3月17日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:S&P500種株価指数などが続落。ベアー・スターンズを1株当 たり2ドルで買収したJPモルガン・チェースは上昇したものの、そのほ かの金融株は過大評価されているとの見方から売られた。もみ合いの後、 下げる銘柄が多かった。

ダウ工業株30種平均は一時194ドル安となった後、戻した。ほぼ2カ月 ぶりの大幅高となったJPモルガン・チェースがけん引役となった。リーマ ン・ブラザーズ・ホールディングスやモルガン・スタンレーが下げ、S&P 500種は弱気相場入りにあと2%に迫った。

欧州やアジアで株安となった流れを引き継いだ面もある。ダウ欧州株価指 数は2005年以来の安値に急落。MSCIアジア・太平洋指数は3営業日連続 の下げとなった。

イースタン・インベストメント・アドバイザーズで17億ドルの資産を運 用するデーモン・バーグロウ氏は「ほかの金融機関も深刻な打撃を受ける可能 性がある。これは明らかに歴史的な危機だ」と語った。

S&P500種株価指数は前週末比11.54ポイント(0.9%)安の

1276.60で終了。一時は2.4%安になる場面もあった。ダウ工業株30種平均 は21.16ドル(0.2%)上昇し11972.25。ナスダック総合指数は35.48ポ イント(1.6%)下げ2177.01で終えた。ニューヨーク証券取引所(NYS E)の騰落比率は1対4。

S&P500種の10セクターのうち8セクターが下落。S&P500種は昨 年10月9日に付けた最高値からの下落率が18%を超えた。リセッション入り 懸念から原油相場が4ドルを超える下げとなったため、エネルギー株指数が

2.5%安と最も下げがきつい。

公定歩合引き下げ

米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、公定歩合を25ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)引き下げて3.25%に設定した。評価損が1950 億ドルを超えている金融市場で信頼感を回復するのが狙い。

ベアー・スターンズ株は84%安の4.81ドルで終了。FRBはベアー・ス ターンズ買収でJPモルガンを支援している。JPモルガンは10%高。リーマ ンは19%下落し、ゴールドマン・サックス・グループは3.7%安となった。

20年ぶりの低水準

UBSはゴールドマンとリーマンの投資判断を「買い」から「中立」へ引 き下げた。流動性の状況は回復する前に悪化するとの見方が理由。

UBSのアナリスト、グレン・ショアー氏とマイク・キャリアー氏はリポ ートで「バリュエーション(株価評価)は10年ぶりの低水準ではなく20年ぶ りの低水準を試す可能性が高い」と予想した。

オッペンハイマーのアナリスト、メレディス・ホイットニー氏は17日、 銀行と証券の株価が半減する可能性があるとの見通しを示した。有形資産の簿 価に注目が集まり、バリュエーションが下がると指摘した。

S&P500種の金融株指数は1.5%安となり、ほぼ5年ぶりの安値水準と なった。

商品株

フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドも下落。米国の リセッション入りで金属需要が抑制されるとの思惑が再燃し、銅価格がほぼ2 カ月ぶりの大幅安になったことが売りを誘った。

エネルギー株指数は4.1%安。エクソンモービルやシェブロンに売りが出 た。

○米国債:3カ月物財務省短期証券(TB)利回りは1950年代後半以来の低水 準をつけた。米連邦準備制度理事会(FRB)が公定歩合の緊急引き下げを実施 し、JPモルガン・チェースがベアー・スターンズの買収に合意したのが材料だ った。

2年債相場が上昇し、利回りはほぼ5年ぶりの低水準に落ち込んだ。FR Bは、公定歩合を0.25ポイント引き下げ3.25%に設定すると発表した。金利 先物市場動向によると、トレーダーは18日の連邦公開市場委員会(FOM C)会合でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標が少なくとも1ポイント は引き下げられるとみている。現在のFF金利誘導目標は3%。

米資産運用会社ルーミス・セイレスのダニエル・ファス副会長は、「質へ の逃避という現実が明確に理解できる。われわれは新しい領域に入っている。 グリーンスパン前FRB議長でさえ経験したことのないものだ」と語った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時33 分現在、2年債利回りは前週末比13ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下して1.35%。一時は2003年7月以来の低水準となる1.24%ま で

