東京外為:ドル売り鈍化、下落スピードに警戒感-101円ちょうど前後

午前の東京外国為替市場ではドルがやや値 を戻す展開となっている。ドル・円相場は1ドル=101円ちょうどを挟んだ水準 で、前日のニューヨーク時間午後遅くに付けた100円65銭からドルが水準を切 り上げて推移している。米国のリセッション(景気後退)懸念や信用収縮不安 を背景にドルの上値が抑えられる一方で、ドル安の進行スピードに警戒感も生 じやすく、日米の株価持ち直しも相まって、ドル売り持ち高の調整圧力が強ま っている。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の清水昭男グループマネジャーは、前日の 海外市場では金融機関による米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ロ ーン関連の損失計上が進展したとの信用格付け会社のリポートをきっかけに株 価が反発し、ドルがいったん買い戻されたと説明。「これまで重要な節目とし て意識されていた100円を割り込んで、達成感も生じており、水準的にも国内 実需関連のドル買いが見込まれる」とも言い、これまでに積み上がったドル売 り持ち高の調整も出やすいとみている。

ドルの下落スピードに警戒感も

ドル・円相場は前日の取引で一時99円77銭と、1995年10月24日以来の ドル安値を付けた。また、ドルは対ユーロでも一時1ユーロ=1.5645ドルと、 1999年1月のユーロ導入後の最安値を更新するなど、主要通貨に対して売りが 活発化した。

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が13日までに、週刊誌「ルポワン」 とのインタビューで、「無秩序な為替相場の動きは、景気拡大の面から見て好 ましいものではないということをあらためて認識している」と述べており、急 速なドル安の進行に警戒感が生じやすい。

また、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が13日に発 表したリポートで、サブプライム住宅ローンに関連した金融機関の評価損見通 しを引き上げる一方で、終息の兆しが見えてきたとの認識を示したことを受け て、前日の米国株式相場が引けにかけて値を戻す展開となっている。

この日の東京市場では、日本株も反発して取引を開始しており、リスク回 避に伴う円の買い戻し圧力が緩和している面もあり、ドル・円相場は一時101 円05銭までドルが値を戻した。また、ユーロ・ドル相場も1.55ドル台後半と、 ユーロ安・ドル高方向に振れて推移している。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の久保信明バイスプレジデン トは、この日の東京時間では週末ということで持ち高調整の動きが見込まれ、 株も少し高く戻ってきていることから、それほどドルが大きく崩れる可能性は 低いとみている。

米個人消費が委縮、リセッション警戒

一方で、13日に米国で発表された2月の小売売上高(速報、季節調整済み) は前月比で0.6%減と、ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の0.2% 増に反して減少した。サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題 の影響が広がりをみせるなか、個人消費が委縮傾向にあることが示された。

月初に発表された2月の雇用統計も2カ月連続でマイナスに落ち込むなど、 経済指標の悪化が鮮明となってきており、リセッション入りが現実味を増す格 好になっている。

さらに、米投資会社カーライル・グループ傘下の住宅ローン担保証券(M BS)ファンド、カーライル・キャピタルが、4億ドル(約400億円)超の追 加担保差し出しを求めている債権団との間で、債務再編の合意に失敗。同ファ ンドが破たんにさらに近づいたとの見方から、信用収縮懸念が一層深まってい る。

こうしたなか、この日の米国時間には2月の消費者物価指数(CPI)が 発表される。原油価格の上昇基調を背景にインフレ圧力の強まりが示される内 容となれば、景気減速下の物価上昇という最悪のシナリオが意識され、一段の ドル下押し圧力につながる可能性もある。

--共同取材:小宮弘子、加藤有明 Editor:Tetsuzo Ushiroyama、

Norihiko kosaka

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