米シティ、資産規模で米最大手の座を放棄も-ローンや証券処分か

米金融会社トラベラーズ・グループとの10 年前の合併を経て、資産規模で米最大手の金融機関となった米シティグループの 株価が低迷している。同業のバンク・オブ・アメリカ(BOA)やJPモルガン ・チェース、米S&P500種株価指数と比較しても見劣りがする。

就任後4カ月のビクラム・パンディット最高経営責任者(CEO、51)が、 最大手よりも3位の金融機関で良いと決断したとしても不思議はない。

200億ドル(約1兆9940億円)もの評価損が重しとなり、シティの株価は 2000年の終値ベースの高値(54.76ドル)から半値以下に値下がりしている。事 情に詳しい匿名の関係者によれば、同社は資本増強に向け、ローン債権や証券計 2000億ドル超を処分する方針だ。

オルスタイン・キャピタル・マネジメントで最高投資責任者(CIO)を務 めるロバート・オルスタイン氏は、パンディットCEOの下、シティが「多くの 脂肪を落とすだろう。パンディット氏は業界1位か2位かは気にしていないと思 う。テニスの試合ではないのだ」と語る。オルスタイン氏はシティ株約175万株 を保有しており、株価が向こう2年以内に2倍に値上がりすると予想している。

シティが総資産2兆2000億ドルの一部を減らせば、JPモルガンやBOA が資産規模で米最大手の金融機関に浮上する可能性がある。一方、資産を処分す れば、シティは昨年の収入の57%を占めた利息の受け取りが減少する恐れもあ る。

過去に前例のないほど損失が膨らんでいる信用市場で資産の買い手を見つ けるのは容易ではないかもしれない。RCMキャピタル・マネジメントのアナリ スト、アダム・コンプトン氏は、「シティグループは規模の小さい組織としてう まくいくかもしれないが、資産から生み出される利益を失うことになるほか、市 場の現状では売却が困難だろう」と話す。

匿名の関係者によれば、シティは損失覚悟で資産を売却するよりも、ローン 債権や証券の償還期限が切れるのを待って資産ベースを引き下げる公算が大き い。この資産には、簿外の投資ファンドの救済で引き受けた490億ドル相当の証 券が含まれている可能性がある。

パンディットCEOは2007年初め以来で1500億ドルもの時価総額を失った シティを立て直す方法について、向こう7週間のうちに株主に説明する予定。同 社の時価総額は3月17日に1998年以来初めて1000億ドルを下回った。20日に は1170億ドルに回復している。同社の広報担当、シャノン・ベル氏によれば、 パンディットCEOはコメントできないという。

シティは昨年10-12月期に時価総額で最大手の座をBOAに譲った。また 今年1月にはJPモルガンが2位となっている。1998年4月のシティコープ(当 時)とトラベラーズの合併発表以来、シティ株のリターン(投資収益率)は配当 再投資分含めて平均で年プラス0.1%にとどまっている。

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