、最悪期を脱した可能性が高い」との認識を示した。 また牧氏によると、数次にわたる流動性対策からベアー・スターンズの救済に 至る「米国における金融政策の累積効果に、国内外投資家が目を向け始めてい る」ともいう。

米中古住宅販売は予想上回る、米株高、円安

全米不動産業者協会(NAR)が24日に発表した2月の中古住宅販売件 数(季節調整済み、年換算)は、前月比2.9%増の503万戸。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値(485万戸)を上回り、7 カ月ぶりの前月比プラスとなった。これが好感された24日の米国株は、ダウ 工業株30種平均が187.32ドル(1.5%)高の12548.64ドルと大幅上昇。

また、24日のニューヨーク外国為替市場では、円が対主要通貨で下落。 米国株が大幅高となったことなどを背景に、低金利の円で資金を調達し、高金 利資産で運用する「キャリー取引」が活発化した。この流れを引き継ぎ、25 日の東京外国為替市場では一時1ドル=101円3銭まで円安・ドル高が進んだ。

米景気懸念の後退や為替の動きを支援材料に、採算悪化懸念が和らいだ輸 出関連株が買われ、キヤノンやホンダ、ファナック、TDKなどの上げが目立 った。SMBCフレンド証券の中西文行ストラテジストは、17日に一時1ド ル=95円台までいった円ドル相場が、「円安方向に戻していることがポジテ ィブインパクトを与え、買い戻しが継続した格好だ」と指摘。日本企業は外需 依存度が極めて高く、「国際優良株を中心に為替動向が収益や株価に与える影 響は絶大」(同氏)と話した。

東証業種別33指数の上昇率上位は海運と卸売。過剰な米景況感の先行き 不安が止まれば、「エマージング諸国の高成長は続くことになり、世界景気に 敏感である商社株や海運株が再評価された」(いちよし投資顧問の秋野充成運 用部長)。3営業日ぶりの反発となった三井物産には、中東カタールで大型発 電・造水事業に乗り出すと25日付の日本経済新聞朝刊で伝わるといった材料 も重なった。

配当狙いや化粧買いで午後一段高、離れ小島注視も

この日の日本株は午後に上げ幅を拡大。日経平均株価は一時300円以上高 くなった。きょうは3月期決算企業の期末権利付き最終売買日となるため、配 当狙いの買いが一部で入ったと見られるほか、期末前に保有株式の評価損益を 少しでも改善させたいと考える機関投資家のバスケット買い(お化粧買い)も 入ったとの声も市場で多く聞かれた。

日経平均のチャートが、「アイランド・リバーサル(離れ小島)」を形成 していることに着目する向きもある。直近の日経平均のローソク足(日足)の 値動きを見ると、3月17日は「窓(前日安値とその日の高値の隙間)」を開 けて下落。一方、19日には「窓(前日高値とその日の安値の隙間)」を開け て上昇。17日と18日のローソク足の動きが、海に囲まれた「島」のように見 えている。東洋証券情報部の檜和田浩昭ストラテジストによると、「下落相場 でこのシグナルが出現すると、相場の反転期となることが多い」そうだ。

ガラス株急伸、住友電設とGウィルはストップ高

個別では、液晶用基板ガラスが好調で、08年4-6月期の営業利益が前 年同期比30-50%増加する見通しと発表した日本電気硝子が10%超の急反発。 ベアリング投信の牧氏は、「液晶用ガラスは価格下落が続いており、収益環境 は相当厳しいとみていただけに、日電硝の業績拡大見通しはポジティブサプラ イズ」と指摘。同業の旭硝子や日本板硝子も連想的に買われ、東証ガラス・土 石製品指数は5.5%高と、33ある業種別指数の値上がり率トップだった。

ブラジルに大型製鉄所を建設する方向で最終調整に入ったと25日付の日 本経済新聞朝刊が伝えた新日本製鉄が続伸。薄膜太陽電池の大規模な海外生産 を検討していることが分かったと産経新聞が報じたシャープは反発。午後1時 に08年3月期の利益予想を上方修正した住友電設は急伸し、ストップ高(値 幅制限の上限)比例配分となった。

グッドウィル・グループもストップ高。25日付の日経新聞朝刊は、グッ ドウィルの堀井慎一社長と筆頭株主となったユナイテッド・テクノロジー・ホ ールディングスの若山陽一社長のトップ会談がきょう行われ、グッドウィルが 提携提案を拒否する意向を伝えると報じた。これに対し、会社側は午前の取引 終了後に否定するコメントを発表した。

不動産株の一角安い、浅沼組が値下がり率1位

半面、三井不動産、大京など不動産株の一角が安い。国土交通省が24日 発表した08年1月1日時点の公示地価は、全国平均(全用途)で前年比

1.7%上昇し、2年連続で前年を上回った。ただ、昨年後半からは米住宅ロー ン問題などの影響が出て、都心部では伸びが鈍った地点が広がり、日興コーデ ィアル証券の橘田憲和ストラテジストは、「不動産株を取り巻く環境は足元で 厳しさを増し、投資に慎重にならざるを得ない」としていた。

08年3月期の連結純利益が大幅赤字に転落するもようと発表した浅沼組 が5営業日ぶりに急反落し、東証1部の値下がり率ランキング1位。同様に業 績計画を大きく下方修正したオーイズミも急落し、値下がり率上位。

新興市場は3指数とも続伸

国内新興3市場の主要指数は、ジャスダック指数が前日比0.81ポイント (1.3%)高の64.41、東証マザーズ指数が7.56ポイント(1.3%)高の

607.08とともに4日続伸。大証ヘラクレス指数は0.33ポイント(0.03%)高 の984.88と小幅に5日続伸。

個別では、株式など有価証券の売買業務に関して内閣総理大臣の登録を受 けたと発表したマネーパートナーズが急反発。楽天と資本・業務提携すると 21日発表したドリコムは連日でストップ高買い気配のまま終了。楽天も続伸。 フィデリティ投信の保有増や高配当利回りが材料視されたアパマンショップホ ールディングスも高い。半面、東京都から都内の17店舗を対象に、新規契約 など業務の一部を停止するよう命じられたラ・パルレはストップ安(値幅制限 の下限)で比例配分された。

ジャスダックNEO市場にきょう新規上場したカルナバイオサイエンスは、 初値が公募価格(11万円)を9.7%下回る9万9300円。終値は10万4000円。

--共同取材:近藤 雅岐      Editor:Shintaro Inkyo

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