丸紅経済研の今村氏:バランスのとれた持続的成長続く-ブラジル経済

丸紅経済研究所の今村卓チーフエコノミス トは11日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、ブラジル経済に ついて以下のようにコメントした。

現状分析:

「1月に債務国から純債権国に転じたが、もともと対外公的債務に対し、外 貨準備高が以前から大幅に上回る状況になっており、対外債務問題はすでに消え ていた。今回あらためて純債権国家ということが確認され資金流入に拍車がかか っている状況だ」

「ここへきて経済成長が安定している。資源輸出が堅調に推移しインフレも 安定している。その結果利下げが可能となっており個人消費が拡大、企業の設備 投資も活発化するというバランスのとれた成長を遂げている」

「短期的にはインフレ圧力が浮上しているものの、過去のハイパーインフレ だったときの水準を考えれば、今の消費者物価の水準4%台は巧みな金融政策や 通貨レアル高で十分抑えられている水準だと考えることができる。今後も持続的 成長が可能な、いわば利上げせずに済む落ち着いた状況が続くとみている」

資源の恩恵について:

「大豆についてはもともと作付面積が豊富ななかで、中国やインド、アメリ カなどで代替エネルギーであるトウモロコシへのシフトが起きており、その結果 ブラジルが大豆の貴重な供給元になって脚光を浴び、価格上昇の恩恵を受けてい る」

「最近では鉄鉱石の価格が上昇し、貴重な輸出資源として今後は経済安定に さらに寄与することになろう」

「資源開発で海外企業との合弁企業が増加、資本の流入は当面続く」

今後の課題:

「公的債務残高がまだGDP(国内総生産)比で4割近くあり、ソブリン債 では投資適格になっていない。公的債務の大きさが金利の高止まり要因にもなっ ており、現在政策金利は11.25%まで引き下げられているものの、さらに1けた に下げられれば個人消費をいっそう喚起でき本来の潜在成長力を顕在化できる」

ブラジル株式市場の今後:

「かなり乱高下しているが、世界的な金融不安からみれば底堅いといえる。 ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)から言えば、なかなか崩れない状況が 今後も続くとみている」

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