NY外為(14日):ドル下落、一時99円割れ-対ユーロは最安値更新

ニューヨーク外国為替市場ではドルが下 落。対円では1ドル=99円を割り込み、12年ぶり安値を付けた。ドルは対ユ ーロでも最安値を記録。米銀JPモルガン・チェースとニューヨーク連銀が米 証券ベアー・スターンズへの緊急資金支援を発表したのが背景。

ドルはスイス・フランに対しても下落し、初めて1ドル=1スイス・フラ ンを割り込んだ。トレーダーは連邦公開市場委員会(FOMC)が来週開く会 合でリセッション(景気後退)回避を目指し、1ポイントの利下げを決定する とみている。投資家の信頼感の落ち込みを受け、米国株は売りを浴びた一方、 金は過去最高値のオンス当たり1009ドルを付けた。

AIGファイナンシャル・プロダクツ(コネティカット州ウィルトン)で 外為取引の世界責任者を務めるジェフ・グラドスタイン氏は、「ベアー・スタ ーンズは悪いニュースだ。明らかに米金融機関が厳しい状況にあるという現実 を映している」と語った。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルは円に対して99円32銭。一時は98 円90銭と、1995年9月以来の安値をつけた。前日は100円65銭だった。ドル はユーロに対して1.5671ドル。一時は1.5688ドルの最安値を記録した。前日 は1ユーロ=1.5635ドルだった。1週間前は1ユーロ=1.5355ドルだった。 週間ベースで、昨年11月以来最長の5週連続安となった。

対スイス・フランでのドルは一時、0.9988スイス・フランと、前日の1ド ル=1.0093スイス・フランから下げた。

ドルは過去1年間、ユーロに対して約16%下落し、対スイス・フランでは 18%値下がりした。また対円でも15%下げた。

円はユーロに対して155円58銭まで上昇。前日は157円35銭だった。ベ アー・スターンズの発表を受けてトレーダーは低金利通貨で資金を調達し、高 金利通貨で運用するキャリー取引を解消した。ユーロは対スイス・フランで

1.5649スイス・フランと、2006年7月以来の安値に近づいた。

ベアー・スターンズの緊急資金支援

ニューヨーク連銀はJPモルガンを通じてベアー・スターンズに最大28 日間、資金を供給することで合意した。ベアー・スターンズのアラン・シュワ ルツ最高経営責任者(CEO)は声明で、「当社の流動性は過去24時間に大 幅に悪化した」と述べた。同社の株価は47%下落した。

2007年以降、世界の大手銀行・証券会社が明らかにしたサブプライム(信 用力の低い個人向け)住宅ローン市場に絡む評価損は合わせて1950億ドルに 達した。

金利先物市場動向によると、来週、FOMCがフェデラルファンド(F F)金利誘導目標を1ポイント引き下げて2%に設定する確率は50%となって いる。前日はゼロだった。残る50%は0.75ポイントの利下げを見込んでいる。 トレーダーはまた4月にFF金利を1.75%まで引き下げる確率を50%と見込 んでいる。

キャリー取引通貨

円とスイス・フランは主要通貨に対して上昇。特に豪ドルに対しては約 2%上昇した。トレーダーがキャリー取引を解消したのが背景。オーストラリ アの政策金利が7.25%なのに対し、日本は0.5%、スイスは2.75%に設定され ている。

1カ月物ドル・円オプションのインプライドボラティリティ(IV、予想 変動率)は16.5%と前月末の約10.5%から上昇した。

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