東京外為:ドルが強含み、対円で99円台後半―商品相場の動向に注目

午前の東京外国為替市場では、ドルが強含 み。この日は米国を除いて、海外市場の多くが前週末に続き休場で、目先の手 掛かり材料に乏しい中、商品相場の調整を背景にドルが買い戻された前週の流 れを引き継ぎ、ややドル買いが優勢となっている。

ドルは対円で1ドル=99円台半ばから一時、99円90銭(ブルームバーグ・ データ参照、以下同じ)まで上昇。また、対ユーロでは1ユーロ=1.54ドル半 ばから1.54ドルちょうどまでドルが買われている。

新生銀行キャピタルマーケッツ部のキム・カンジャ次長は、「今週はユー ロ・ドルとコモディティ(商品)市場の動きが注目される」と指摘。先週はイ ースター前でコモディティ価格がかなり下がり、それにつられてユーロ売り・ ドル買いが進んだが、イースター休暇明け後に「コモディティ市場がまた回復 するようであれば、やはりドルは依然として弱いという感じになる」とみてい る。

一方、対ドルでの円弱含みを背景に、ユーロ・円は1ユーロ153円台半ば 付近から153円台後半へ水準を切り替えている。

ドル安一服―商品相場動向が焦点

先週は金融システム不安が高まり、ドルが急落。対円では一時、約12年7 カ月ぶりに1ドル=95円台へ突入し、対ユーロでは1ユーロ=1.5903ドルの史 上最安値を記録した。

しかし、その後は、投資銀行への貸し出し窓口新設など米連邦準備制度理 事会(FRB)による矢継ぎ早の流動性支援策発表もあり、過度の金融システ ム不安はひとまず後退。ドル安一服となる中、欧米のイースター休暇を前に週 半ば以降はこれまでドル安を背景に高騰を続けていた商品相場が急落し、ドル は資源国通貨やユーロを中心に買い戻される格好となった。

こうした中、今週は商品相場が再び上昇基調に転じるか、さらに調整が進 むかが注目されている。新生銀のキム氏は、「イースター明け後にポジション 調整を終えて、もう一度コモディティ市場が上昇してくるようであれば、ユー ロ・ドルももう一度1.60ドルトライということになる」といい、その場合はド ル・円も先週付けたドル安値の95円76銭(EBSでは95円77銭)を試す動 きになるとみている。

ニューヨーク原油先物相場は24日の時間外取引で下落。米景気減速が原油 需要の縮小につながるとの懸念が強まったほか、ドルの上昇が投資家に原油な どの商品の売りを促している。

ドルの戻りでは売り優勢との見方

この日はイースターマンデー(復活祭後の月曜日)のため、欧州市場やオ ーストラリア、香港など海外市場の多くが休場。このため、市場参加者が少な く、流動性に乏しい中、相場が振れやすくなっている。

一方、今週は米国で住宅や消費関連の経済指標が発表される予定で、内容 次第では米国の景気後退入りが改めて意識される可能性もあり、ドルは引き続 き信用収縮と景気動向をにらみながら、神経質な展開が続きそうだ。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の井上英明グループマネージャーは、米金 融当局が積極的に利下げに動くなど、信用不安の緩和に向けて手を打っている 中、市場は次の一手を見極める状況でドル売りがやや小休止といった感がある ものの、「金融機関の危機的な状況が第2、第3と明るみになってくる可能性 も残っており、ドルの戻り局面では売りが出やすい」とみている。

信用不安くすぶる

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は21日、米大手 証券のゴールドマン・サックス・グループ(GS)とリーマン・ブラザーズ・ ホールディングスの信用格付け見通しを「ステーブル(安定的)」から、将来 の格下げの可能性がある「ネガティブ(弱含み)」に引き下げた。

S&Pは、米大手金融機関の利益は今後1年間で最大30%減少する可能性 があると指摘。FRBが決定した証券会社対象の公定歩合貸し出しと、JPモ ルガン・チェースによるベアー・スターンズ買収計画に関連した特別融資は「流 動性の懸念を軽減する」とした上で、「それでも、資本市場の混乱の持続や大 幅な景気鈍化の可能性は若干あるとみている」との判断を示した。

S&Pはまた、金融保証会社(モノライン)のファイナンシャル・ギャラ ンティー・インシュアランスと親会社FGICの格付けを再度引き下げる可能 性があることを明らかにした。資本調達の能力などを疑問視している。

一方、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は22日、米欧の中央銀行が モーゲージ担保証券(MBS)市場を下支えするため、公的資金投入の妥当性 を検討していると報じた。同紙が情報源を明示せずに伝えたところによると、 FRBとイングランド銀行、欧州中央銀行(ECB)は、金融市場の混乱への 対応に関する協議の一環として、MBSをめぐる話し合いの初期段階にある。 MBS価格のさらなる低下を防ぐため、公的資金を大規模なMBSの購入に充 てる案が検討対象になっているという。

ただ、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、FRB 関係者はMBSの購入についてFRBが他の中央銀行と協議している事実はな いと否定している。

--共同取材:吉川淳子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama、Hidenori Yamanaka

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