【個別銘柄】原油安メリット、三菱重、ソニ、昭電工、すてき、TPR

21日の日本株市場における主な材料銘柄 の動きは次の通り。

パルプ・紙株:日本製紙グループ本社(3893)が7.4%高の24万6000 円と3日続伸。原油価格の下落を受け、コスト負担増への警戒感が和らいだ。 東証業種別33指数のパルプ・紙指数は5.4%高で、上昇率1位。王子製紙 (3861)も5.4%高の446円。ニューヨーク原油先物相場は19日、20日と連 日で売られ、NY商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物5月限 は、今週付けた最高値から9.1%下げた。

三菱重工業(7011):6.3%高の437円と3連騰。国産小型ジェット旅客 機「MRJ」の事業化方針を固めた、と20日に日本経済新聞で報道されたこ とを受けた。今後の事業拡大の可能性などを見込んだ買いが集まり、売買高は 4550万株と膨らみ、東証1部では新日本製鉄(5401)、三菱UFJフィナン シャルG(8306)に次いで3位。

商社株:丸紅(8002)が7%安の701円、三菱商事(8058)が5.8%安の 2745円など。原油をはじめ国際商品市況の急反落を受け、利益の上積み期待 が後退。時価総額、流動性で分類するTOPIXニューインデックスでは、上 位30社で構成されるコア30指数が1.8%高と、上昇率が2%を超えたラージ 70、ミッド400、スモールに劣った。コア30の上値を抑えたのは三菱商と三 井物産(8031)。また、東証1部の下落率上位には、三井鉱山(3315)や住友 金属鉱山(5713)、松田産業(7456)など貴金属関連銘柄が並んだ。

ソニー(6758):1.7%安の4170円と反落。持分法適用会社のソニー・エ リクソン・モバイルコミュニケーションズ(SEMC)は19日、08年度第1 四半期(1-3月)の携帯電話端末販売台数の成長鈍化が、収益に悪影響を与 える見込みと発表。売上高は前年同期比減少、税引前利益は研究開発費増もあ り、1.5-2億ユーロにとどまる 。ゴールドマン・サックス証券の藤森裕司ア ナリストは「3月に入り、SEMCから部品メーカーへの発注が弱含んだ点は 市場も認識していたが、利益インパクトは予想以上」と指摘。4-6月期も減 収・減益の可能性があり、「ソニー株の重しとなろう」(同氏)という。

新光証券(8606):一時9.7%安の281円まで急反落。米サブプライム (信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の影響を受け、みずほ証券との合併 が再び延期となる公算が高まり、これを嫌気した売りが優勢となった。ただ売 り一巡後は下げ渋り、終値は0.6%高の313円と戻す。

繊維株:東レ(3402)が5.1%高の593円、三菱レイヨン(3407)が

4.3%高の319円、旭化成(3407)が3.1%高の530円、帝人(3401)が6.4% 高の399円と総じて上昇。原油価格の下げを受け、これまでのコスト増につな がるとの懸念が和らぎ、見直し買いが進んだ。

東芝(6502):1.8%安の677円と反落。19日に、主力の半導体メモリー の市況悪化や次世代DVD「HD-DVD」事業の撤退損失発生を理由に、今 期(2008年3月期)連結業績予想の下方修正を発表。収益の先行きを不安視 した売りが優勢となった。野村証券金融経済研究所は判断「2(買い)」から 「3(中立)」に引き下げ。

昭和電工(4004):8.8%安の313円と急反落。UBS証券は19日付で投 資判断を「中立」から「売り」に下げ、目標株価も400円から250円に見直し た。HDD(ハードディスクドライブ)事業で今後、価格低下圧力が強まる可 能性が警戒されるという。一時305円まで下げ、05年8月以来の安値に。

損保ジャパン(8755):5.8%高の956円と急反発。08年3月期末配当を前 期比4円増の1株当たり年20円にすることにした。従来予想は16円。

JUKI(6440):4.4%安の344円と急反落。ミシンの訪問販売を手掛 ける子会社が悪質な訪問販売を繰り返したとして、経済産業省から行政処分を 受けたと19日に発表し、レピュテーション(評判)リスクが警戒された。

すてきナイスグループ(8089):12%安の213円と大幅反落。東証1部の 値下がり率で飛島建設(1805)に次ぎ2位。改正建築基準法の影響で住宅向け の木材や建材などの受注が計画を下回り、08年3月期の業績予想を下方修正 した。株価は212円まで下げ、03年12月以来の安値圏に沈んだ。

