日本株底打ちは半年後、業績懸念で割安感も後退-ラッセル投資家調査

資産運用管理サービスを提供するラッセ ル・インベストメントは25日、日本株運用機関の投資展望調査(3月度)を公 表した。それによると、日本株相場の底打ち時期を第2四半期(7-9月)と みている投資家が最も多かった。金融不安や景気への警戒から、あと半年は相 場の低迷が続くと予想し、日本株に対して強気という回答も前回調査(07年12 月度)から減少した。

金融市場の混乱は長期化

日本株に対する強気の回答比率は66%と、前回の74%から8ポイント低下。 一方で債券に対する弱気の割合がやや低下しており、「サブプライム(信用力 の低い個人向け)住宅ローン問題をきっかけとする金融不安や景気悪化への警 戒感が強く、株式に対する慎重な姿勢が高まった」(ラッセルの資産運用ソリ ューション担当、木口愛友執行役)と言える。

なかでも日本小型株に対する強気の割合は、前回の70%から53%へと大き く後退。弱気の割合も9%から24%へと増加した。木口氏はその背景について、 日本経済の先行き不透明感が強まるなか、「原油など商品価格の高騰によるコ スト増加が懸念されている。中小企業は大企業と比較して価格支配力が弱く、 より警戒されているようだ」と指摘する。

日本株の底打ちは第2四半期との回答割合が41%と最も高く、次いで第3 四半期(10-12月)16%、第1四半期(4-6月)14%だった。サブプライム ローン関連証券以外の優良な住宅ローン証券まで下落が顕著となり、金融機関 の損失拡大懸念は拭えない。多くの運用機関が上昇トレンドへの回帰を期待し ているものの、「金融不安解消への決定打はまだ打たれておらず、金融市場の 混乱の早期終結には懐疑的」(木口氏)なようだ。

下げても割安感薄れる、不動産にも変調

調査を行った3月7日時点の日経平均株価は1万2782円と、前回調査の 12月3日時点より18%値下がりした。株価下落に伴い、東証1部の予想PER (株価収益率)は21日時点で14.8倍と、昨年末の17倍から低下し、株価指標 面から見た割安度は高まっている。しかし、現在の日本株の水準が割安とみる 投資家は76%と、前回の83%から減った。米国景気の後退懸念や急速な円高、 商品価格の高騰で「今後の企業業績の下振れリスクが高まっていることを考え ると、必ずしも割安とは言いにくくなった」(木口氏)。

それでも日本株は、日本株、新興国株、日本小型株、外国株、円(対ド ル)、外国債券、不動産、事業債、日本国債、短期金融商品の10資産のうち、 前回と同じく強気との回答割合が最も多かった。強気の上位4資産がすべて株 式となり、相対的に株式に強気、債券に弱気という見通しに変化はない。

また、これまで強気見通しが多かった不動産も国内運用機関の見方が急変。 強気割合が38%から21%に低下する一方、弱気が19%から41%へと急上昇し、 弱気が主流になったことが目を引いた。売買の主体とされる海外投資家の売り 圧力に加え、信用収縮の影響による不動産投資信託(REIT)の調達コスト 上昇懸念から、手控えムードが強まっている。

資本財の選好度が大きく低下

セクター別の見通しでは、06年3月の調査開始から選好度が高かった資本 財セクターに対する見方に変化が見られた。景気敏感で輸出関連銘柄が多い資 本財セクターの選好順位は前回の2位から7位へと後退した。一般消費財・サ ービスセクターに対する強気の割合も38%から22%へと低下し、「日本経済の 先行き不透明感が景気敏感株に対する慎重な見方を強めた」(木口氏)といえ る。一方で、商品価格の上昇による恩恵を受けるエネルギーと素材セクターが 同率(46%)で最も強気の割合が高かった。

今回の調査では、国内と海外の運用機関で強気セクターに違いが見られた。 国内は足元で上昇しているエネルギーや素材に強気が多かったが、海外はヘル スケアや生活必需品、情報技術、素材など比較的ディフェンシブ色が強いセク ターを選好している。また、金融セクターは国内が比較的強気の見通しを持っ ているが、海外勢では最も弱気の割合が高いセクターと、正反対の結果が得ら れた。こうした違いについて木口氏は、「海外勢の方が海外景気に対して慎重 なようだ」とみている。

小型株も、国内外で見方が大きく異なった。「国内勢は年初からの下落で 小型株を毛嫌いしているが、海外勢は逆に前回よりも強気の割合が増え、大型 株よりも強気が多かった。これだけ下がると相対的に買い時と判断しているよ うだ」(木口氏)。

調査は3月3-7日に行い、国内外の日本株運用機関58社から回答を得た。

--共同取材 小笹 俊一 Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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