3月20日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:大幅反発。週間ベースでは今月初のプラスで終えた。住宅金融大手の ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社) の住宅ローン購入が拡大し、住宅ローン市場の安定につながるとのアナリスト指 摘が好感された。またメリルリンチがゼネラル・エレクトリック(GE)の株式 を買い推奨としたことで地合いが改善した。

キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズはファニーメイとフレディマック の株式投資判断を引き上げ、S&P500種の金融株価指数は両銘柄のけん引で

6.9%上昇した。時価総額で米国2位のGEは年初来高値を更新。メリルのアナ リストらはリセッション(景気後退)に陥ってもGEの収益は持ちこたえられる との見方を示した。リーマン・ブラザーズ・ホールディングスやベアー・スター ンズ、モルガン・スタンレーはいずれも10%を超える値上がり。連邦準備制度理 事会(FRB)の措置が住宅ローン焦げ付きによる金融機関の損失の抑制に効果 を発揮しているとの見方が広がった。

S&P500種株価指数は31.09ポイント(2.4%)高の1329.51。ダウ工 業株30種平均は261.66ドル(2.2%)高の12361.32。ナスダック総合指数 は48.15ポイント(2.2%)上げて2258.11で終えた。

MFSインベストメント・マネジメントの主任投資ストラテジスト、ジェー ムズ・スワンソン氏(ボストン在勤)は、「ファニーとフレディは金融危機に伴 う打撃を弱め、事態は一段の悪化を免れた」と評価。「米国以外の経済は持ちこ たえている。大手多国籍企業が今もなお大幅な増益を遂げていることがこれを物 語っている」と述べた。

エネルギー株と素材株

商品市場では金が週間ベースで1990年以来最大の値下がりを記録。S&P 500種は素材株の下げで上値が重くなった。アジアの株式相場は商品下落に圧迫 された。欧州の株式相場は金融大手のクレディ・スイス・グループが信用市場の 機能不全で損失計上を余儀なくされるとの見方を示したことから、値下がりした。

21日はグッドフライデー(聖金曜日)の祝日で北米、南米とも金融市場は休 場になる。

ファニーメイは3.59ドル高の34.30ドル。フレディマックは2.68ドル上 昇して32.58ドル。キーフ・ブリィイエット・アンド・ウッズのアナリスト、 フレデリック・キャノン氏は両銘柄の投資判断を「マーケットパフォーム」から 「アウトパフォーム」に引き上げた。米連邦住宅公社監督局(OFHEO)は19 日、ファニーメイとフレディマックに対する資本規制を緩和。自己資本比率の最 低基準上乗せ幅を30%から20%に引き下げた。これにより、住宅ローン担保証 券市場に2000億ドルが流入する道が開かれた。

「危機は終わった」

銀行や証券会社の株価も上昇。パンク・ジーゲルのアナリスト、リチャード・ ボーブ氏はリポートで、「米金融危機は終わった」との見方に基づき、金融株の 下落で投資家にはまれに見るチャンスが生じていると指摘した。

資産規模で米最大の銀行、シティグループは2.09ドル高の22.50ドル。同 2位のバンク・オブ・アメリカ(BOA)や証券最大手のゴールドマン・サック ス・グループも上昇した。

ボーブ氏は8カ月前は金融株を売りに指定。金融株はその後、一段安となり、 アメックス証券株価指数は4カ月で19%下げた。同氏は昨年11月にはシティの 買いを推奨。株価はその後、27%下げた。

リーマンとベアーS

リーマンは15%高。前日は9.2%安、その前は46%急伸していた。モルガ ン・スタンレーはこの日は14%高。JPモルガンへの身売りで合意したベアー・ スターンズは12%値上がりした。

GEも高い。メリルリンチはGEの株式投資判断を「中立」から「買い」に 引き上げた。同社アナリストのジョン・G・インチ氏はリポートで、平均を上回 るGEの配当利回りと発電事業への投資拡大などが収益に好影響を及ぼすと指摘 した。

