日本株(終了)連日安値、信用不安と業績懸念強い-不動産や金融下げ

週末の東京株式相場は続落し、日経平均 株価とTOPIXがともに連日で昨年来安値を更新。米住宅ローン問題に端を 発した信用不安は根強く、不動産や銀行、証券株などの下げが目立った。不動 産株は、一部企業の業績下方修正を通じ、改正建築基準法施行の影響などによ る収益の落ち込みも懸念された。外国為替市場で再び一時1ドル=100円を割 り込む円高となったことで、採算悪化懸念から自動車や電機など輸出関連株は 午後の取引で一段安。

日経平均株価の終値は前日比191円84銭(1.5%)安の1万2241円60銭。 TOPIXは同22.64ポイント(1.9%)安の1193.23で終えた。東証1部の 売買高は概算で31億4890万株となり、株価指数先物の特別清算値(SQ)算 出日を含めて昨年8月10日以来の高水準。売買代金は3兆7868億円と同12 月14日以来の水準に膨らんだ。値下がり銘柄数は1394、値上がり238。業種 別33指数の騰落状況は下落29、上昇4。

ダブルならぬトリプルパンチ

ちばぎんアセットマネジメントの大越秀行運用部長は、2月の米小売売上 高が予想に反して前月比でマイナスに転じるなど、「米国経済の後退懸念が高 まる中で、ドル売りの裏返しで円高・ドル安が進み、原油価格も上昇、外需頼 みの日本企業にはトリプルパンチとなっている」と指摘した。

また大越氏は、金融株の重しとなっている信用市場の動揺も、収まる兆し が見えないとの認識。さらに、直近で新日本製鉄が今期(2008年3月期)利 益予想を下方修正したことなどを受け、「これまで有望と見られていた企業ま で、収益環境が急速に悪化していることを強く意識せざるを得ず、投資家は買 いの手を引っ込めている」と話していた。

東証が13日発表した3月1週の投資部門別売買動向によると、外国人投 資家は3週連続で売り越し、売り越し金額は2950億円と1カ月ぶりの高水準 だった。丸和証券投資情報室の大谷正之次長は、「企業業績の先行き不透明感 が急速に高まっており、バリュエーションの議論ができず、日本株売買シェア の7割を占める外国人が再び売り姿勢を強めている」という。

国内勢は同週に個人、信託銀行、事業法人、投資信託が総じて買い越した ものの、結果として同週に6%下落した状況からすれば、相場の下支え役とし て機能していない。投資信託協会が13日公表した2月の投信概況でも、株式 投信への資金流入額は3659億円と、直近1年間の平均1兆1000億円から大き く減速。「世界同時株安の影響は投信にもきている」(モーニングスター・朝 倉智也COO)。ただ朝倉氏によると、「解約も少ない」といい、売買シェア の高い外国人の売り分が相場を押し下げている構図のようだ。

一方、この日は株価指数先物・オプション3月限のSQ算出日。朝方算出 された日経平均先物のSQ値は、新光証券など複数証券調べで1万2518円65 銭となり、13日の日経平均株価の終値1万2433円44銭を85円21銭上回っ た。「日経平均採用1銘柄当たり400万株弱の売買があり、売り買いはほぼ均 衡していた」(水戸証券・松尾十作投資情報部長)という。

午後は円高・投信・ヘッジF警戒

前日の米国株反発、外国為替市場での円高・ドル安の一服を背景に、この 日は買い先行で開始。日経平均の高値は午前10時すぎに一時149円高の1万 2582円まであったが、米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物6月物の 13日清算値1万2600円に届かなかったこともあり、徐々に上値の重さを嫌気 した売りが優勢となった。

午後早々に先物への売り圧力が強まり、現物との裁定解消の動きから時価 総額の大きいトヨタ自動車などが一段安。大和証券SMBCエクイティ・マー ケティング部の西村由美上席課長代理は、「午後に円高が進んだほか、中国市 場の主要株価指数が軒並み失速したことも警戒された」と話した。また西村氏 は、日経平均が対象のリスク限定型投信のノックイン価格が1万2000円から 1万2200円にかけて多数残っている点に言及。この水準を巡って「先物への 売りが出やすくなったことも、相場の下げが加速した一因」(同氏)という。

また、ロンドンの金融業界がヘッジファンドの破たん連鎖を警戒と、英紙 タイムズの日本語訳報道が昼休み時間帯に伝わったこともマイナス要因。「F RBなどが11日に決定した資金供給拡大策が流動性を回復させる効果は限ら れる」(大和SMBCの西村氏)との見方が広がり、金融株が一段安となった。

S&Pリポートも力不足

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は13日発表し たリポートで、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンに関連し た金融機関の評価損見通しを引き上げる一方で、終息の兆しが見えてきたとの 認識を示した。S&Pのリポートは、シティグループやメリルリンチといった 大手金融機関は投資額を厳格、注意深く評価しており、「打撃のほとんどはす でに過ぎ去っているはずだ」と指摘した。

これを受け、朝方は三菱UFJフィナンシャル・グループなど3大金融グ ループが上昇する場面もあったが、「格付け会社はサブプライム関連の債務担 保証券(CDO)を、最上級の評価から一夜にして投機的水準まで格下げした 前歴があり、当てにならない。信用収縮は依然深刻だ」(みずほ投信投資顧問 の岡本佳久執行役員)との声は根強い。銀行株は徐々に安くなり、野村ホール ディングスなど証券株、ミレアホールディングスなどの保険株も売られた。

レオパレス急落、REIT指数安値

昨年6月施行の改正建基法の影響で、アパートの建築請負事業が低迷した などとし、08年3月期の連結純利益予想を従来計画から98%引き下げたレオ パレス21が急落。連想的な売りが不動産株全体に広がり、東証1部の値下が り率上位にアーバンコーポレイション、アトリウム、ケネディクスなど不動産 ファンド関連が並んだ。住友不動産や三菱地所など大手不動産も軒並み安い。 また、東証REIT(不動産投資信託)指数は2.9%安の1355.18と続落し、 昨年来安値を更新した。

ディフェンシブやパルプ・紙の一角支え

半面、東証1部全銘柄の8割が下げる中、景気変動の影響を受けにくいデ ィフェンシブ株の一角が買われた。マルハニチロホールディングスが大幅高と なったほか、東京電力、キッコーマン、JR西日本などが上昇。また、円高が 収益にプラスに働く三菱製紙やレンゴーなどパルプ・紙も堅調だった。発行済 み株式数の4.51%の自社株買いを発表したオハラ、08年3月期に2期ぶりに 復配すると発表した鬼怒川ゴム工業は急伸。

マザーズとヘラクレス指数が算出来安値

国内新興3市場の主要指数はそろって続落。相場全体が崩れた午後に下げ 幅を広げた。ジャスダック指数の終値は前日比0.75ポイント(1.2%)安の

61.44、東証マザーズ指数が21.26ポイント(3.5%)安の581.75、大証ヘラ クレス指数は31.59ポイント(3.3%)安の933.81で終了。マザーズ指数は約 1カ月ぶり、ヘラクレス指数は約2カ月ぶりに終値での算出来安値を更新した。

個別では、08年7月期の業績と配当の予想を下方修正したアルデプロが ストップ安(値幅制限の下限)比例配分となり、昨年来安値を更新した。楽天、 インテリジェンス、サイバーエージェントが売られ、ACCESS、ダヴィン チ・アドバイザーズも安い。半面、セブン銀行、日本風力開発、トリケミカル 研究所が高い。

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