3月19日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:反落。S&P500種株価指数は前日の上昇分のおよそ半分を失った。 商品相場が下落し、石油株や鉱山株が下げた。金融保証会社(モノライン)XL キャピタル・アシュアランスがメリルリンチの住宅ローン関連証券の保証を取り 止めようとしたことも売りを誘った。

エクソンモービルやシェブロン、コノコフィリップスなど石油株が安い。 米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げにもかかかわらず、リセッション (景気後退)は回避できないとの見方がエネルギー需要の低迷を受けて強まっ た。モルガン・スタンレーの決算が予想を上回り、ファニーメイ(連邦住宅抵 当金庫)やフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)が住宅ローンと関連担保 証券の購入拡大を認められた。これを好感し、金融株は買いが先行したが、メ リルリンチのニュースで下げに転じた。

S&P500種株価指数は前日比32.32ポイント(2.4%)安の1298.42 で終了。ダウ工業株30種平均は293ドル(2.4%)下落し12099.66。ナス ダック総合指数は58.30ポイント(2.6%)下げ2209.96で終えた。ニュー ヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は2対9。

ボストン・アドバイザーズのポートフォリオマネジャー、ジェームズ・ ガウル氏は「不安が市場を支配している。リセッションが長く深いものになる との見方が増えており、商品価格やエネルギー相場を押し下げている」と述べ た。

S&P500種のエネルギー株指数は5.4%安と、2002年8月以来の大幅 な下げ。原油相場が5ドル近く下落したことを嫌気した。前日に8.5%上昇し た金融株指数は2%下落した。

鉱山株や石油株の不振

シェブロンは4.9%安。コノコフィリップスは6%下落。エクソンも下げ た。原油相場は4.5%安と昨年8月以来のきつい下げとなった。

素材株指数は6.3%下落。産金世界最大手の加バリック・ゴールドや同2 位のニューモント・マイニングが下げた。18日にFOMCが実施した利下げ幅 が予想を下回ったため、インフレヘッジとしての金の魅力が弱まり、19日の金 先物相場は59ドル(5.9%)安と過去最大の下げとなった。

メリル、リーマン

メリルリンチは11%下落。同社は30億ドル相当の債務担保証券(CD O)の保証を実施するよう求め、XLキャピタルを訴えた。

前日に予想を上回る決算を発表し、46%上昇したリーマン・ブラザーズ・ ホールディングスも下げた。サンフォード・バーンスティンのアナリストは、 リーマンが870億ドルの劣化した債券をバランスシートから切り離さない限り、 評価損の計上が続くとの見解を示した。

ファースト・イーグル・グローバル・ファンドのジャンマリー・エベイア ール氏は「強い不透明感とリスクが残っている。FOMCは状況を打開しよう と必死だ」と語った。

○米国債:相場は堅調。3カ月物財務省短期証券(TB)利回りは、ほぼ50年 ぶり低水準に落ち込んだ。信用市場の損失が拡大するとの観測が広がり、投資家 が比較的安全性が高いとされる債券に買いを入れたのが背景。

1998年に破たんしたヘッジファンド、ロング・ターム・キャピタル・マネ ジメント(LTCM)の創業者の1人だったジョン・メリーウェザー氏が運営 する投資会社が損失に直面しているとの懸念や、住宅ローン大手ソーンバー グ・モーゲージが破産申請に追い込まれるとの見方から、債券が上昇した。18 日の連邦公開市場委員会(FOMC)はフェデラルファンド(FF)金利誘導 目標を引き下げた。米連邦準備制度理事会(FRB)は今週、投資銀行への貸 し出し窓口を新設、さらに金融市場の混乱を鎮めるため、米ベアー・スターン ズの身売りを支援した。

プルデンシャル・インベストメント・マネジメントの資産運用部門のジョ セフ・タリー氏は、「すべてが質への逃避による取引だ。市場参加者はまった く消極的になっている。短期国債だけに投資している」と語った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時15 分現在、3カ月物TBの利回りは32ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイ ント)下げて0.56%と、1958年5月以来の低水準を記録した。

10年債利回りは前日比16bp低下して3.34%。10年債価格(表面利率

3.5%、2018年2月償還)は1 11/32上げて101 10/32だった。2年債利回 り

は13bp下げて1.50%。

資金を保護するだけの取引

バンク・オブ・アメリカ証券の米金利戦略責任者、マイケル・クロハティ 氏は、「投資した資金を保護するだけの取引だ。つまり、短期国債を買えば償 還期限を迎えたときに額面1ドルにつき100セントを得るという考え方だ」と 語った。

3カ月物ドル建てLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)はここ3週間で 初めて上昇。米金融当局が市場の信頼回復に苦戦していることが示唆される。 3カ月物Tビル利回りと3カ月物LIBORの格差である「TEDスプレッ ド」は32bp拡大して1.98ポイント。FOMCが緊急利下げを実施した1月 22日以来の最大格差となった。

メリルリンチのデータによると、米国債の投資リターンは年初来で4.42%。 年初からのリターンとしては1995年来の最高。2007年初めからこれまで米サ ブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンに絡む損失や評価損として世 界の金融機関が計上した金額は総額1900億ドルに上る。

30年債利回り低下

30年債利回りは14bp下げて4.22%と、昨年12月11日以来で最大の下 げ幅だった。

FRBは16日に公定歩合の緊急引き下げを実施し、プライマリーディラ ー(政府証券公認ディラー)に公定歩合での借り入れを認める措置を発表した。 FRBはまた18日にも公定歩合を0.75ポイント引き下げ2.5%に設定した。

米証券会社ゴールドマン・サックス・グループとモルガン・スタンレーは 19日、FRBが新設した貸し出し制度を利用したことを明らかにした。

金利先物市場動向によると、4月30日のFOMC会合でFF金利誘導目 標が0.5ポイント引き下げられる確率は88%。残りは0.25ポイントの利下げ を見込んでいる。

○NY外為:円とスイス・フランが主要通貨に対し上昇。金や原油相場が急落し、 円やスイス・フランで調達した資金を投じていた投資家が商品の買いを反転さ せているとの観測が広がった。

金相場が2006年6月以来の大幅な下げとなり、原油相場がバレル当 たり4ドル以上も下落した後、円は主要16通貨すべてに対して上昇した。 米連邦公開市場委員会(FOMC)が18日にインフレ加速のリスクに言 及したことから、利下げペースが緩和するとの懸念を背景に商品相場が 下落した。

ニューヨーク時間午後4時4分現在、円はドルに対して1ドル=98 円90銭と、前日の同99円85銭から上昇した。円はユーロに対し、1ユ ーロ=154円42銭。前日は同155円95銭だった。スイス・フランはド ルに対し1ドル=0.9999フランと、前日の同1.0024フランから上昇し た。

ドルはユーロに対しては1ユーロ=1.5560ドル。前日は同1.5625 ドルだった。

大量のレバレッジ解消

マン・グローバル・リサーチのシニア通貨アナリスト、マイケル・ マルピード氏(シカゴ在勤)は「大量のレバレッジ解消が見られ、一部 の市場参加者は損失カバーのため、他市場での取引の手じまいを強いら れている」と述べた。また、ユーロ・ドル取引など「一部の一方的な取 引の調整が行われ、ドミノ効果を引き起こしている」と語った。

商品輸出国の通貨が急落。南アフリカ・ランドは円とスイス・フラ ンに対し少なくとも2.6%と大幅下落した。カナダ・ドルは米ドルに対 し2.3%安と、年初来最大の下げとなった。

前日のFOMCで政策金利は0.75ポイント引き下げられ、2.25%に 設定された。金利先物相場は2%への利下げ見通しを示していた。FO MCメンバーの2人はより小幅の金融政策調整を主張して、0.75%の利 下げに反対票を投じた。

フランス最大の銀行BNPパリバの通貨戦略世界責任者のハンスギ ュンター・レデカー氏は、FOMCのインフレコメントが「商品市場に 関する状況反転に」つながったと指摘。「ここ6-7週間続いていたト レンドの多くがこの日崩壊する格好となった」と付け加えた。

商品生産業者の下落を中心とする米株価指数の急反落も、この日の 円とスイス・フランの上昇につながった。

○英国債:相場は上昇。欧州株式相場が下落したことを受け、安全投資としての 国債需要が強まった。

2年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し

3.69%。同国債(2009年12月償還、表面利率5.75%)価格は0.10ポイント 上昇し103.38となった。

○欧州債:相場は下落。欧州中央銀行(ECB)の政策担当者らがインフレ圧力 が高まる恐れを表明したことを受け、ECBは年内に利下げに踏み切るとの観測 が後退した。

米証券2位のモルガン・スタンレーが19日発表した2007年12月-08年 2月(第1四半期)利益がアナリスト予想を上回ったことを背景に、信用市場の 損失拡大懸念が緩和されたことも、2年債相場を押し下げる要因となった。EC Bの政策委員会メンバーのノワイエ仏中銀総裁は「ECBがインフレ期待を物価 安定水準につなぎとめようとする取り組みは、完全に正当化されている」と発言 したことを受けて、年内に政策金利が引き下げられるとの見方が弱まった。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダの債券ストラテジスト、リチャード・マク ガイアー氏(ロンドン在勤)は、「金融セクターの業績が、安全投資としての国 債の輝きを奪いとった」と指摘。「ECBのタカ派的コメントで、ドイツ国債は 一層の打撃を受けた」と語った。

ロンドン時間午後4時32分までに、2年債利回りは前日比10ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.22%となった。同国債(2010年3月 償還、表面利回り3%)価格は0.20ポイント下落し99.59。10年債利回りは 同1bp上昇の3.76%。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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