債券先物が大幅高、円高・株安で6月物141円台―超長期は安い(終了)

債券相場は大幅高(利回りは低下)。前週 末の米国市場で信用不安の高まりから株安・債券高となったうえに、日経平均 株価が円高・ドル安を背景に1万2000円の大台を割り込んだことで、先物を中 心に買いが膨らんだ。中心限月は日中で2005年7月以来の141円台に乗せた。 一方、あすに入札を控える20年など超長期債は下落。長期債相場も下げに転じ た。

東京先物市場で中心限月6月物は、前週末比43銭高の140円70銭で寄り 付いた。14日に続いて昨年来高値を更新。その後も株安に伴い上げ幅を拡大さ せて141円台に乗せており、大引け前には141円73銭と、中心限月で03年8 月以来の高値をつけた。結局は1円43銭高い141円70銭で終了した。

AIG投信投資顧問ポートフォリオマネジャーの横山英士氏は、「債券独 自の材料で動意したわけではない。信用不安を背景にした海外市場の地合いを 引き継ぎ、日経平均も大幅下落していることで、先物を中心に買いが急増した」 と説明した。

日経平均は大幅続落。円高・ドル安が進行するにつれて下げ幅を拡大、05 年8月以来1万2000円台割れとなった。終値は前週末比454円9銭安の1万 1787円51銭。一時は500円を超える下げ幅となった。

一方、外国為替市場ではドル安・円高が進行。ドルは円に対して一時、約 12年7カ月ぶりに1ドル=95円台に突入した。ドルは対ユーロでも最安値を更 新した。

三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、米国の信用不安の拡大 が米景気の悪化を通じて、国内景気の減速につながる恐れがあると指摘。円高 の進行については、「日本の場合、円高イコール株安であり、企業のセンチメ ントが悪化して短観(企業短期経済観測調査)も悪くなり、日銀の利下げも視 野に入ってくる」と述べた。

10年債利回りは午後上昇―朝方は1.23%に低下

現物債市場で新発10年物の290回債は、前週末比3ベーシスポイント(bp) 低い1.23%で始まった。新発10年債としては、05年7月以来の低い水準を連 日更新した。その後は水準を切り上げる展開で、午後2時45分前後には2bp高 い1.28%に上昇した。3時以降は1.27-1.28%で取引されている。

市場では「高値警戒感も出ており、現物市場では買いが限定的だった」(A BNアムロ証券の市川達夫チーフ債券ストラテジスト)との指摘があった。

みずほインベスターズ証券の井上明彦マーケットアナリストは「それぞれ の需給要因のみで動いている感じ。特に長いところ30年などは外国人投資家が 売っているようだ。これ以上リスクを取るなということで現金化しておきたい のかもしれない。10年債はかなり割高になっていたので、売るのにもいいレベ ルだったと思う」と話した。

超長期債相場の下落が大きい。あすに20年債入札を控えているほか、海外 投資家などの持ち高整理の動きに伴い、先物を買い戻す一方で、長い年限の債 券を売る動きも強まった。新発20年債利回りは10.5bp高い2.185%に上昇。07 年11月1日以来の高い水準を付けた。

FRBが公定歩合0.25ポイント引き下げ

米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、公定歩合を0.25ポイント引き 下げ3.25%とすることを決定した。また、プライマリーディーラー(米政府証 券公認ディーラー)が公定歩合で借り入れることを可能にする措置を発表した。

公定歩合の緊急引き下げについて、クレディ・スイス証券債券調査部アソ シエイトの福永顕人氏は、安全資産の債券が買われる「質への逃避」を加速さ せたと指摘。「現地時間で日曜日の夜に突然引き下げを発表したのは、極めて 異例のことで、市場では逆に信用収縮に対する懸念が高まってしまった」(福 永氏)という。

一方、海外市場では16日、米銀大手JPモルガン・チェースが米証券大手 ベアー・スターンズを買収することで合意したと発表。買収価格は約2億4000 万ドル(約230億円)。ベアー・スターンズは顧客の資金引き揚げを受け、証 券大手として85年の歴史に幕を下ろすことになった。

あす20年債入札-クーポンは2.2%に引き上げか

あす18日は20年債入札が行われる。前回入札された99回債利回りは

2.185%に上昇しており、クーポン(表面利率)は前回債より0.1ポイント引き 上げの2.2%となる可能性が高い。発行額は前回債と同じ8000億円程度。

入札について、岡三証券投資戦略部の坂東明継シニアストラテジストは、 「20年債は割安感が出ている。利回りを重視する国内投資家の買いが入る水準。 それなりのニーズはあると思う。ただ、これまで買い込んでいた海外投資家が 持ち高整理のための売りを出し続けているようなので、結果は不透明なところ もある」との見方を示した。

市場では、「入札結果は、無難とは言いにくいが、利回り水準が上昇して いるので、生命保険などにとっては好ましいクーポン水準となるかもしれない」 (新光証券・三浦哲也債券ストラテジスト)といった声もある。

米国市場は株急落・債券高

前週末14日の米国債相場は反発。証券大手ベアー・スターンズがJPモ ルガン・チェースとニューヨーク連銀から緊急支援を受けたため、信用市場で 損失が拡大するとの懸念が強まり、短期債を中心に買いが膨らんだ。

キャンター・フィッツジェラルドによると、2年債利回りは前日比14bp低 下して1.48%程度。低下幅は2月29日以来で最大。10年債利回りは8bp低下 の3.45%付近となった。

一方、米株式相場は急反落。ベアー・スターンズの流動性が悪化し、ニュ ーヨーク連銀とJPモルガン・チェースから緊急資金支援を受けたことが市場 を圧迫した。

(債券価格)                           前週末比      利回り
長期国債先物6月物         141.70       +1.43        1.291%
売買高(億円)             64195
10年物290回債            101.06                1.28%(+0.02)

--共同取材:Teso Yumi Editor:Hidenori Yamanaka,Norihiko Kosaka

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