日本株(終了)安値更新、信用不安と円急伸を警戒-金融や輸出に売り

東京株式相場は3営業日ぶりに大幅反落。 日経平均株価とTOPIXがともに昨年来安値を更新し、終値ベースでは 2005年8月来の水準に落ち込んだ。東証1部銘柄の9割近くが下げるほぼ全 面安の中、信用不安の再燃を背景に金融や不動産株の下げが目立った。外国為 替市場で1ドル=100円に接近する円高が進んだことで、午後の取引では採算 悪化懸念から自動車や電機、精密機器など輸出関連株を中心に下げが拡大した。

日経平均株価の終値は前日比427円69銭(3.3%)安の1万2433円44銭。 終値で1万2500円の節目を割り込むのは2005年8月31日以来となる。TO PIXは同39.26ポイント(3.1%)安の1215.87で終えた。東証1部の売買 高は概算で21億644万株、売買代金は2兆3939億円、値下がり銘柄数は 1492、値上がり175。業種別33指数の騰落状況は下落31、上昇は2。

三菱UFJ投信の宮崎高志運用戦略部長は、米欧の主要中央銀行が11日 に協調して打ち出した資金供給拡大策を受けても、「信用リスクの保証料はか えって上昇しており、投資家の警戒感がまったく解けていないことが、金融株 下落の背景にある」と指摘した。

また宮崎氏は、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)では1ポイントの 利下げもあり得るとの考えを示し、「目先は米金利の急低下を見越したドル売 りが続く可能性が高く、輸出株は円高・ドル安を嫌気した資金流出を招きやす い」(同氏)と話している。

じり安背後に海外勢の弱気確認、リスク限定投信の影も

海外市場における信用収縮不安の再燃や、為替など外部環境が悪化し、こ の日は売り先行で開始。朝方の売り一巡後は下げ渋る場面もあったが、反発の 勢いは弱く、じりじりと値を切り下げた。財務省が朝方発表した「対外対内証 券売買契約等の状況」で、外国人投資家の日本株への弱気姿勢が確認されたこ とも投資家心理にマイナスに働いた。

同統計によると、3月2―8日の対内株式は、差し引き4173億円の資本 流出超となり、3週連続の売り越し。東洋証券ディーリング部の児玉克彦シニ ア・ストラテジストは、「政治的要因で日銀総裁人事が混迷していることも、 海外勢を中心とした投資資金の流出につながっている」と指摘、今週に入って も外国人投資家の売り越し基調は続いているという。

午後に入ると、外国為替市場で1ドル=100円割れ寸前まで円高が進んだ ほか、米投資ファンドのデフォルト(債務不履行)伝わったことを受け、下値 を模索した日経平均は一時509円安の1万2351円まで下げた。豊証券の菊池 由文取締役は、日経平均を対象としたリスク限定型投信のノックイン価格が1 万2000円から1万2200円にかけて多数残っている点に言及。さらに、株価指 数先物・オプションの特別清算値(SQ)算出日をあす14日に控え、ポジシ ョンが特定の証券会社に偏っているとし、「不透明感が強く押し目買いも入れ づらい状況だ」(同氏)としていた。

信用不安再燃

12日の米国では、メリルリンチやゴールドマン・サックスなど複数の証 券会社が、連邦準備制度理事会(FRB)が11日に打ち出した米国債貸与措 置は信用市場の資金圧力緩和につながらないとの見方を示唆。また、原油先物 相場が過去最高のバレル当たり110ドルを上抜け、FRBのリセッション回避 が失敗に終わるとの懸念から、同日の米株相場主要3指数がそろって下げた。

東京市場でも、前日はFRBなどによる金融システム支援策が好感され、 買い進まれた金融株や不動産株に反動売りが増え、三井住友フィナンシャル・ グループ、野村ホールディングス、三菱地所などが下落。加えて米ヘッジファ ンドが閉鎖を検討していることが明らかになったほか、米投資ファンドのカー ライル・キャピタルが、およそ166億ドル相当の負債がデフォルトとなり、残 る負債も近くデフォルトとなる見通しと午後に伝わったことなども、「金融株 から資金流出が強まった一因」(ちばぎんアセットマネジメント運用部の長壁 啓明ファンドマネージャー)という。

円が対ドルで一時100円3銭

米国の大幅な利下げ観測を背景にドル売り・円買いが進んだ前日の海外市 場の流れを受け継ぎ、この日午後の東京外国為替市場では、一時1ドル=100 円3銭(ブルームバーグ・データ参照)まで円高が加速した。こうした為替の 動きは米景気不安とともに、日本の輸出関連株には採算悪化懸念につながるた め、トヨタ自動車やソニー、ファナックなどが午後に値を切り下げ、株価指数 の足を引っ張った。市場では、「外需頼みの日本にとって、為替の動向が株価 の行方を占う上での最大の注目点」(新光証券エクイティ情報部の三浦豊シニ アテクニカルアナリスト)との声も聞かれた。

東芝に売り、国際帝石Hは上昇

個別では、次世代DVD(デジタル多用途ディスク)規格「HD-DV D」事業の撤退を決めたことで、500億円程度の新たな損失が発生するなどと、 13日付の日本経済新聞朝刊が伝えた東芝が3日ぶり反落。前日ストップ安 (値幅制限の下限)のグッドウィル・グループはこの日もストップ安比例配分。 CLSAアジアパシフィック・マーケッツが投資判断を「買い」から「売り」 に引き下げたノーリツ鋼機が急落。米国で新薬承認を申請していた貧血治療剤 が米食品医薬品局(FDA)から非承認見込み通知を受けた第一三共は続落し た。

半面、投資資金が向かったのが石油関連銘柄の一角。国際石油開発帝石ホ ールディングスや昭和シェル石油などが高い。ニューヨーク商業取引所(NY MEX)で取引される原油先物4月限が12日、一時1バレル=110ドルを超 え、過去最高値を更新したことを受け、在庫評価益の拡大などが期待された。 主力の板金機械が伸び、09年3月期の連結営業益が過去最高を更新する見通 しと日経新聞が伝えたアマダは続伸。UBS証券が短期的な投資判断を新規 「Buy」とした東京製鉄、年間配当予想を引き上げたツムラも高い。

新興3指数はそろって下落

国内新興3市場の主要指数はそろって下げた。日経平均の下げ幅が一時 500円超となるなど相場全体の地合い悪化を受け、新興市場でも多くの銘柄が 売り圧力に押された。ジャスダック指数の終値は前日比0.42ポイント (0.7%)安の62.19、東証マザーズ指数が10.02ポイント(1.6%)安の

603.01、大証ヘラクレス指数は18.72ポイント(1.9%)安の965.40で終了。

個別では、楽天、日本マクドナルドホールディングスが売られ、アルデプ ロ、大阪証券取引所も安い。半面、セブン銀行、サイバーエージェント、ラ・ パルレが高く、午後に3期ぶり復配を表明した田中亜鉛鍍金が急騰。マザーズ 市場に新規上場したエス・エム・エスが公開価格(23万円)の約2倍となる 45万円で初値を付けた。終値は44万9000円。

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