イオンモール(8905):5.1%高の2480円と3日続伸。旧ダイヤモンドシ ティとの合併による収益上乗せ効果などで、前期(08年2月期)連結利益が 過去最高を達成したと20日付の日経新聞で報じられ、買い圧力が強まった。 業績好調を踏まえ増配も検討するとされ、株主配分重視の姿勢も評価された。

海運株:川崎汽船(9107)が3.9%安の884円、日本郵船(9101)が

0.7%安の856円。不定期船運賃の動向を示すバルチック・ドライ指数が20日 までに8日続落となっており、荷動き需要の減退が警戒された。また野村証券 金融経済研究所の成田康浩アナリストは、4月末に迫る北米航路のコンテナ運 賃について「北米の景気減速懸念で、原油高分のコストを運賃に上乗せできる かクエスチョンマークが付き始めた」と指摘。コンテナが主力の川崎船の下落 率が、日本貨物航空の寄与度が大きい郵船を上回っている事情を解説した。

リケン(6462):8.7%高の424円と3連騰。19日に発行済み株式総数の

5.71%に相当する600万株、金額にして30億円を上限とした自己株式の取得 を発表し、株価下支えや今後の株式需給の好転を見込んだ買いが優勢だった。 今週初の17日には、04年6月以来の安値水準となる365円を付けていた。

レイコフ(8941):ストップ安(値幅制限の下限)水準の3000円 (14%)安の1万8500円で42株の比例配分。なお差し引き2万2000株以上 の売り注文を残す。20日に民事再生手続きの開始を大阪地裁に申請、受理さ れた。大証では4月21日付でレイコフ株のヘラクレス上場廃止を決定し、持 ち高処分の動きが先行した。同社は不動産ファンドの企画、運営を手掛ける。

オンキヨー(6729):午前10時31分の売買成立以降は、ストップ高(値 幅制限の上限)水準となる50円(31%)高の213円で買い気配が続いた。結 局同水準で12万4000株が比例配分され、なお差し引き6万8000株の買い注 文が残る。昨夏に子会社化したソーテック(6829)を株式交換で7月22日に 完全子会社化した上で、9月1日に吸収合併する。事業を一体化することで親 和性の高いAV機器とパソコンの企画・開発を優位にできると判断した。株式 交換比率は5月15日に決定、発表する。

LTTバイオファーマ(4566):ストップ安となる3000円(15%)安の 1万7200円で211株の比例配分。なお差し引き1万1000株以上の売り注文を 残す。子会社のアスクレピオスが19日付で東京地裁に破産手続き開始を申し 立てて受理されたと発表。負債総額は約52億7000万円。今後の業績への悪影 響が警戒された。

サイバーエージェント(4751):16%高の13万8000円と大幅続伸。JP モルガン証券が19日付で、投資判断を「アンダーウエート」から「中立」に 引き上げた。目標株価も12万円から14万2000円に見直し。

オハラ(5218):3.1%高の1697円と5日続伸。ゴールドマン・サックス 証券が20日付で、投資判断を「買い」としたまま、目標株価を2300円(従来 は2200円)に引き上げた。

トップカルチャー(7640):13%高の352円と3連騰。書籍を中心にCD やDVDを販売する大型複合店舗を運営。19日の引け後に発行済み総数の 4%相当の50万株、2億円を上限に自己株式の取得を行うと発表していた。

上新電機(8173):10%高の1068円。日本証券金融では21日から、新規 売り・現引きについての申し込み停止措置を行っており、売り圧力の低下を見 込んだ売買が活発化した。日証金ベースで19日時点の売り残は29万株と、18 日比で93%増と膨らんでいた。

カカクコム(2371):11%高の62万5000円と大幅続伸。インベスコ投信 投資顧問が新たに5.83%の大量保有を行っていることが19日に財務省に提出 された報告書(5%ルール)で確認されている。

TPR(6463、帝国ピストンリング):7.3%高の932円と3日続伸。午 後1時50分に08年3月期の利益予想を増額修正し、配当を引き上げると発表、 これを受けて上げ幅が拡大した。利益の増額は中国現地法人からの受取配当金 が増えたため。08年3月期末配当予想も従来比2円上乗せされ、年18円と前 期比では4円の増配となる。

KOA(6999):8.5%高の737円と3日続伸。香港に拠点を置くシュ ー・タイ・インターナショナル・カンパニーがKOA株式を買い進め、発行済 み株式数の6%超を保有していることが明らかになった。保有目的が「政策投 資」となっており、M&A(企業の合併・買収)関連材料と捉えられたほか、 足元の株価が割安に放置されていたことを見直す動きもあった。時価ベースの 予想PERは11倍台で、配当利回りは2.7%。

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