1月の経常黒字は前年比8.1%増、2カ月ぶり増加-所得収支好調(3)

1月の日本の経常収支黒字額は2カ月ぶり に前年同月を上回った。貿易収支は原油高騰により輸入が増加している一方で、 輸出は一けた台の伸びが続いていることから、黒字幅は3か月連続で縮小。こ れを黒字幅の拡大基調が続いている所得収支が穴埋めした格好だ。

財務省が12日発表した国際収支状況によると、1月の経常収支黒字額は前 年同月比8.1%増の1兆2358億円で、1月としては過去最高額だった。うち、 貿易収支の黒字額は同24.1%減の858億円、所得収支の黒字額は同7.8%増の 1兆4561億円。ブルームバーグ・ニュースが事前に民間エコノミスト29人を 対象に調べた経常収支黒字額の予想中央値は1兆2490億円だった。

経常収支を構成する貿易収支と所得収支の2本柱のうち、貿易収支は原油 高に伴い輸入額が増加。輸出は米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅 ローン問題に端を発した米経済の減速の影響を受けて減少傾向が続いている米 国向けを、欧州向けやアジア向けが支えている構図が続いている。一方で、所 得収支は資産残高の増加によって拡大基調が継続している。

同省は輸出動向の先行きについて「米国や、中国など新興国の経済がどの ように数字に跳ね返るのか、もう少しトレンドを見ていきたい」(榎本直樹国際 収支室長)との認識を示している。

発表によると、1月の貿易収支のうち、輸出額は前年同月比8.4%増の6兆 1182億円で、3カ月連続で一けた台の伸びにとどまっている。輸入額は同9.1% 増の6兆324億円だった。季節調整済みでは、経常黒字額は前月比13.2%増の 2兆747億円、貿易黒字額は同48.5%増の1兆798億円。

第一生命経済研究所の柵山順子副主任エコノミストは発表後、「輸出は全体 的に堅調に推移している。貿易統計では、輸出は米国向けは減少しているが、 アジア向けは堅調さを保っている」と指摘した上で、「貿易収支の黒字幅の縮小 を所得収支が支えることで、全体としては黒字幅を拡大する傾向にある」とみ ている。

輸出の動向については「米国経済の落ち込みがまだ限定的なため、アジア の内需にまで影響を及ぼすまで至っていない。米国は減速感が漂うものの利下 げや税金の還付を支えに年後半に持ち直してくる」とし、「アジアの新興諸国の 内需を傷つけるほどには米国経済の減速は長期化しないことを軸に、輸出がど んどん落ちていくことにはならない」との見方を示した。ただし、「先行きに対 する不透明感は強い」としている。

同省が先月発表した1月の貿易統計速報(通関ベース)では、原油価格の 高騰が輸入額を押し上げたため、貿易収支が1年ぶりの赤字に転じた。輸出は 住宅関連の建設機械など米国向けが5カ月連続で減少したが、欧州向け、アジ ア向けはともに1月としては過去最高額を記録し、好調だった。

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