S&P500種は週初から3.2%上昇。18日には利下げで景気が持ち直すと の期待から、5年ぶりの大幅高を記録。ブルームバーグが今月3日から10日に かけて実施した調査では、第1四半期米経済成長率の予想中央値は0.1%。第2、 第3四半期には加速すると予想されている。

○米国債:市場では3カ月物財務省短期証券(TB)利回りが低下。少なくとも 1954年以来の低水準に落ち込んだ。信用市場への信頼感が損なわれるなか、投 資家は安全性を求めて国債に買いを入れた。

TB利回りは一時0.387%まで低下。米金融会社のCITグループが短期 債市場での資金調達ができなくなったとして、信用枠73億ドルから資金を引 き出したことが明らかになり、国債の買いを誘った。2007年初めからこれまで 米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンに絡む損失や評価損とし て世界の金融機関が計上した金額は総額1950億ドルに上る。

スタンダード・ライフ・インベストメンツの世界ストラテジー責任者、ア ンドルー・ミリガン氏は、「痛みを感じるのはまだこれからだ。そう示唆する 証拠はそろっている。投資家は安全な資産が必要だと言うだろう」と語った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後零時40 分現在、3カ月TB利回りは前日比10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポ イント)下げて0.458%。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後2時57 分現在、3カ月TB利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイ ント)上げて0.57%。

米証券業金融市場協会(SIFMA)の勧告により、20日は2時までの短縮 取引だった。21日の米英市場は復活祭を控えたグッドフライデー(聖金曜日)で 休場となる。

2007年初めからこれまでサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ロー ンや債務担保証券(CDO)に絡む損失や評価損として世界の金融機関が計上し た金額は総額1950億ドルに上る。

CITグループの緊急の信用枠利用

米金融会社CITグループは緊急の信用枠であるバックアップラインから資 金を引き出したことを明らかにし、資産売却の可能性を示した。資本市場での長 引く混乱や格付け会社による格下げが緊急のバックアップライン利用につながっ た。

米連邦準備制度理事会(FRB)は16日に公定歩合の引き下げを発表した ほか、投資銀行への貸し出し窓口を新設、さらに金融市場の混乱を鎮めるため、 米ベアー・スターンズの身売りを支援した。

FRBの公開市場操作(オペ)を担当するニューヨーク連銀は2000億ドル のターム物米国債貸与ファシリティー(TSLF)プログラムとして27日に実 施する第一回の入札規模を750億ドルとすると発表。同連銀は担保の対象を政府 機関の担保付住宅ローン証券や商業不動産ローンに絡む証券などに拡大した。

イールドカーブのフラット化

2年債と10年債の利回り格差は4日連続で縮小した。イールドカーブのフ ラット化は投資家がインフレ鈍化を見込み長期債を選好していることを示唆する。

2年債利回りは12bp上げて1.60%。2年債価格(表面利率2%、2010 年2月償還)は8/32下げて100 24/32。10年債利回りは1bp未満上げて

3.34%。2年債と10年債の利回り格差は174bpに縮小した。

金利先物市場動向によると、4月30日のFOMC会合でフェデラルファン ド(FF)金利誘導目標がさらに0.5ポイント引き下げられる確率は52%とな っている。前日は82%だった。

○NY外為:ドルが商品生産国の通貨に対して広範に値を上げた。 世界的な景気減速観測が広がるなか、金や原油を含む原材料相場は 2日続落した。

ノルウェー・クローネと南アフリカ・ランドは1%超の下落。原油 相場がバレル当たり100ドルを割り込み、金相場が3日前に付けた過去 最高値から12%下げていることが手がかりとなった。BMOキャピタ ル・マーケッツのグローバル通貨ストラテジスト、アンドルー・ブッシ ュ氏は、「広範にわたり大量のレバレッジ解消がみられる。ドルに とってこれは一時的な下支え材料だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時1分現在、ドルはユーロに対し1ユーロ =1.5415ドルと、前日の同1.5626ドルから上昇した。これは昨年12月 以来の大幅高。ドルは今月17日に付けた対ユーロでの過去最安値(1ユ ーロ=1.5903ドル)からほぼ3%反発している。

