債券は堅調、超長期の買いで上昇に転じる-10年は一時1.235%(終了)

債券相場は堅調(利回りは低下)。前日の米 国市場で、株高・債券安となった地合いを踏襲し、朝方は先物中心に売り優勢 の展開となった。その後、現物市場で超長期債中心に買いが入ったことをきっ かけに相場は大きく上昇に転じた。新発10年債利回りは1.3%台から一気に

1.235%まで低下する場面があった。

大和住銀投信投資顧問国内債券運用第2グループリーダーの伊藤一弥氏は、 「信用不安の後退を背景にした米国市場での株高・債券安の動きを受けて、円 債相場は朝方大幅安で推移した。超長期債の非常に底堅い動きが長期債などに 波及した。日経平均株価が伸び悩んだことも、買いを誘った」と述べた。

東京先物市場で中心限月6月物は、前日比35銭安の140円65銭で寄り付 いた後、日中安値となる140円41銭まで下落した。その後は買いが優勢になっ て上げに転じ、徐々に水準を切り上げた。午後2時26分前後には91銭高い141 円91銭まで上昇。終了にかけてやや伸び悩み、24銭高い141円24銭で引けた。

日経平均株価は大幅続伸。前日比296円28銭高の1万2260円44銭で取引 を終えた。一時は400円超の上昇幅となったが、徐々に上げ幅を縮めた。

この日の先物相場は朝安後に急上昇するなど、最近は値動きが荒い展開が 続いているが、市場ではしばらくこうした基調が継続するとの見方が出ている。

T&Dアセットマネジメントの竹田竜彦ファンドマネジャーは、「前日に大 幅下落した動きの反動がでている。18日のベアー・スターンズの買収で確認さ れた信用不安を背景に、連日振り子のように持ち高を調整する動きが続いてい る」と説明。「下値が固かったことから上値を試している感じ。米国は利下げを 行ったが、政策的なものは動いていない。当面、方向感なく乱高下が続くだろ う」(東海東京証券の有麻智之債券ディーリング部長)といった声も聞かれた。

新光証券債券ストラテジストの三浦哲也氏は、債券の利回り曲線(イール ドカーブ)はおかしな状況と指摘。「今週に入り、ポジション(持ち高)調整が 続いており、市場参加者は疑心暗鬼になっている。流動性重視の中、債券を売 る理由がなく、売買高が細っているところに買いが入っている感じ」という。

新発10年債利回りは一時1.235%

現物債市場で新発10年物の290回債利回りは、前日比変わらずの1.32%で 取引を開始。その後は、投資家の押し目買いなどで低下に転じており、一時は

8.5ベーシスポイント(bp)低い1.235%まで下げ、17日につけた直近の最低水準 (1.23%)に接近した。そこでは売りも出て、3時過ぎに1.28%をつけたが、 その後は1.265%で推移している。

超長期債は上昇。前日に入札された新発20年物の100回債利回りは一時、 8bp低い2.05%と大幅に低下した。午後4時以降は2.07%で推移している。ま た、新発30年債利回りは5.5bp低い2.41%で取引されている。

クレディ・スイス証券債券調査部アソシエイトの福永顕人氏は、「超長期債 などは売られ過ぎの感があった。自律反発するとみた投資家の買い需要が出て いた。それが債券市場全体に好影響を与えている」との見方を示した。

40年入札、現行方法継続へ-国債投資家懇

財務省は19日に国債投資家懇談会を開催。40年債の入札方法などに関して、 議論された。座長を務める吉野直行慶大教授によると、イールドダッチ方式の 継続と価格コンベンショナル方式への移行とで投資家の意見が分かれたという。

会合後の記者会見で、理財局の貝塚正彰・国債業務課長は、海外の信用不 安を背景に「超長期債市場で外国人投資家の売りが激しく出ており、相場が不 安定なため、投資家はイールドダッチ方式継続を求める意見に傾いている印象」 だったと述べた。

40年債の1銘柄当たりの発行量については、5000億円までは銘柄統合すべ きとの意見で一致した。40年債は、昨年11月に第1回債を1000億円発行。08 年度には2000億円の発行を2回予定し、09年度発行分からは第2回債として発 行されるとの認識で一致したという。

10年物価連動債の買い入れ消却については、1回600億円で半期2回を求 める意見や、半期4回に回数を増やす意見があったという。

米国市場は利下げ受け株高・債券安

18日の米国債相場は下落。連邦公開市場委員会(FOMC)が定例会合で 決定した0.75ポイントの利下げ幅が市場予想を下回ったことや米株の上昇を受 けて、債券は売られた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、2年債利回りは前日比27bp上 昇して1.61%程度。10年債利回りは15bp上昇して3.46%付近となった。

一方、米株式相場は急伸。S&P500種株価指数は2002年10月以来の大幅 な上昇率となった。リーマン・ブラザーズ・ホールディングスとゴールドマン・ サックス・グループの決算が市場予想を上回ったため、投資銀行が破たんする との懸念が弱まり、買いが殺到した。FOMCが0.75ポイントの利下げを実施 したことも支援材料となった。

(債券価格)                           前日比      利回り
長期国債先物6月物         141.24      +0.24         1.328%
売買高(億円)             59433
10年物290回債            101.20               1.265%(-0.055)

--共同取材:池田祐美、野澤茂樹、Yumi Teso  Editor:Hidenori Yamanaka,Tetsuzo Ushiroyama

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