東京外為:ドルもみ合い、売り一服も先安観強く戻り鈍い-101円台前半

午前の東京外国為替市場では、ドル・円相 場が約12年3カ月ぶりのドル安値を付けた後、もみ合いに転じている。11日に 米連邦準備制度理事会(FRB)をはじめとする欧米中央銀行が流動性支援策 を発表したものの、金融不安や米景気後退懸念は根強く、朝方は1ドル=101円 台前半までドル安が進行。歴史的な安値水準に近づく中、その後はドルを買う 動きも見られたが、ドル先安観が強い中、ドルの戻りは鈍い。

三菱東京UFJ銀行市場業務部の金成大介上席調査役は、新たな流動性対 策が発表され、信用不安の動きもいったん持ち直したかに見えていたが、問題 の根は深く、再びドル全面安となっていると説明。その上で、米経済の先行き 不安がくすぶる中、「中期的な円高の動きは否定しがたいが、朝方からポジシ ョンがややドル・ショート(売り持ち)に傾いていることもあり、きょうのと ころは101円で止まる」と予想。東京時間は101円から102円の間で値動きの 荒い展開を見込んでいる。

流動性対策発表の効果持たずドル反落

11日にはFRBをはじめとする欧米主要中央銀行が緊急流動性支援策を発 表したことを好感し、株式相場が急反発。外国為替市場ではドルの買い戻しが 進んでいた。

しかし、市場ではサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題 をきっかけとした金融システム不安の解消にはつながらないとの見方が強く、 12日の米国株は反落。ドルも前日の上昇幅をすべて吐き出し、13日の早朝にか けては下げを加速。ユーロ・ドルは3営業日連続でユーロ導入以来のドル最安 値を更新し、一時1ユーロ=1.5573ドル(ブルームバーグ・データ参照、以下 同じ)までドル安が進んでいる。

流動性支援策を受け、一時103円台半ばを回復していたドル・円も1ドル =101円半ばまで反落。13日早朝にかけてはさらに下げ幅を拡大、一時101円 10銭と1995年12月12日以来のドル安値を付けた。

シティバンク銀行個人金融部門の城田修司シニアマーケットアナリストは、 米金融当局の資金供給策は一歩前進ということで、株の上昇やドルの買い戻し につながったものの、「資金供給も期限付きなので限度がある」といい、期待 ははく落していると指摘する。ただ、東京時間については「一段のドル売りを 進める材料に乏しく、国内実需関連のドル買い需要も見込まれることから、恐 る恐るドルの下値を探るといった展開」を見込んでいる。

ドル先安観-米小売売上高に注目

カタールの中央銀行総裁は12日、ドル下落に伴う政策変更はしないと述べ、 ドル・ペッグ(連動)制を維持すると表明した。また、サウジアラビア中央通 貨庁(SAMA)のサイヤリ長官は同日、ドルは過小評価されており、「割安 だ」との見解を示した。

12日の海外市場では湾岸諸国の中銀当局者が来週の会議でドル・ペッグ制 の見直しを検討するとの観測が流れ、ドル売りを後押しした。

一方、ブッシュ米大統領は12日、ドルのユーロなど他通貨に対する下落に ついて、強いドルを支持する者にとって「良い知らせ」ではないとの認識を示 し、強いドルへの支持をあらためて表明。トリシェ欧州中央銀行(ECB)総 裁も、「為替市場での過剰な値動きを懸念している」と述べ、米当局の強いド ル政策について「われわれは強い関心を持って、注目している」と語っている。

三菱東京UFJ銀の金成氏は、「欧州高官からユーロ高をけん制する発言 が出始めており、ロンドンタイムに向けてはその辺で当局の動きがどうなるか を気にしておいた方がいい」と語る。

また、この日は米国で2月の小売売上高が発表される。雇用情勢の悪化が 明らかとなる中、消費の低迷が浮き彫りとなれば、米景気後退懸念が一段と強 まり、ドルが売られる可能性もあるため、東京時間日中もドルは買いづらい状 況が続く。

--共同取材:加藤有明 Editor:Tetsuzo Ushiroyama、Norihiko Kosaka

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 小宮 弘子 Hiroko Komiya

+81-3-3201-2371 hkomiya1@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo

+81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 香港 Sandy Hendry

+852-2977-6608 shendry@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE