日本株は下落へ、信用不安と円高で輸出や金融安い-ベアー買収評価も

週明けの東京株式相場は、下落する公算 が大きい。米国で信用不安が高まったことや円高が進行していることにより、 景気や企業業績に対する警戒が強まりそう。利益見通しを赤字に下方修正した 日立製作所など輸出関連株や、金融株を中心に幅引く売りが先行すると見られ る。もっとも、東京時間早朝には米JPモルガン・チェースが米大手証券ベア ー・スターンズを買収することで合意しており、混乱終息への期待で売り一巡 後は下げ渋る可能性もある。

みずほ証券の北岡智哉ストラテジストは、「ベアーSへの支援を受けて海 外市場では米国株安とドル安状況となっており、東京株式市場でも下押し圧力 を受けて始まりそうだ」と予測。一方で、ベアーSが買収されることで正式合 意となったことについては、「金融システムの混乱が避けられるかも知れな い」(同氏)と評価した。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物6月物の14日清算値は1万 2110円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万2200円)に比べて90円安だ った。

ベアーS急落、円高

14日の米株式市場で、米証券大手ベアーSの株価が47%急落した。JP モルガン・チェースとニューヨーク連銀が同社を緊急支援すると発表。これを 嫌気して売りが膨らんだ。同社は流動性が大幅に悪化したことを明らかにした。 信用市場で金融機関の損失拡大懸念が膨らみ、S&P500種の業種別10指数で 金融は前日比4.1%安と最大の値下がりだった。

ベアーSの緊急資金支援を受け、ニューヨーク外国為替市場ではドルが下 落。週明けの東京時間早朝では1ドル=98円11銭までの急激な円高が進んで いる。信用不安による米実体経済への影響懸念や円高による自動車などの業績 下押し圧力から、週明けの東京株式市場でもトヨタ自動車やみずほフィナンシ ャルグループなど輸出関連や金融株中心に売りが膨らみそうだ。日経平均株価 は2005年8月以来、2年7カ月ぶり1万2000円攻防となる可能性もある。

米主要株価3指数の14日終値は、S&P500種株価指数終値が前日比

27.34ポイント(2.1%)安の1288.14、ダウ工業株30種平均は194.65ドル (1.6%)安の11951.09、ナスダック総合指数は51.12ポイント(2.3%)安の

2212.49。

「りそなパターン」との見方も

もっとも、東京時間17日早朝には、JPモルガン・チェースがベアーS を買収することで両経営陣が合意。米連邦準備制度理事会(FRB)と通貨監 督局が同買収を承認した。みずほ証の北岡氏は、「買収合意によってベアーS がFRBの監督対象になる」とし、「金融システムの混乱が避けられる可能性 があり、通貨価値安定にもつながれば、日本株にとってプラス材料になる」 (同氏)と述べた。

FRBは14日、資本市場の混乱を注視しており、金融システムの秩序維 持に向け必要な措置を取ると明らかにした。ポールソン米財務長官は、中央銀 行の「リーダーシップ」に支持を表明した。「金額と期間の両面で流動性供給 が満たされた点では、その後に株式市場の上昇につながった03年のりそな銀 行支援パターンに該当する」(みずほ証の北岡氏)面もある。

なお、FRBは日本時間17日午前に公定歩合を0.25ポイント引き下げ、

3.25%にすることを発表した。

スルガやNTTデが下落見込み

個別に材料が出た銘柄では、原材料の調達コストがかさむことなどから通 期業績予想を引き下げたスルガ、業績低迷が確認された東建コーポレーション や稲葉製作所などが安くなる見込み。日興シティグループ証券が格下げしたN TTデータも売りが増加すると予想される。

半面、ダノングループ(本社:フランス)とミネラルウォーター「エビア ン」の国内独占販売権を取得することで合意した伊藤園、08年3月期の配当を 1株当たり年16円と従来予想を4円引き上げることにしたメックは堅調となり そう。

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