金融庁:足利銀を野村系ファンドに3000億円で譲渡-再民営化完了(4)

金融庁は14日、一時国有化中の足利銀行 の譲渡先として野村ホールディングス系ファンド連合を選定したと発表した。 野村側の負担額は、株式譲渡金額1200億円、新株引き受け1600億円、地元企 業による出資など合計3000億円程度になる見通しだ。これにより不良債権問題 で破たんし、一時国有化された銀行の再民営化が完了する。

発表によると、野村フィナンシャル・パートナーズと、ネクスト・キャピ タル・パートナーズを中心とした連合が設立する持ち株会社が7月1日をめど に預金保険機構から全株式を譲り受ける。野村は傘下の投資会社などを通じ企 業再生で実績を持つが、銀行の再建は初めてとなる。持ち株会社社長と新頭取 には藤沢智・元商工中金理事を予定。2010年以降の再上場を目指す。

市場は「新タイプの銀行」を期待

HSBC証券の古木謙太郎アナリストは、地銀連合ではなく証券系が受け 皿となったことで、「足利銀は全く新しいタイプの地銀になる」と期待する。 これまでの地銀は収益性が低く株主還元にも乏しかったが、「地銀界にしがら みのない野村連合が経営に参画することで、周辺地銀との競争が激しくなり、 業界に刺激を与えることになるだろう」と予測する。

金融庁は譲渡先の基本的な選定基準として、①金融機関としての持続可能 性、②地域における金融仲介機能の発揮、③企業価値の適正な評価-の観点で 06年9月から選定を開始。野村ファンド連合と横浜銀行や千葉銀行を中心とす る地銀連合に絞り込んでいた。受け皿決定により足利銀の一時国有化は破たん 後、約4年で完了する。

国民負担最小化がカギ、1700億円に

足利銀は多額の不良債権処理で03年11月に経営が破綻。預金保険法に基 づき国有化された。07年9月中間期(連結)では、債務超過額が約2900億円 とピークから約6割減少、不良債権比率も21%から5.1%に改善した。07年9 月末の従業員数は2129人、店舗数は149カ店。債務超過額から野村が負担する 株式譲渡額1200億円を差し引いた約1700億円が公的負担となる。

渡辺喜美金融相は14日夜、「国民負担を極小化する観点から鋭意交渉を続 けてきたが、株式の譲渡金額が最大のポイントになった」と述べ、公的負担が 低くなる金額を提示した野村を選定したと説明した。また、金融相は地元から 職員を継続的に雇用してほしいとの要望があったことなどを紹介し、「野村の 提案は原則としてすべてのみ込む内容だった」などと指摘した。

一時国有化銀行では、これまでに米リップルウッド(現RHJインターナ ショナル)が新生銀行を、サーべラスなどがあおぞら銀行を再生し、それぞれ 再上場を果たした。第二地銀でも米ローンスターが旧東京相和銀行を買収後、 東京スター銀行として再上場し、その後さらに日系ファンドに譲渡した。

--共同取材:フィンバー・フリン Editor: Kazu Hirano, Kenzo Taniai

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