日本株は上昇、米不安後退と円安で輸出関連に買い-海運や商社も高い

午前の東京株式相場は上昇。24日の米国 で発表された2月の中古住宅販売件数が前月比で7カ月ぶりに増加に転じ、米 景気に対する悲観的な見方が後退した。為替も1ドル=101円に近づく直近の 円安水準で推移し、収益悪化懸念の緩和を背景に、キヤノンやホンダなど輸出 関連株を中心に買われた。世界経済の急減速は避けられるとの期待を背景に、 川崎汽船など海運株、伊藤忠商事など総合商社株も高い。

日経平均株価の午前終値は前日比166円24銭(1.3%)高の1万2646円 33銭、TOPIXは同10.31ポイント(0.8%)高の1234.46。東証1部の売 買高は概算で8億2850万株、売買代金は9252億円、値上がり銘柄数は1131、 値下がり470。業種別33指数の騰落状況は上昇22、下落は11。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長によると、米中古住宅販売が良好な 内容だったことで、「米景況感が下げ止まるとの期待が高まった」という。ま た、JPモルガンによるベアー・スターンズの買収価格引き上げも、「ベアー が債務超過を回避できるとの思惑につながり、投資家のマインド改善につなが っている」と秋野氏は見ていた。

一本調子のドル下落に歯止めがかかり、直近で相対的にパフォーマンスの 劣っていた輸出株には買い戻しが入ったほか、東証業種別33指数の上昇率上 位は海運と商社。過剰な米景況感の先行き不安が止まれば、「エマージング諸 国の高成長は続くことになり、世界景気に敏感である商社株や海運株が再評価 された」(秋野氏)という。

米中古住宅販売は予想上回る、米株大幅高、円安

全米不動産業者協会(NAR)が24日に発表した2月の中古住宅販売件 数(季節調整済み、年換算)は、前月比2.9%増の503万戸。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値(485万戸)を上回り、7 カ月ぶりの前月比プラスとなった。JPモルガン・チェースがベアー・スター ンズへの買収提示価格を引き上げたことも好感され、24日の米国株は、ダウ 工業株30種平均が187.32ドル(1.5%)高の12548.64ドルと大幅高。

また、24日のニューヨーク外国為替市場では、円が対主要通貨で下落。 米国株が大幅高となったことなどを背景に、低金利の円で資金を調達し、高金 利資産で運用する「キャリー取引」が活発化した。25日午前11時過ぎの東京 外国為替市場では、1ドル=100円80銭近辺、1ユーロ=156円付近で推移。 前日午後3時時点では、1ドル=99円80銭近辺、1ユーロ=153円50銭付近 で取引されていた。

為替の動きは、輸出関連株の採算悪化懸念の後退につながり、キヤノンや ホンダ、任天堂、TDKなどの上げが目立った。

アイランド・リバーサル出現

日経平均のチャートは、「アイランド・リバーサル(離れ小島)」を形成 している。直近の日経平均のローソク足(日足)の値動きを見ると、3月17 日は「窓(前日安値とその日の高値の隙間)」を開けて下落。一方、19日に は「窓(前日高値とその日の安値の隙間)」を開けて上昇。17日と18日のロ ーソク足の動きが、海に囲まれた「島」のように見えている。東洋証券情報部 の檜和田浩昭ストラテジストによると、「下落相場でこのシグナルが出現する と、相場の反転期となることが多い」そうだ。

新日鉄や三井物高い、業界不透明で不動産安い

個別では、ブラジルに大型製鉄所を建設する方向で最終調整に入ったと 25日付の日本経済新聞朝刊が伝えた新日本製鉄が続伸。中東カタールで大型 発電・造水事業に乗り出すと同紙が報じた三井物産は3営業日ぶりに反発。薄 膜太陽電池の大規模な海外生産を検討していることが分かった、と産経新聞が 報じたシャープも反発。08年4-6月期の営業利益は前年同期比30-50%増 加する見通しと発表した日本電気硝子が急反発。08年3月期の年間配当を11 期ぶりに復配した富士紡ホールディングスは大幅続伸。

グッドウィル・グループがストップ高(値幅制限の上限)買い気配。25 日付の日経新聞朝刊は、グッドウィルの堀井慎一社長と筆頭株主となったユナ イテッド・テクノロジー・ホールディングスの若山陽一社長のトップ会談がき ょう行われ、グッドウィルが提携提案を拒否する意向を伝えると報じた。これ に対し、会社側は午前の取引終了後に否定するコメントを発表している。

不動産株に売り

半面、朝方買いが先行した三井不動産、三菱地所などの不動産株は早々に 下げに転じた。国土交通省が24日発表した08年1月1日時点の公示地価は、 全国平均(全用途)で前年比1.7%上昇し、2年連続で前年を上回った。ただ、 昨年後半からは米住宅ローン問題などの影響が出て、都心部では伸びが鈍った 地点が広がるなど、業界環境を巡る先行き警戒感が強い。日興コーディアル証 券の橘田憲和ストラテジストは、「不動産株を取り巻く環境は足元で厳しさを 増し、投資に慎重にならざるを得ない」としていた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE