米国とアブダビ、シンガポール:政府系ファンドの規則導入で合意(2)

ポールソン米財務長官と、アラブ首長国連 邦(UAE)のアブダビ、シンガポールの政府系ファンド(SWF)は20日、 情報開示強化の規則を導入するとともに、投資を「地政学上の」目的でなく、経 済目的で行うことで合意した。

ポールソン長官と両国の当局者は首都ワシントンでの会談後に共同声明を発 表し、「開放的で安定的な国際金融システムは共通の利益だ」と言明した。

米国はSWFやその投資を受ける国に対し、国際通貨基金(IMF)や経済 協力開発機構(OECD)が草案を作成しているガイドラインへの合意を求めて いる。ポールソン長官の取り組みは、米議会内の外国人投資家に対する保護主義 ムードを緩和することなどが狙いだ。

ポールソン長官は声明文で「シンガポールとUAEは、長い歴史があって広 く尊敬を集めるファンドを保有しており、われわれに賛同することで真のリーダ ーシップを発揮している」と称賛。「米国はSWF投資を歓迎しており、IMF やOECDが策定中のイニシアチブの支持に向けて両国と引き続き努力すること を期待している」と説明した。

同長官はこれまで、SWFの透明性の欠如が米国で保護主義の台頭を招く恐 れがあるとの懸念を表明してきた。欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員 会は先月、SWFの政治的影響力を限定する国際的な合意を呼び掛けた。SWF の数は約40に増え、運用資産総額は2兆-3兆ドル(約198兆-298兆円)に 拡大している。

3カ国はこの日、すべての投資案件を商業目的に限定するとともに、SWF が情報開示を強化し、厳格なリスク管理や統治を行う必要があるとの点で意見が 一致。投資を受ける国側が保護主義的な障壁を設けないことなどでも合意した。

共同声明は「SWFの投資決定は、直接的または間接的に政府の地政学上の 目的を追求するのではなく、商業目的だけに基づくものでなければならない」と している。

アブダビ投資庁(ADIA)は声明文で、「こうした原則を支持し、実行す ることを期待している」と表明した。

中国やロシアなどは、経済成長や原油高で中銀の外貨準備が過去最高水準に 押し上げられるなかでファンドを立ち上げている。キミット米財務副長官は先月、 こうしたファンドの運用資産は5年以内に12兆5000億ドルに達する可能性を示 した。

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