日本株:銀行や輸出中心に大幅続伸、米欧中銀の協調好感-なお課題も

午前の東京株式市場は大幅続伸。米連邦 準備制度理事会(FRB)など米欧の主要中央銀行が金融システム支援策を発 表したことで信用収縮不安が和らぎ、銀行や証券など金融株を買い戻す動きが 目立った。また、外国為替市場では急速な円高進行に歯止めがかかり、業績懸 念の緩和を背景に自動車や電機といった輸出関連株も上昇。昨年10-12月期 の実質GDP(国内総生産)改定値の下方修正幅が、想定ほど大きくなかった こともプラス要因だ。

午前の日経平均株価終値は前日比341円56銭(2.7%)高の1万2999円 84銭、TOPIXは同33.10ポイント(2.7%)高の1268.25。東証1部の売 買高は概算で9億5155万株、売買代金は1兆1309億円、値上がり銘柄数は 1412、値下がり230。業種別33指数の騰落状況は上昇32、下落は食品の1。

RBCインベストメントの武田洋二ファンドマネジャー(香港在勤)は、 FRBの対策について「日本で米国の証券化商品を保有する投資家にとっては 価値のある話だ。短期的にはコンフィデンスが回復し、住宅ローン担保証券な どの価格下落が抑えられる。金融機関の評価損計上が緩和されるという期待も ある」と話した。

13000円回復後は伸び悩む、国内には日銀リスク

信用収縮不安の後退や為替など外部環境が好転したことで、この日は買い 先行で始まった。早い時間帯に日経平均は節目の1万3000円を回復、412円高 の1万3071円まで上昇した。ただその後は、株価指数先物が伸び悩むにつれ て現物市場でも時価総額上位銘柄の上値が重くなり、日経平均の午前終値は結 局1万3000円を維持できなかった。

野村証券プロダクト・マーケティング2部の佐藤雅彦エクイティ・マーケ ットアナリストは、「今回の各国中銀の対応が市場混乱の根本的要因である住 宅問題の解決につながる訳ではなく、買いの継続性には期待できない」と指摘。

また、民主党が政府の提案した日銀人事案に反対する方針を正式に決めた ことを受け、「日銀正副総裁の空席リスクが高まり、不透明感を嫌う投資家か らの実需の買いは入りにくい状況」(佐藤氏)ともいう。

大規模資金供給、米株急反発、円高修正

FRBは11日、新たな信用市場の混乱緩和を目指し、最大2000億ドル (約20兆6000億円)相当の米国債を入札方式により貸与する措置を発表した。 同措置は金融市場の混乱是正に向けたG10諸国中央銀行による協調行動の一環。 今回の資金供給発表を受け、金融市場安定化への期待が高まり、米株式相場は 急反発。ダウ工業株30種平均は前日比416ドル高と、上げ幅は約5年8カ月 ぶりの大きさとなった。

米市場では特に金融株への買いが目立ち、S&P500種の金融株価指数は

7.4%高と8年ぶりの大幅上昇となった。東京市場でもこうした流れを引き継 ぎ、三井住友フィナンシャルグループや野村ホールディングス、あいおい損害 保険といった金融株が軒並み上昇した。

一方、11日の海外為替市場では米経済のリセッション(景気後退)回避の 見方が広がってドル買いが優勢となり、12日の東京市場でも午前11時時点で、 1ドル=103円5銭近辺で推移。11日午後3時時点では1ドル=101円90銭付 近で取引されていた。こうした為替の動きは米景気不安の緩和とともに、日本 の輸出関連株には採算悪化懸念の後退につながる点でプラスに働き、トヨタ自 動車やソニーといった輸出関連株の買いを誘った。

GDPは年率3.5%増に下方修正、予想は上回る

内閣府がこの日午前8時50分に発表した昨年10-12月期の日本の実質G DP(国内総生産)改定値は、前期比年率3.5%増と1次速報値(3.7%増)に 比べ成長率が鈍化した。民間設備投資が下方修正されたものの、内外需ともに 堅調を維持したことを示す内容だった。ブルームバーグ・ニュースによる事前 調査の平均はプラス2.3%への下方修正が見込まれていたが、これを上回り、 「相場のサポート要因の1つ」(リテラ・クレア証券の井原翼理事・情報部 長)となった。

ユニーがストップ高気配、コマツや日立建機も大幅高

個別では、日本経済新聞社が日経平均株価(225銘柄)の構成銘柄に新た に採用すると発表したユニーがストップ高(値幅制限の上限)買い気配。建設 機械最大手の米キャタピラーが2010年通期の売上高見通しを引き上げたこと を受け、連想が働いた同業のコマツや日立建機が大幅高。牛丼の24時間販売 再開のほか、2009年2月期の連結純利益が前期推定比5割増になる見通しとも 一部で伝わった吉野家ホールディングス、08年2月通期の連結営業益が過去最 高を更新する見通しとなった乃村工藝社なども買われた。

ヤマダ電安い、ディフェンシブ一角軟調

東証1部銘柄の8割超が上昇する中、国内需要の減速を受けて08年3月 通期の連結営業利益予想を減額修正した東芝機械が急反落。日経平均採用銘柄 の候補として挙げる声が多かったヤマダ電機は、結局採用されなかったことで 失望売りを浴びた。業績予想を減額修正したDCM JAPANホールディン グス、菱洋エレクトロも安い。JR東日本、JT、関西電力などディフェンシ ブ銘柄の一角も軟調で、三菱UFJ証券が投資判断「アンダーパフォーム」で 新規に調査を開始したキョーリンは急落。

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