日本株(終了)日経平均12000円割れ、米証券の実質破たんと円高直撃

週明けの東京株式相場は大幅続落し、日 経平均株価は2005年8月以来の1万2000円割れとなった。米大手証券ベア ー・スターンズの実質破たんなど米金融システムの混乱、1ドル=95円台へ の円高加速から、景気や企業収益に対する警戒が高まった。三菱UFJフィナ ンシャル・グループは4年ぶりの安値。東証業種別33指数はすべて下げた。

農林中金全共連アセットマネジメント運用部の中村一也次長は、「米国金 融機関の資金繰りへの懸念がドル安につながっている。対ドルで95円までの 円高は想定内だが、仮にもう一段の円高になるようなら、企業収益の前提を見 直す必要がある」と話した。日経平均が1万2000円を下回ったことについて、 中村氏は「内需が回復できない状況や政治の混迷など、日本全体のあり方が問 われている」(同氏)と見ている。

日経平均株価の終値は前週末比454円9銭(3.7%)安の1万1787円51 銭、TOPIXは43.58ポイント(3.7%)安の1149.65。東証1部の売買高 は概算で24億5200万株、売買代金は同2兆5599億円。値上がり銘柄数は 179、値下がり銘柄数は1507。全体の87%が下落するほぼ全面安商状だった。

東証業種別33指数で下落寄与度が大きいのは、電気機器や輸送用機器、 銀行、卸売、化学、医薬品、電気・ガス、情報・通信など。

ベアーSショック

金融不安が世界株安やドル安・円高につながり、東京市場は心理的な節目 とされた1万2000円を終値でも維持できなかった。経営不安が高まっていた ベアーSについて、東京時間17日早朝にJPモルガン・チェースが1株当た り約2ドルで買収することに合意したと発表。買収価格から判断して、「市場 では実質破たんと受け取られた」(みずほインベスターズ証券投資情報部の稲 泉雄朗部長)といい、市場にまん延する信用不安の深刻さを浮き彫りにした。 ベアーS株は14日の米国市場で、経営不安から前日比47%安の30ドルへと 急落していた。

また、英紙サンデー・テレグラフは16日、米ゴールドマン・サックス・ グループが今週、30億ドル(約2964億円)の評価損を発表する見通しと伝え た。米国時間17日はベアーS、18日にはゴールドマン・サックス・グループ とリーマン・ブラザーズ・ホールディングス、19日にモルガン・スタンレー など米証券大手が今週はそろって決算を発表する。ベアーSの実質破たんを受 け、「ほかの証券会社にも経営不安が波及するのではないかという投資家の疑 心暗鬼」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長)が 下げを拡大させた。

小出しの米利下げは後手の印象

一方、18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、米連邦準備制 度理事会(FRB)は日本時間17日午前に公定歩合を0.25ポイント引き下げ、

3.25%にすることを発表した。利下げはプライマリーディーラー(米政府証券 公認ディーラー)による公定歩合での借り入れを認める措置に伴うものだが、 「利下げを小出しにしていることで、後手に回っている印象を与えた一面もあ る」(農林中金の中村氏)。

24時間取引のGLOBEX(シカゴ先物取引システム)の米S&P500種 指数は、公定歩合下げを発表した後に基準価格比2%超まで下げが急拡大し、 今晩の米国株市場への不安を助長させた。需給面では、日経平均1万2000円 台でリスク限定型投信の設定価格(ノックイン価格)に接触したことや、アジ ア株が軒並み安となったことも、戻りのきっかけをつかみづらくさせたという。

円高加速、輸出の下げ大きい

信用不安から為替市場ではドル安・円高が進み、ドルは対円ではおよそ 12年7カ月ぶりの1ドル=95円台まで下げた。野村証券金融経済研究所は17 日、円高や原油高、株安など外部環境悪化から08年度の日本の実質GDP (国内総生産)成長率見通しを前回2月時点のプラス1.7%からプラス1.1% へと大幅に下方修正した。円・ドルレートの前提は従来の1ドル=105円から 100円へ見直したものの、足元では変更後の想定をさらに上回るベースで円高 が進行中だ。

急激な円高の要因ともなっている金融不安が落ち着く兆しを見せないこと から、電気機器や輸送用機器など輸出関連株は特に下げが大きかった。トヨタ 自動車が2年半ぶりの安値となったほか、業績予想を下方修正した日立製作所 は2年10カ月ぶりの水準まで下落した。野村証券が格下げしたソニーも2年 4カ月ぶりの安値。

大和総研の濱口政巳シニアストラテジストは、円・ドルの動きだけで「企 業業績を表しにくくなっている点は注意した方が良い」としながらも、来期の 企業業績の「増減益の境は1ドル=100円になる」としている。

日証金が急落、ツルハが一時ストップ高

個別に材料が出た銘柄では、傘下である信託銀行の評価損から今期が創業 来初の赤字転落見通しとなった日本証券金融が急落。前期業績の下方修正を発 表した丸善、期末配当を減らす丸三証券もそろって売られた。日興シティグル ープ証券が格下げしたNTTデータは6%超の下げとなった。

半面、午後に発表した業績が堅調だったツルハホールディングスは大幅高 で、一時は先週末に比べて値幅制限いっぱいのストップ高まであった。足元業 績が前年同期に比べて改善を示した日東製網も急伸し、CLSAアジアパシフ ィック・マーケッツが新規に「買い」とした東陽テクニカは大幅高で6連騰。 東証1部売買代金上位では住友金属鉱山が反発し、新日本製鉄やJFEホール ディングス、大平洋金属なども堅調。

国内新興3市場も下落

新興3市場も外部環境の悪化から下落した。もっとも、為替感応度が相対 的に低い内需関連株が多いことから、円高懸念が直撃した東証1部市場に比べ ると株価指数の下落率は相対的に低かった。ジャスダック指数の終値は前週末 比1.14ポイント(1.9%)安の60.30、大証ヘラクレス指数は12.88ポイント (1.4%)安の920.93とそれぞれ3日続落した。東証マザーズ指数は10.54ポ イント(1.8%)安の571.21と4日続落。

第1四半期業績が低調だったCHINTAI、前期業績予想を下方修正し た日本パーキングがともに値幅制限いっぱいのストップ安。今期が減益見通し となったナチュラムも大幅安となった。半面、野村証券が格上げしたサイバ ー・コミュニケーションズがストップ高となった。今期末に配当実施を発表し たウェブドゥジャパンが大幅高で、新規口座開設が増加していると17日付の 日本経済新聞朝刊が報じたマネーパートナーズも堅調。

--共同取材:近藤 雅岐  Editor:Shintaro Inkyo

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