NY外為:ドルが対円で6カ月ぶり大幅高-FRBの米債貸与措置で(2)

ニューヨーク外国為替市場ではドルが円に 対して6カ月ぶりの大幅高を記録。米連邦準備制度理事会(FRB)が2000 億ドルの米国債貸与措置を発表したことから、リセッション(景気後退)回避 の見方が強まり、ドル買いが優勢となった。

ドルは対ユーロで最安値から上昇。トレーダーの間では、今回の措置によっ て銀行間での貸し出しが促進され、リセッションを回避できるとの観測が広が り、3月18日の連邦公開市場委員会(FOMC)では最大0.75ポイントの利 下げが決定するとの見方は後退した。円とスイス・フランはいずれも下落。F RBの金融措置発表を受けて低金利の円で資金を調達し、高金利通貨で運用す るキャリー取引が活発化した。

RBSグリニッチ・キャピタル・マーケッツの主任国際ストラテジスト、ア ラン・ラスキン氏は、「市場は今回の措置をFRBの前向きな姿勢の表われだ と受け止めている。リスクを取った取引が本格的に戻ってきた。一時的にド ル・ショートポジションに対して圧力がかかった」と語った。

ニューヨーク時間午後4時20分現在、ドルは円に対して1.7%上昇して103 円46銭。前日は101円76銭だった。この日の上昇率は昨年8月29日以来で最 大。ドルはユーロに対して1.5316ドル、前日は1ユーロ=1.5343ドルだった。

ユーロは円に対して158円21銭と前日の156円12銭から上昇した。ドイツ の欧州経済研究センター(ZEW)が発表した3月のドイツ景況感指数(期待 指数)が改善したことから、欧州は米経済の悪化を乗り越えられるとの見方が 広がった。ユーロは対ドルで過去11営業日のうち9日間で最高値を記録。欧 州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのウェーバー独連銀総裁は利下げの 「余地はない」との認識を示した。

キャリー取引通貨

円は主要16通貨すべてに対して下落。株式相場の上昇を受けて、投資家が 円キャリー取引を進めたのが背景。

南アフリカ・ランドとニュージーランド(NZ)ドルは対円で上昇。南アフ リカの政策金利は11%、ニュージーランドは8.25%に設定されている。

キャリー取引で円と同様、資金調達通貨として利用されるスイス・フランも 下落。対ドルでは1.0342スイス・フランと前日の1ドル=1.0193スイス・フラ ンから下落した。

FRBは最大2000億ドルの米国債を貸与するが、その担保として、ファニ ーメイ(米連邦住宅抵当金庫)やフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)と いった連邦機関債および連邦政府支援機関の保証付き住宅ローン証券(MB S)、その他AAA/Aaa格付けのMBSを受け入れる。またFRBはカナ ダや欧州の中銀4行と協調し、流動性不足に対処する。

金利先物市場動向によると、3月18日のFOMC会合までにフェデラルフ ァンド(FF)金利誘導目標が0.75ポイント引き下げられる確率は約60%。 前日は86%だった。

ドイツ景況感指数

3月のドイツ景況感指数(期待指数)はマイナス32と、2カ月連続で改善 した。前月はマイナス39.5だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコ ノミスト40人の予想中央値では、3月はマイナス40への低下が見込まれてい た。1月はマイナス41.6と、15年ぶりの低水準に落ち込んでいた。

トレーダーは今年下半期のECBによる利下げ観測を後退させている。欧州 銀行間貸出金利(EURIBOR)先物9月限が示唆する金利水準は前日比

11.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上げて3.955%となっている。

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