日本株(終了)銀行中心に続伸、米欧中銀協調やGDP安心-午後減速

東京株式相場は続伸。米連邦準備制度理 事会(FRB)など米欧の主要中央銀行が金融システム支援策を発表したこと で信用不安が和らぎ、銀行など金融株や不動産株を買い戻す動きが強まった。 昨年10-12月期の実質GDP(国内総生産)改定値の下方修正幅が、想定ほ ど大きくなかったこともプラス要因と受け止められた。

日経平均株価の終値は前日比202円85銭(1.6%)高の1万2861円13銭、 TOPIXは同19.98ポイント(1.6%)高の1255.13で終了。東証1部の売 買高は概算で20億4145万株、売買代金は2兆4189億円、値上がり銘柄数は 1226、値下がりは415。業種別33指数の騰落状況は上昇28に対し、下落が5。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、「今回の各国中銀によ る資金供給拡大は、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で確実視されて いる利下げとの組み合わせとなり、金融機関の資金調達には一定の効果が見ら れるだろう」との認識を示した。ただ長野氏は、市場マインドを根本的に上向 かせるには力不足とし、「売り方の買い戻しを誘う程度に過ぎず、リスク資産 である株式への投資を積極化させる投資家は限られる」とも話している。

13000円回復後は伸び悩む、国内政治リスクが足かせ

信用収縮不安の後退や為替の円高修正など外部環境の好転を受け、早々に 日経平均は節目の1万3000円を回復、412円高の1万3071円まで上昇した。 ただその後は、株価指数先物が伸び悩むにつれて現物市場でも徐々に上値を切 り下げる展開。昼休み時間帯の東証立会外での現物株バスケット取引が売り決 め優勢とされたほか、24時間取引のGLOBEX(シカゴ先物取引システム) のナスダック100指数先物が午後にマイナスに転じ、投資家心理に影響した。

外国為替市場では朝方軟調だった円が再び買い戻され、じりじりと円高・ ドル安方向に動いたことで、根強いドルの先行き不安感が電機や自動車株への 買いを弱める要因となった。トヨタ自動車は、始値の5600円がこの日の高値 といういわゆる「寄り天井」。大幅高で始まったソニーは下げに転じて終えた。

民主党が政府の提案した日本銀行人事案に反対する方針を正式に決め、日 銀正副総裁の空席リスクが高まっていることも嫌気された。カブドットコム証 券の臼田琢美常務執行役は、「米欧中央銀行が金融不安の抑止に向け機敏に対 応した一方で、日銀人事を巡り迷走している日本の信頼感のなさが際立つ」と いう。大和投信の長野氏も、「来年度予算案などの審議がさらに遅れることも 警戒され、政治が日本の経済や株価の足を引っ張っている」と見ていた。

大規模資金供給、米株急反発、円高修正

FRBは11日、最大2000億ドル(約20兆6000億円)相当の米国債を入 札方式により貸与する措置を発表した。同措置は金融市場の混乱是正に向けた G10諸国中央銀行による協調行動の一環。金融市場安定化への期待から米株式 相場は急反発し、ダウ工業株30種平均の上昇幅は約5年8カ月ぶりの大きさ となった。米市場で金融株の上げが目立った流れを引き継ぎ、三井住友フィナ ンシャルグループなど3大金融グループ株が急伸、野村ホールディングスやあ いおい損害保険といった証券株、保険株も軒並み買われた。

一方、11日の海外為替市場では米経済のリセッション(景気後退)回避の 見方が広がってドル買いが優勢となり、12日の東京市場でも一時1ドル=103 円台で推移。11日午後3時時点では1ドル=101円90銭付近で取引されてい た。こうした為替の動きは米景気不安の緩和とともに、日本の輸出関連株には 採算悪化懸念の後退につながる点でプラスに働き、ファナックやキヤノンとい った輸出関連株の一角が堅調だった。

GDPは年率3.5%増に下方修正、予想は上回る

内閣府がこの日午前8時50分に発表した昨年10-12月期の日本の実質G DP(国内総生産)改定値は、前期比年率3.5%増と1次速報値(3.7%増)に 比べ成長率が鈍化した。民間設備投資が下方修正される半面、内外需ともに堅 調を維持。ブルームバーグ・ニュースによる事前調査の平均はプラス2.3%へ の下方修正が見込まれていたが、これを上回り、「相場のサポート要因の1 つ」(リテラ・クレア証券の井原翼理事・情報部長)となった。

不動産や商社堅調、ユニーはストップ高配分

個別では、信用収縮リスク懸念の後退を背景に、金融株のほか、住友不動 産や三菱地所といった不動産株の上昇も目立った。また、原油高が業績にプラ スに働く丸紅や三井物産など総合商社株、国際石油開発帝石ホールディングス など鉱業株の上昇も顕著。

このほか、日本経済新聞社が日経平均株価(225銘柄)の構成銘柄に新た に採用すると発表したユニーがストップ高(値幅制限の上限)比例配分。建設 機械最大手の米キャタピラーが2010年通期の売上高見通しを引き上げ、連想 が働いた同業のコマツや日立建機も高い。牛丼の24時間販売再開、09年2月 期の連結純利益が前期推定比5割増になる見通しと一部で報じられた吉野家ホ ールディングス、増配を発表した東洋水産なども上昇。

Gウィル乱高下、ヤマダ電に失望売り

半面、国内需要の減速を受けて08年3月通期の連結営業利益予想を減額 修正した東芝機械が急反落し、東証1部の値下がり率トップ。朝方にストップ 高(値幅制限の上限)まで買われたグッドウィル・グループは、一転ストップ 安に売り込まれた。債権取立不能のおそれが生じたと発表したエクセルは急落。 09年1月期が減収減益見通しのサイボウズは大幅続落。日経平均採用銘柄の候 補として挙げる声が多かったヤマダ電機は、採用されずに失望売りを浴びた。

業績予想減額のDCM JAPANホールディングス、菱洋エレクトロも 安い。JR西日本、JT、関西電力などディフェンシブ株の一角も軟調、三菱 UFJ証券が判断を新規に「アンダーパフォーム」としたキョーリンは急落。

新興3指数は高安まちまち

国内新興3市場の主要指数は高安まちまち。東証1部に連動する格好で、 徐々に伸び悩みが顕著となった。ジャスダック指数の終値は前日比0.64ポイ ント(1%)高の62.61、東証マザーズ指数が0.02ポイント安の613.03、大 証ヘラクレス指数は19.67ポイント(2%)高の984.12で終了。個別では、 米キャタピラーの業績見通し増額を受け同業の竹内製作所が大幅高。SBIイ ー・トレード証券、アクロディア、ダヴィンチ・アドバイザーズが高い。半面、 楽天、セブン銀行、サイバーエージェントが安い。

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