景気逆風突いてデジタル一眼レフ市場は激戦-ニコンは今期上振れ(3)

景気先行きが不透明となるなかで、今年市 場拡大が見込まれるデジタル一眼レフカメラは大激戦になりそうだ。ニコンは今 期(2008年3月期)デジカメ全般が計画を上振れることを明らかにし、来期 (09年3月期)も堅調な伸びを見込む。キヤノンやオリンパスも新機種投入で 市場を上回る伸びを狙っており、ソニーは悲願のシェア10%獲得に自信をみせ ている。

国内春商戦が本番を迎えるなか、東京ビッグサイト(江東区)で開催中の写 真・映像産業のイベント「フォトイメージングエキスポ(PIE)」の会場で 19日、各社の担当幹部がブルームバーグ・ニュースの取材に応じた。

ニコンの木村真琴取締役兼専務執行役員映像カンパニープレジデントは、今 期(08年3月期)のデジタル一眼レフの販売台数は計画の300万台を上回り、 来期も業界平均成長率を上回る伸びを目指すと語った。消費減速が指摘される北 米でのカメラ販売も「環境としては悪くなっていると思うが、われわれの商品力、 マーケティング力で、大きな影響は受けていない」という。

日本のカメラメーカーの業界団体CIPA(カメラ映像機器工業会)による と、08年の世界のデジタルカメラ市場は全体で前年比12%増の1億1195万台、 このうち一眼レフは同22%増の913万台の見込みだ。各社が相次いで入門機種 を投入したことで裾野が広がっている。世界のデジカメ市場では日本メーカーの 製品が7-8割を占める。キヤノンは1月、今期(08年12月期)のデジタル一 眼レフ販売計画を38%増の440万台と発表している。

昨年、国内デジタル一眼レフ市場で初めてキヤノンから首位の座を奪ったニ コンの木村取締役は、今期の見通しについて「一眼レフ、交換レンズ、コンパク トいずれも公表した数字より上にいく」と述べ、地域的にも「まんべんなく出て いる。伸び率からいえば中国などアジアだが、それを除けば平均的に好調」と語 った。

オリンパスは国内上振れ

オリンパスの五味俊明常務執行役員は、デジカメ全体で来期の伸び率は 「10%以上」を目指すとしたうえで、一眼レフは「伸びが急激なのでかなり期待 できると思っている」と強調。4月には世界最薄・最小の「E-420」を発売 する予定で、一眼レフの伸びはCIPAの予測を上回る計画になるという。五味 氏は「先行2社が強いので果敢にチャレンジしていきたい」と述べた。

オリンパスの今期は、コンパクトでは2月に発売した「μ1020」がけん 引し、国内市場は予想を上回る伸びを期待できる一方、北米は市場動向が不透明 なため、全体としては1130万台の計画通り推移しているという。

2、3月とデジタル一眼レフの新製品を投入したペンタックスは、06年秋 に発売したヒット商品「K10D」の後継機「K20D」の国内出荷が「K10 D」の倍の勢いで、鳥越興取締役上級執行役員イメージングシステム事業本部長 は「非常に手応えを感じている」と語った。交換レンズも好調で、今期、デジカ メなどイメージング部門は「創業以来の売り上げと利益が出る」という。今期の デジタル一眼レフ販売見通しは50万台。鳥越取締役は100万台まで「2、3年 のうちにはもっていきたい」と語った。

ソニー一眼レフは今年世界シェア10%へ

コニカミノルタホールディングスのデジタル一眼レフ事業を買収し、06年 7月に1号機を発売したソニーは、参入以来4機種目となる「α350」を7日 発売した。背面の液晶モニターで画像を確認しながら撮影ができる機能を搭載。 勝本徹AMC事業部事業部長は、「α350を出してから、新規に一眼レフを買 う人が半分以上を占めている。女性の比率が非常に上がっていることも特徴」と 話す。

今年の年末商戦にはフラッグシップモデルも投入する。「αシリーズ」とし ては初めて35ミリのフルサイズCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサー を搭載すると同時にカメラ内手振れ補正機能も付け、有効画素数は世界最高レベ ルの2400万画素。勝本氏は「ようやくフルラインアップで思い切り勝負でき る」とし、年間平均で「世界シェア10%が達成できる」と語った。米調査会社 IDCによると、06年のソニーのデジタル一眼レフ世界シェアは6.2%だった。

2強崩せるか

キヤノンは21日、新製品「EOS Kiss X2」を発売、国内市場の巻 き返しを図る。今年は入門機が2機種となり、団塊世代向けに昨秋投入した『4 0D』も好調。キヤノンマーケティングジャパンの佐々木統取締役は、「まだ言 えないが、市場の拡大に合わせニーズに合った商品を出していきたい」と語った。 キヤノンも一眼レフ購入者に「女性が増えている」といい、新たな顧客層の開拓 を目指す。

水戸証券調査部の若林恵太アナリストは、デジタル一眼レフ市場について 「日本は市場開拓が先行していたので若干成熟感が出てきつつあるが、世界的に はまだ拡大期」と指摘。そのうえで、キヤノンとニコンはフィルムを使う銀塩カ メラの時代からレンズの資産があり、品ぞろえも充実しているのに対し、「2強 以外のメーカーがマーケットの拡大を享受できるかは簡単にはいかない。1、2 機種のヒットだけで2社にキャッチアップすることは難しい」との見方を示した。

ニコン株の21日終値は前日比20円(0.8%)高の2605円。

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