米株式、70年代以来の弱気相場の恐れ-投資家は買いシグナルに無反応

投資家が約20年ぶりの強い買いシグナルを 無視するなか、米株式相場はこの40年で最も広範囲にわたる弱気相場となる瀬 戸際にある。

構成する10業種すべてが下落し、S&P500種株価指数は昨年10月9日 の過去最高値から18%、2000年初め以来で12%それぞれ値下がりしている。 今回の下落は、米株式相場にとって過去80年で最悪の時期だった1970年代と 1930年代の下げに似ている。同指数が20%下げた過去6回のうち、唯一、1987 年の株価暴落(ブラックマンデー)だけが非常に幅広い売りを浴びた。

ファースト・イーグル・グローバル・ファンドのジャンマリー・エベイア ール氏は、「これは第2次世界大戦後で最大の金融危機だという意見に賛成だ」 とし、「米経済は1-6月(上期)に減速し、その後に好転するとの立場をとる 投資家は、恐らく夢を見ているのだろう」と述べた。213億ドル規模の同ファ ンドは現金と金が約25%を占め、米株式の保有割合を上回っている。過去10 年間の年間平均リターン(投資収益率)は15.2%で、これに対しS&P500種 株価指数の年率の上昇率は0.1%に満たない。

株価下落で、S&P500種株価指数の構成企業の予想PER(株価収益率) は約18年ぶりの低水準となっており、米10年物国債に対するバリュエーショ ン(株価評価)は少なくとも過去20年で最低。大恐慌以来で最悪の住宅不況や 住宅ローンに関連した2000億ドル(約19兆4500億円)の銀行の損失計上に 加え、先週にはニューヨーク連銀と米銀大手JPモルガン・チェースが米証券 大手ベアー・スターンズの緊急支援を実施するなか、投資家は従来の買いのシ グナルに従った行動はしていない。

弱気相場まで2.3ポイント

S&P500種株価指数は、弱気相場の目安とされるピークからの20%下落 まで約2.3ポイントに迫った。シティグループやカントリーワイド・ファイナ ンシャルなどの金融関連会社の下げが最もきつい。金融株は昨年10月以来、 34%値下がりしており、下落率は10業種で最大。

先週は0.4%安と3週連続の下落となった。MSCIアジア太平洋指数は 2週連続の下落で、2.6%安。ダウ欧州株価指数は1.2%下げた。

14日の米市場で株安はさらに加速した。住宅ローン債券の引き受けで米2 位のベアー・スターンズの資金繰りが「大幅に悪化した」との発表を受け、ニ ューヨーク連銀と米銀3位のJPモルガン・チェースによる緊急支援が行われ たことに反応した。ベアー・スターンズは同日、時価総額の約半分を失った。

クレディ・スイス・アセット・マネジメントのボブ・パーカー副会長(ロ ンドン在勤)は「株価が底入れする前に、一段安の展開があるだろう」との見 方を示した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE