米株式市場:投信が株売却進める-ボラティリティの大きさを嫌気

米株式市場でボラティリティ(変動性)が 1929年のニューヨーク株暴落に端を発した大恐慌以来の高水準となるなかで、 投資信託は株式を売却し、現金の保有比率を高めている。

米メリルリンチがファンドマネジャーを対象に今月実施した調査によれば、 43%が規定以上に資金を現金に換えている。この割合は、2001年4月の調査開 始以来で最高。買い入れるべき株式が減っており、解約に備える動きもあり、 投信の総資産に対する現金比率は5年ぶりの高水準となっている。

通常は株式を「買い入れ、保有する」投資家が売りに回っている。相場変 動が一段と激しくなり、先行き予想が難しくなっているからだ。米サブプライ ムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)を発端とする信用市場の動揺に伴 い2000億ドル(約20兆円)の損失が発生し、アナリストらは前四半期の銀行 の利益見通しを大きく過大評価する結果となった上に、株価の不安定さがバリ ュエーション(株価評価)を測る指標を混乱させている。

PNCウェルス・マネジメントのジェームズ・ダニガン最高投資責任者(C IO)は、「こうした市場での取引を続けるならば、資金が不足してしまうだろ う」と述べる。フィラデルフィアに本社を置くPNCなどの投信運用会社は、 ヘッジファンドのように相場下落時に空売りで利益を生み出す戦略を採用して いない。

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によれば、米株の指標、S& P500種株価指数の1日当たりの変動率が1%以上となったのは今年の営業日 の53%を占める。これは1938年以来で最高。ヘッジファンドなど投機的な取 引を手掛ける投資家が、信用取引で利益拡大を狙っていることが影響している。

ニューヨーク証券取引所の1日平均の出来高は17億5000万株と、過去最 高に膨らんだ。昨年を11%上回る水準だ。米国のオプション市場での出来高上 位10日のうち半分以上が今年のもの。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数は今年、平 均26.16%と、2002年以来の高水準。ブルームバーグのデータによれば、10日 間のヒストリカルボラティリティに基づけば、S&P500種の銀行株の変動は 少なくとも1989年以来の高水準に達した。

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