日本株は輸出中心に上昇へ、米中古住宅販売が増加-円安傾向も好感

3月期決算企業の期末権利付き最終売買 日に当たる東京株式相場は、上昇する見通し。24日の米国で発表された2月の 中古住宅販売件数が前月比で7カ月ぶりに増加に転じ、米住宅市場への悲観的 な見方が後退している。外国為替市場で円相場がドルやユーロに対して下落し ていることもあり、採算悪化の懸念が和らぐ電機や自動車など輸出関連株を中 心に投資資金が流入しそうだ。

ドイツ証券の下出衛チーフエクイティストラテジストは、「米国でマクロ 指標のサポート要因が出たほか、為替も落ち着きを取り戻しつつあり、輸出株 を中心に戻りを試す展開」と予想した。また、「ヒステリックな信用収縮懸念 が収まりつつあることから、金融株への買いも見込める」(同氏)という。

米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物6月物の24日清算値は1万 2685円で、同日の大阪証券取引所の終値(1万2410円)に比べて275円高だ った。24日の日経平均株価は1万2480円9銭で取引を終えていた。

2月の中古住宅販売は予想上回る

全米不動産業者協会(NAR)が24日に発表した2月の中古住宅販売件 数(季節調整済み、年換算)は、前月比2.9%増の503万戸。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値(485万戸)を上回り、7 カ月ぶりの前月比プラスとなった。前月は489万戸だった。また、住宅販売在 庫は3%減の400万戸に減少。現在の販売ペースで9.6カ月分に相当し、1月 の10.2カ月分から低下した。

グローバル・インサイトの米国担当チーフエコノミスト、ナイジェル・ゴ ールト氏によると、「様子を見ていた買い手が一時的に戻ってきたようだ。価 格下落が販売増に寄与した。米国民は以前のような有利な条件ではないにして も、ローンを利用している」という。

米国株は上昇

中古住宅販売が予想に反して前月比で増加したことや、米銀JPモルガ ン・チェースがベアー・スターンズへの買収提示価格を引き上げたことも好感 され、24日の米国株は上昇。上げが目立った業種は素材、一般消費財・サービ ス、IT(情報技術)関連など。

S&P500種株価指数は前営業日比20.37ポイント(1.5%)上げて

1349.88で終了。ダウ工業株30種平均は187.32ドル(1.5%)高の12548.64 ドル、ナスダック総合指数は68.64ポイント(3%)上げて2326.75で終えた。

円キャリー取引が活発、1ドル=100円台後半

24日のニューヨーク外国為替市場では、円が対主要通貨で下落。米国株が 大幅高となったことなどを背景に、低金利の円で資金を調達し、高金利資産で 運用する「キャリー取引」が活発化した。25日早朝の東京外国為替市場では、 1ドル=100円台後半、1ユーロ=155円台前半で推移。前日午後3時時点で は、1ドル=99円80銭近辺、1ユーロ=153円50銭付近で取引されていた。

こうした為替の動きは、米景気不安の緩和とともに、日本の輸出関連株に は採算悪化懸念の弱まりにつながる点でプラスに働く公算が大きい。

新日鉄やシャープが上昇予想、三井ハイは売りも

個別では、ブラジルに大型製鉄所を建設する方向で最終調整に入ったと25 日付の日本経済新聞朝刊が伝えた新日本製鉄、中東カタールで大型発電・造水 事業に乗り出すと同紙が報じた三井物産などが上昇しそう。薄膜太陽電池の大 規模な海外生産を検討していることが分かった、と産経新聞が報じたシャープ も買われそうだ。小型ディーゼルエンジンの生産能力を08年度末までに約4 割増強すると発表した三菱重工業、有利子負債の圧縮が進み、08年3月期の年 間配当を11期ぶりに復配した富士紡ホールディングスも上昇する公算。

半面、ICリードフレーム事業の価格下落や円高が響き、09年1月期の連 結営業利益が前期比25%減に落ち込む三井ハイテック、講師給与など営業コス トの増加などで、08年2月期連結純利益が前の期比69%減となったもようの リソー教育には売りが先行するとみられる。円高や原材料高が重しとなり、08 年3月期の業績予想を下方修正した三ツ星ベルトも安くなりそうだ。

公示地価受けた不動産株注目

このほか、国土交通省が08年1月1日時点の公示地価を24日発表したこ とを受け、不動産株の動向も注目される。オフィス需要の好調や不動産投資な どで全国的に地価の上昇傾向は続き、全国平均(全用途)で前年比1.7%上昇 し、2年連続で前年を上回った。ただ、昨年後半からは米サブプライム(信用 力の低い個人向け)住宅ローン問題などの影響が出て、三大都市圏と地方圏の 都心部の一部では上昇幅が縮小している。

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