ノルウェー・クローネは対ドルで1ドル=5.2662クローネと、前日 の同5.1755クローネから下落。一時は2月26日以来の安値を付けた。 オーストラリア・ドルは対米ドルで1豪ドル=89.93米セント。前日は同

91.41米セントだった。円はユーロに対し前日比1.3%上昇の1ユーロ= 152円86銭。

18日のFOMCでの利下げ幅が0.75ポイントだったことを受けて、 商品相場の下落、ドル反発が進んだ。この利下げ幅は1ポイントの予想 を下回るもので、インフレ高進に対するヘッジとしての原油と金に対す る需要が落ち込んだ。

見通しの反転

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル・インデックスは3日続伸し72.810。19日は72.144だった。ドルが 対ユーロで過去最安値を更新した今月17日には同インデックスは

70.698に低下した。

三菱東京UFJ銀行の為替ストラテジスト、リー・ハードマン氏 (ロンドン在勤)は「原油をはじめとする商品市場のロング(買い持 ち)ポジションの手じまいが相場の主因となっている」と指摘。「これ は商品相場の下落を背景に、ドルにとっては好材料となる可能性があ る」と付け加えた。

同氏はさらに、ドルは今後数週間でユーロに対し1ユーロ=1.5280 ドルに上昇する可能性があり、同水準ではドルの売り注文が控えている ことから上値抵抗線にぶつかる見通しだとの予想を示した。その上で、 FOMCが昨年9月以来6回の利下げに続きさらに金利引下げを継続す る場合には、ドルは再び下落に転じ、対ユーロで1ユーロ=1.60ドルに 向かう可能性があるとの見方を示した。

商品相場の軟調

金相場は週間ベースで1990年以来の大幅な下げとなった。原油相場 は今週、過去最高値から8.9%下落した。銅相場は週間ベースで10カ月 ぶりの大幅な下げとなった。

南ア・ランドは対ドルで前日比1.1%安の1ドル=8.1775ランド。 カナダ・ドルは対米ドルで1米ドル=1.0295加ドルと、1月23日以来 の安値を付けた。前日は同1.0137加ドルだった。

○英国債:2年国債が下落した。同利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇し3.75%となった。一時は3.65%まで低下し、2003年 7月以来の低水準をつける場面もあった。週間ベースでは7bp下げた。

同国債(2009年12月償還、表面利率5.75%)価格は前日比0.12ポイン ト下げ103.26。

一方、10年債利回りは前日比2bp下げ4.28%となった。利下げ観測の後 退を背景に、2年債に対する10年債の上乗せ利回りは53bpと、前日の60b pから縮小した。17日には62bpと、ここ4年半で最大の幅となった。

○欧州債:相場は下落。欧州中央銀行(ECB)のパパデモス副総裁が堅調な与 信拡大の兆候を指摘したことを受け、年内の利下げ観測が後退した。

2月のドイツ生産者物価指数(PPI)が1年余りで最大の伸びとなったこ とも、国債相場の押し下げ要因となった。米株式相場上昇を背景に安全投資とし ての国債需要が減退した。この日の欧州銀行間貸出金利(EURIBOR)9月 限は、前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し3.99%とな ったことを受け、ECBが年内に利下げするとの観測が後退した。

ABNアムロ・ホールディングの金利ストラテジスト、ジェイソン・シンプ ソン氏(ロンドン在勤)は、「現行水準では、価格をさらに押し上げるためには 多くのネガティブなニュースが必要だ。現在の相場水準は中央銀行が積極的な利 下げを実行するとでも信じない限り、魅力がない」と語った。

ロンドン時間午後5時48分までに、2年債利回りは前日比9bp上昇の

3.31%となった。週間ベースでは5bp上げた。同国債(2010年3月償還、表 面利回り3%)価格は前日比0.17ポイント下落し99.43。10年債利回りはほ ぼ変わらずの3.74%だった。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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