東京外為:ドルもみ合い、信用不安緩和もドル先安観根強い-100円前後

午前の東京外国為替市場ではドルが3営業 日ぶりのドル高値圏でもみ合っている。米国の大手証券決算や利下げを受け、 過度の信用収縮不安が後退する中、前日の海外市場の流れを引き継ぐ形で朝方 はドルの買い戻しが先行。しかし、ドルの戻りでは売り意欲が根強く、ドル・ 円相場は1ドル=100円ちょうど前後で売り買い交錯の展開となっている。

バンク・オブ・アメリカのグローバル為替・金利・商品戦略部、藤井知子 日本チーフエコノミスト兼ストラテジストは、米国の利下げ幅が0.75ポイント と予想よりも小幅にとどまったこともあり、ドルの買い戻しが進んだが、「ド ル安をもたらしている要因自体がなくなったわけではないため、この先は再び ドル安・円高に戻る」と予想。きょうの東京市場についても「3月末でそれほ ど動けないし、ドルが上がれば売りたいと考える日本の市場参加者は多い」と みている。

米証券決算、アナリスト予想上回る

リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが18日発表した2007年12月- 08年2月(第1四半期)決算は、前年同期比57%の減益だった。ただ、減益率 はアナリスト予想を下回った。また、時価総額で世界最大の証券会社、ゴール ドマン・サックス・グループが発表した第1四半期決算は、前年同期比53%減 益と、同社が株式を公開した99年以来で最大の減益幅となったが、評価損と債 券関連の収入減が予想より小幅にとどまり、純利益はアナリスト予想を上回っ た。

市場予想を上回る決算を受け、市場では米金融機関の連鎖破たんに対する 懸念が弱まり、18日の米株式市場では買いが殺到。米連邦公開市場委員会(F OMC)が0.75ポイントの利下げを発表した直後には一時、株が下落に転じる 場面も見られたが、買いの勢いは衰えず、S&P500種株価指数は02年10月以 来の大幅な上昇率となった。

また、外国為替市場ではドルを買い戻す動きが活発となり、19日早朝にか けてはユーロ・ドルが一時、1ユーロ=1.5614ドル(ブルームバーグ・データ 参照、以下同じ)と14日以来の水準までドルが上昇。ドル・円も3営業日ぶり に1ドル=100円台を回復し、100円45銭の高値を付けた。

もっとも、ドルの上値では戻り売り意欲が強く、ドルは対円で一時99円39 銭、対ユーロでは1.5682ドルまで反落。その後は、ドルの押し目を拾う動きも あり、ドルは100円ちょうど前後、1.56ドル半ば付近でもみ合う格好となって いる。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのヘッド・オブFXストラテジ ー・ジャパンの山本雅文氏は、米証券会社の決算は市場の予想よりは良かった が、業績が悪化しているのは事実で、これまでに発表された経済指標も悪さが 目立つと指摘。また、「FRBは景気の悪化をより前面に押し出してきており、 まだまだドルを買える材料は見当たらない」といい、ドルの上昇も「持ち高調 整によるドルの戻りに過ぎない」と語る。

一方、米国株高を背景に投資リスクが取りやすくなるとの見方から、前日 の海外市場では金利収入を狙った円売り・高金利通貨買いの動きが活発化。ユ ーロ・円は19日早朝にかけ一時、1ユーロ=157円02銭と14日以来の水準ま で円安に振れたが、その後155円台後半まで円が反発するなど、売り買いが交 錯している。

FRBが0.75ポイントの利下げ

米連邦準備制度理事会(FRB)は18日、FOMCの定例会合を開き、フ ェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.75ポイント引き下げ2.25%に設定 することを決めた。決定は8対2。フィッシャー・ダラス連銀総裁とプロッサ ー・フィラデルフィア連銀総裁はより小幅の金融政策調整を主張して、議長案 に反対票を投じた。

FOMCは声明で、「経済活動の見通しは一段と悪化した」と指摘。また、 その見通しにもなお「下振れリスクが残っている」とし、「持続可能な経済成 長と物価安定を促進するために必要とあれば時宜を得た行動をとる意向」を示 した。

一方で、声明は「インフレ見通しに対する不透明感が増した」とも述べ、 成長見通し悪化の一方で、インフレ加速のリスクがあることに言及した。

バンク・オブ・アメリカの藤井氏は、FOMCでは2人の地区連銀総裁が 大幅利下げに反対したほか、声明でインフレ懸念も示されたが、同時に経済活 動が弱まっていることも認めており、次回4月とその次の6月のFOMCでも FRBは利下げに動くと予想。「最終的にFF金利は6月をめどに1.5%に達し、 そこが底になる」とみている。

--共同取材:加藤有明 Editor:Tetsuzo Ushiroyama、Norihiko Kosaka

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