下げた。2年債(表面利率2%、2010年2月償還)価格は1/4上げて101 1/4 だった。

安全への逃避として短期国債の需要が増加。ブルームバーグのデータによ ると、3カ月物TBの利回りは前週末比16bp下げて1%だった。一時は 1958年5月以来の低水準となる0.652%を記録した。この年は米国がリセッシ ョン(景気後退)を抜け出しつつあった年だった。10年債利回りは15bp下 げて3.32%だった。

恐怖心による買い

TCWグループで債券運用を手掛けるマネジングディレクター、バー・シ ーガル氏は「市場参加者は価値を求めて債券を購入しているのではない。まっ たくの恐怖心から買いを入れている。これはしばらく続くだろう。恐怖心とい うのは強力だ」と語った。

全償還期限を対象にした米国債の投資リターンは年初来で4.6%と、同じ 期間での比較では1995年以来で最高。住宅ローン担保証券(MBS)の低迷 で投資家は米国債に安全性を求めている。FRBは11日、プライマリーディ ラー(政府証券公認ディラー)に最大2000億ドルの米国債を貸与すると発表 した。連銀は国債貸与の担保としてMBSを受け入れる。

10年債と2年債の利回り格差は198bp。政策金利の変動に敏感な短期債 への需要拡大が示された。

対米証券投資

米財務省が発表した統計によると、海外投資家による米国債の買い越し額 は376億ドルと、昨年12月の14億4000万ドルからは大幅に増加。外国の政 府と投資家の間の中長期金融資産取引額は1月に外国人からみて620億ドルの 買い越しと、前月の同565億ドルから増加した。

金利先物市場動向によると、18日のFOMC会合で1ポイントの利下げが 決定される確率は74%。1週間前は14%だった。また1.25ポイントの利下げ を見込む確率は26%となっている。

JPモルガンはベアー・スターンズを2億4000万ドルで買収することに 合意。ベアーの株主は1株当たり約2ドル相当のJPモルガン株を取得する。 14日のベアーの株価終値は30ドルだった。

ブルームバーグが集計したデータによると、3カ月物LIBOR(ロンド ン銀行間取引金利)とオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)金 利の格差(LIBOR・OISスプレッド)は2.49ポイントに拡大した。こ れは年初来で最大だった。銀行の貸し渋りが示された。

○NY外為:ドルが下落。一時は、12年ぶりに1ドル=96円を割り込ん だ。16日に連邦準備制度理事会(FRB)が公定歩合の緊急引き下げを 実施したことや、米銀JPモルガン・チェースによる米証券大手ベアー・ スターンズ買収が手がかりとなった。

ドルはユーロとスイス・フランに対して最安値に下落した。FRB が週末に借り入れコストを変更したのは1979年以来初めて。またベア ー・スターンズは先週時点での時価の10分の1を下回る価格での身売り に合意した。トレーダーの間では、金融市場の信頼喪失に歯止めをかけ るため、18日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金 利が少なくとも1ポイント引き下げられると予想されている。

米投資家のジム・ロジャーズ氏はブルームバーグテレビジョンとの インタビューで、「FRBがドルを単に放り出しているのはとんでもな いことだ」と批判。「世界中にドルに対するあきらめを示唆しているよ うなものだ。保有していたドル資産のほとんどが失われた」と語った。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルは円に対して97円39銭。一時は95円76銭と、1995 年8月15日以来の安値を付けた。前週末は99円09銭だった。ドルはユーロに対しては1ユー ロ=1.5749ドル(前週末は同1.5674ドル)。一時は1.5903ドルの最安値を記録した。ドル はスイス・フランに対しては1ドル=0.9638フランの最安値を付けた。

ポールソン米財務長官はこの日、米国は強いドル政策を維持していると繰り返した。同長官 はホワイトハウスで講演し、通貨面での政府介入を支持するかどうかについては、「仮定に基づ いた事柄」に関して推測はしないと述べた。

英ポンド下落

オーストラリア・ドルとニュージーランド(NZ)ドルも下落。金融市場の混乱が深刻化す るなか投資家が高利回り通貨を敬遠するとの観測が背景だった。豪ドルは1豪ドル=91.82米セ ントと、前週末の同93.74米セントから下落。NZドルは1NZドル=79.86米セントと前週末 の81.34米セントから下げた。

