ベアーS債:救済買収で社債投資家に安堵感-サムライは1800億円(2)

米サブプライム問題で実質的に破たんし た米大手証券ベアー・スターンズの社債に対する安心感が急回復している。米 銀大手のJPモルガン・チェースによる同社の買収合意を受けて、デフォルト (債務不履行)の危機感が薄れ信用リスク不安が後退したためだ。日本では同社 が発行した円建て外債(サムライ債)1775億円が残存している。

市場ではJPモルガンがベアー・スターンズを買収完了時点で、同社の負 債を引き受けるため、社債投資家は保護されるとの見方が浮上し、デフォルト の可能性が一気に後退した。米格付け会社のムーディーズやフィッチ・レーテ ィングスは、ベアー・スターンズの格付けをいったん、格下げした直後、救済 買収の合意を受けて一転、引き上げ方向で見直している。

日興シティグループ証券の高橋克英クレジットアナリストは、「ベアー・ス ターンズの社債については、サムライ債を含めてデフォルトの危機は薄らいだ。 今後の信用力は、JPモルガンの信用力に収れんするだろう」と語った。

ベアー・スターンズ発行の円建て外債(サムライ債)は合計8本で総額 2275億円、うち残存している6本1775億円にも同社の経営難が影響している。 2011年11月満期の第7回債(発行額308億円)では、国債+400bp程度だっ たスプレッドは、資金繰り難表面化後+900bp程度まで拡大したが買収発表で 縮小に転じ、現在は600bp程度で推移している。

一方、同社のドル建て債のスプレッド(金利上乗せ幅)は、資金繰り難に 陥り金融危機が表面化した際には、米国債+300bp程度から+600bp程度まで 一気に拡大したが、救済買収の発表を受けて、スプレッド拡大は止まっている。 同社の5年物CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)も、先週末の14 日には750bp程度から19日には350bp程度まで縮小した。

ベアー・スターンズの格付け動向では、ムーディーズが14日にA2からB aa1に2段階、引き下げた後、買収発表を受けて17日、引き上げ方向で見 直した。フィッチもAからBBBに3段階、引き下げた後、A-に格上げ、さ らに格上げ方向で見直している。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P) もAからBBBに引き下げた後、現在、格上げの可能性もあるとして方向性を 不確定とした。

JPモルガン・チェースの格付けは、ムーディーズがAa2、S&PがA A-、フィッチがAA-としており、買収完了時点では、ベアー・スターンズ とJPモルガンの信用力は同じ水準に収束するとみられる。

*ベアー・スターンズの格付け推移
ムーディーズ     :A1 → A1(引き下げ方向、07.11.14)
                  → A2(07.12.20)→ Baa1(引き下げ方向、
                  08.3.14)→ Baa1(引き上げ方向、08.3.17)
S&P           :A+ → A(07.11.15) → BBB(引き下げ方向、
                   08.3.14)→ BBB(不確定で据え置き、08.3.17)
フィッチ         :A+ → BBB(引き下げ方向、08.3.14)
                   → A-(引き上げ方向、08.3.17)
R&I           :AA- → A-(方向性未定、08.3.17)
JCR           :AA → AA-(07.12.25)
                   → AA-(不確定、08.3.17)

*ベアー・スターンズが発行したサムライ債一覧
    回号  発行額    クーポン      発行日        償還日
固定  1    300億円   0.550%    2001/05/30   2003/05/30
      2    200億円   1.120%    2001/05/30   2006/05/30
      3    270億円   0.830%    2004/02/25   2009/02/25
      4    330億円   1.230%    2004/08/25   2009/08/25
      5    540億円   0.700%    2005/07/08   2010/07/08
      6    220億円   1.070%    2005/07/08   2012/07/06
      7    308億円   1.540%    2006/11/30   2011/11/30
変動  1    107億円   6mL+17bp   2006/11/30   2011/11/30

共同取材:鞠子 和枝、Editor:Takashi Ueno、Kazu Hirano

--参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 上野 孝司 Takashi Ueno (813)3201-8696 tueno@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo(813)3201-3651 yokubo1@bloomberg.net Singapore Netty Ismail +65-6212-1106 nismail3@bloomberg.net

新発債 NI CNI、 NI NEWBON、 NI CORPFIN、KINRI、KISAI 起債予 定 NI BONDALERT 起債評価 NI JBHY 金融市場 NI JMALL NI FIN 企業ニュース NI COS、NI KIGYO 日本語ニュース NI JHEAD、JNEWS、JPALL 日本 NI JAPAN アジア NI ASIA

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE