日本株(終了)内需中心に反発、米利下げ期待や円高一服-保険が急伸

東京株式相場は4営業日ぶりに反発。米 国での大幅な利下げ期待や、急激な円高進行の一服による外部環境の落ち着き が好感された。金融株や円高メリット株、高配当利回り株など内需関連中心に 前日急落後の見直し買いが入り、ドイツ証券が格上げしたあいおい損害保険が 急伸するなど、保険株は東証1部の業種別33指数の上昇率1位となった。

東京海上アセットマネジメント投信運用戦略室の平山賢一チーフストラテ ジストは、「想定以上に米国金融機関の状況は悪化しているが、きのうの下げ でそうした疑心暗鬼はかなりの部分を織り込んだ」と指摘。仮に米国が大幅な 利下げを実施した場合、ただちに株式相場も上昇基調に転じるとは思えないが、 「下値めどのTOPIX1150ポイントに接近してきたことで、売り込まれた優 良銘柄を選別で買い下がるスタンスが有効だ」(同氏)との考えを示した。

日経平均株価の終値は前日比176円65銭(1.5%)高の1万1964円16銭、 TOPIXは13.98ポイント(1.2%)高の1163.63。東証1部の売買高は概算 で22億6676万株、売買代金は同2兆3935億円。値上がり銘柄数は1099、値 下がり銘柄数は532。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が28、値下がり業種が 5。銀行、電気機器、保険、陸運、電気・ガス、化学、小売、食料品が高い。 半面、卸売、非鉄金属、鉱業、海運、サービスは安い。

外部環境がやや落ち着く

為替動向や米国株など外部環境への警戒で前日は大幅安となったが、円高 の進行が一服したほか、17日の米国株市場で、大幅な利下げ期待が下支え役を 果たしたことが買い戻しの動きを誘った。午後には債券先物売り・株式先物買 いも相場水準を押し上げた。株価急落により、テクニカル面では日本株に短期 的な買いが入りやすい状況にあったという。日経平均は200日移動平均からの かい離率が17日時点でマイナス25.9%と1月時点のマイナス幅を上回り、01 年9月のマイナス26.7%以来約6年半ぶりのマイナスかい離まで拡大。さらに 米S&P500種株価指数とTOPIXとの相対位置関係を示すST倍率は0.90 倍と04年12月以来の低水準となっており、米国株と比べて出遅れ感が強い。

米時間18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控え、市場で は大幅利下げ観測が台頭。米連邦準備制度理事会(FRB)の誘導目標である フェデラル・ファンド(FF)金利を予想するFF金利先物動向によると、17 日時点で1%の利下げを78%(1日前は同52%)織り込んだ水準だ。「公定 歩合の引き下げなど米金融当局の姿勢から、利下げの幅が当初の予想よりも拡 大するのではないかと期待されている」(三菱UFJ投信運用戦略部の石金淳 シニアストラテジスト)。

もっとも、米企業の調達コストは高止まりしたままで、「米利下げは金融 機関に対する疑心暗鬼を払しょくするためのパッケージの1つとして評価され るが、実体経済に大きな影響はない」(東京海上アセットの平山氏)との見方 もある。米時間18日にはゴールドマン・サックス・グループとリーマン・ブ ラザーズ・ホールディングスの決算発表も予定され、追加損失に対する警戒も 強い。売買代金も盛り上がらなかったことから、積極的な買いというより下げ 過ぎの反動といった側面が強かった。

保険など内需関連が高い

株価の下げ過ぎが意識される水準となり、業種面では小売、パルプ・紙、 食料品、電気・ガス、空運など内需関連の上昇が目立った。FOMCでの利下 げ観測を前に輸出関連株は大きく買い上がりにくい半面、「円高で輸入製品や 原料価格は下落しており、内需関連を素直に評価する動きが出ている」(東洋 証券の檜和田浩昭ストラテジスト)。3月末を控え、パルプ・紙や電気・ガス、 陸運などは配当利回りが高い銘柄が多いことも追い風となった。

内需関連の中でも、保険株は東証1部業種別指数で最も上昇率が大きい。 ドイツ証券では、直近での株価下落での割安感が出てきたことや、サブプライ ム処理が第4四半期までに済み来期以降のダウンサイドリスクが小さいなどと して、あいおい損害保険と日本興亜損害保険を格上げ。CLSAアジアパシフ ィック・マーケッツも、株価下落などを要因として損保ジャパンとT&Dホー ルディングスの強気の投資判断を強調していた。

市況関連は下げがきつい

半面、非鉄金属や大手商社、海運など市況関連株は下げがきつい。東証1 部売買代金上位では、三菱商事は前日比3.6%安、丸紅は5.5%安となったほ か、住友金属鉱山が7.9%安、大平洋金属は10%安とそろって売られた。

鉱工業生産指数など米国がリセッション(景気後退)に入っているとの兆 候が示され、17日のニューヨーク市場では、原油先物価格や銅先物相場が大幅 下落となった。コモディティは米金融緩和姿勢を材料として、これまで投機資 金の流入が顕著だった。東海上アセットの平山氏によれば、「短期的には行き 過ぎ感もあったことから、FOMCを前に資金が早めに逃げ出している」。

ケーズHDが急反発、ウシオ電は急落

個別に材料が出た銘柄では、ゴールドマン・サックス証券が調査対象の小 売株の中で、バリュエーションは最も魅力的と指摘したケーズホールディング スが7.7%高と急反発。大幅な製品値上げを発表した東京製鉄も5.3%高と急 騰した。発行済株式総数の5.08%相当の自社株買いを行うマツモトキヨシホー ルディングス、クレディ・スイス証券が投資判断を引き上げた日本航空が高い。

半面、菅田史朗社長が18日放映のブルームバーグテレビジョンのインタ ビューで、来期(2009年3月期)のアナリスト営業利益予想は「高いハード ル」と語ったウシオ電機が午後に急落。日本人出国者数減で利益計画を減額し たエイチ・アイ・エス、KBC証券が投資判断を引き下げたJUKIはともに 大幅安で、東証1部値下がり率上位。前期業績が従来予想を下回ったもようの ガリバーインターナショナルは5年ぶりの3000円割れ。

国内新興市場は高安まちまち

国内の新興3市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前日比0.27 ポイント(0.5%)安の60.03と4日続落、東証マザーズ指数は7.79ポイント (1.4%)安の563.42と5日続落した。半面、大証ヘラクレス指数は7.12ポ イント(0.8%)高の928.05と4日ぶりに反発。

個別では、業績予想を上方修正したナノキャリアが5日ぶりに大幅反発。 乳癌予後予測検査サービス事業をスタートしたと、午前に発表したDNAチッ プ研究所も堅調。音声認識技術がNTTドコモの「音声入力メール」サービス に採用されたアドバンスト・メディアは、値幅制限いっぱいのストップ高買い 気配のまま終了。半面、楽天、サイバーエージェント、ミクシィなどネット関 連株が安い。今期の業績と配当の予想をともに引き上げた大阪証券取引所は午 後に高くなる場面もあったが、買いが続かず4日続落。

--共同取材:近藤 雅岐  Editor:Shintaro Inkyo

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