英ポンドは対ユーロで6年ぶりの大幅な下げとなった。信用市場での損失が拡大するとの懸 念で高利回り通貨の需要が弱まったことが手がかりだった。英ポンドは1ユーロ=78.71ペンス と、前週末の77.58ペンスから下げた。一時は同79.12ペンスとユーロ導入以来の安値を付け る場面もあった。英ポンドはドルに対しては1英ポンド=2.0001ドルと、前週末の同2.0202 ドルから下落した。

S&P500種株価指数は一時、前週末比2.4%安まで売り込まれたがその後0.9%安まで下 落幅を縮小。米主要株価指数が下落分を縮小したことに加え、FRBがこの日は政策金利を引き 下げなかったことから、ドルはやや値を戻した。朝方はトレーダーの間で、明日のFOMC定例 会合を控えて17日中に緊急利下げが実施されるとの観測が広がった。

1カ月物ドル・円オプションのインプライドボラティリティ(IV、予想変動率)は24%と、 1999年1月以来の高水準に上昇した。

買いの好機

みずほキャピタル・マーケッツ(UK)の欧州ヘッジファンドセールス責任者、ニール・ジ ョーンズ氏(ロンドン在勤)は「市場参加者はドルの一段安に対する防御としてオプションの買 いを入れている」と指摘。「市場はベアー・スターンズからのドミノ効果が生じるかどうかを懸 念している」と付け加えた。

○英国債:2年債相場が急反発。3営業日ぶりに上昇した。2年債利回りは前週 末比13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げ3.69%。今月10日に は3.66%まで下げ、2003年7月以来の低水準を記録していた。同国債(2009 年12月償還、表面利率5.75%)価格は17日の取引で0.22ポイント上げ103.41。 10年債利回りは4.32%と、前週末とほぼ変わらず。

ダニエル・フェンドラー氏(フランクフルト在勤)率いるドレスナー・ク ラインオートのアナリストチームは17日付けの顧客向けリポートで、「レバ レッジの解除継続に伴い、政府債市場は今後も短期的に堅調に推移する」との 予想を示した。

○欧州債:2年債相場が急伸。米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、公定 歩合の緊急引き下げを実施。また米証券大手ベアー・スターンズは先週時点での 時価の10分の1を下回る価格での身売りに合意した。こうしたことが材料とな り、安全な投資先としての国債需要が高まった。

2年債利回りは1992年9月以来の大幅低下となった。FRBは金融 市場の崩壊を回避する努力の一環として公定歩合を引き下げた。また、 米銀JPモルガンは約2億4000万ドルでベアー・スターンズを買収する ことで合意した。

クレディ・スイス・グループ(チューリヒ)の債券ストラテジスト、 カーステン・リノウスキー氏は、「この危機の大きさはどの程度か。ベ アー・スターンズだけか、それとも他社もトラブルに見舞われているの か。依然、非常に多くの疑問が残っており、引き続き質への逃避買いが 見られるもようだ」と述べた。

2年債利回りはロンドン時間午後4時10分現在、2.96%。一時は前 週末比32ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し、2.93%を 付けた。同国債(2010年3月償還、表面利回り3%)価格は0.18ポイ ント上昇し100.09。10年債利回りは同3bp低下の3.71%。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

種類別ニュース: 為替 NI FRX 、 NI JFRX、 NI FX NI KAWASE 経済 NI ECO 、 NI JNECO 、 NI JEALL 中央銀行 NI CEN 、 NI JCEN EMU(欧州経済通貨同盟) NI EMU 英国債 NI GLT 債券 NI BON 国債 NI GBN   欧州国債 NI EUB マネーマーケット NI MMK 英国経済 NI UKECO 米国債 NI USB 米国株 NI USS 株式 NI STK 米国預託証券(ADR) NI ADR ミューチュアル・ファンド NI FND 欧州国債 NI EUB 独債券 NI BND 仏債券 NI OAT 英国債 NI GLT 伊国債 NI BTP スペイン国債 NI SMB ベルギー国債 NI BBB オランダ国債 NI NAB 金融市場 NI JMALL 海外市況 NI TOPJF トップニュース NI TOP、 NI TOPJ 海外トップニュース NI TOPKAIGAI

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE