東京スター銀:アドバンテッジ主導で買収戦略-地銀や消費者金融(3)

東京スター銀行は、新たに株主となった国 内系投資ファンドのアドバンテッジパートナーズの下で買収戦略を取っていく方 針だ。他の地銀や消費者金融などが選択肢で、すでに表明している店舗の全国展 開と併せ、収益拡大策の柱とする狙い。タッド・バッジCEO(最高経営責任 者)が19日までにブルームバーグ・ニュースのインタビューで明らかにした。

バッジCEOは「我々はまだ強化する分野がある」とした上で、「これから は買収による成長の可能性もある」と述べ、M&A(合併・買収)を新たな成長 戦略とする考えを表明した。アドバンテッジが同行を完全子会社化するTOB (株式公開買い付け)は3月上旬に成立したばかり。これまで買収戦略は明確化 していなかったが、今後は「新しい株主とじっくり話し合いたい」という。

ファンドとして銀行のM&Aを支援

スター銀は札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡などの既存店とは別に、今後3 年間で政令指定都市を中心に15店舗を新設し、新商品も投入していく方針。バ ッジCEOは買収先について「金融業界をメーンに、ノンバンクも可能性があり、 地銀も機会があれば十分あり得る」と述べた。スター銀を軸にM&Aでグループ 収益拡大を目指す。従来の筆頭株主は米ファンドのローンスターだった。

地銀業界では、一時国有化中の足利銀行の受け皿に野村ホールディングス傘 下のファンドが決定、関西地区では泉州銀行と池田銀行が経営統合を決めるなど 再編や異業種参入が活発化。生き残るには収益基盤の強化が大きな課題となる。 スター銀は2007年9月末の預金残高は1兆5000億円、首都圏を中心に35店舗 を構える第2地銀。05年秋に再上場したが、今後上場廃止になる予定だ。

野村証券金融経済研究所の藤原悟史アナリストは、東京スター銀の買収戦略 について「地銀などの買収が優良なマーケットである大都市で実現するならば評 価できる」と指摘。非公開化(上場廃止)で「思い切った手を打つことができ る」という。ただ、東京スター銀は株主がファンドで、「保守的な地銀からは警 戒されるので、買収などは簡単には進まないだろう」とみる。

アドバンテッジ、医療や製造業に投資へ

同時にインタビューに応じたアドバンテッジのリチャード・フォルソム代表 パートナーは、「M&A戦略は我々の得意とするところ」と述べ、スター銀を支 援する構えを強調した。買収は「今後2-3年で実現する可能性がある」と自信 を示した。金融業界以外では、優れた技術を持つ国内の医療関係や製造業、中国 などのアジア企業にも投資していく方針を表明した。

アドバンテッジは1992年12月にフォルソム氏と笹沼泰助氏が共同で設立。 これまでに大手スーパーのダイエーや外食チェーンのレックス・ホールディング スなど25社に投資。このうち2520億円規模の東京スター銀が最大となる。フォ ルソム氏は、日本は欧米と違い米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ロ ーン問題の影響は小さく、M&A市場は活発な状況が継続するとみている。

--共同取材:山崎 朝子  Editor: Kazu Hirano, Yoshito Okubo

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