日本株(終了)3日ぶり反発、円こう着で輸出関連戻す-鉄鋼に買いも

東京株式相場は3営業日ぶりに反発。外 国為替市場での円高進行が午後に入ってひとまず落ち着きを見せたことで、輸 出採算の悪化懸念が和らぎ、トヨタ自動車やソニーなど輸出関連株の一角が取 引終了にかけて値を戻した。前日に売り込まれた鉄鋼や海運などへの買い戻し も、相場の上昇に寄与した。

日経平均株価の終値は前日比126円15銭(1%)高の1万2658円28銭、 TOPIXは同10.76ポイント(0.9%)高の1235.15。日経平均、TOPIX ともにこの日の高値圏で終えた。東証1部の売買高は概算で23億7091万株、 売買代金は2兆5513億円、値上がり銘柄数1006に対して値下がりは599、業 種別33指数は24業種が上昇、9業種が下落。

しんきんアセットマネジメント投信の藤本洋主任ファンドマネージャーは、 3月期末が近づき、投資家の様子見姿勢から売り注文が限られる中、「直近下 げのきつかった銘柄を中心に買い戻す動きが相場を押し上げた」と見ている。

この日の東証業種別指数で上昇率トップだった鉄鋼株について、藤本氏は 「前日に最も下落が目立った業種で、目先の自律反発を見込んだ短期投資家が 物色している」と解説。ただ、鉄鋼セクターは原材料高を受けた価格転嫁に苦 労しているほか、主要な需要先である中国の貿易黒字が直近で急速にしぼんで おり、「ファンダメンタルズ面では厳しく、積極的に買える業種ではない」 (同氏)との認識を示している。

朝安後に下げ渋り、午後はじり高

信用不安の高まりや為替など外部環境の悪化を受け、この日も売り先行で 始まった。午前の早い時間帯に、日経平均は179円安の1万2352円まで下落。 TOPIXも22.29ポイント安の1202.10まで売られ、1月22日に付けた取 引時間中の昨年来安値を更新した。ただ、午前の終了にかけては前日売り込ま れた鉄鋼や海運、機械、非鉄金属などが買い戻され、相場は徐々に下げ渋った。

午後に入ると、午前終盤の流れを引き継いで株価指数は方向感を欠きなが らもじりじりと上げた。SMBCフレンド証券の中西文行ストラテジストは、 「前日の米国株が金融中心に大きく下げた流れを引き継いだ割には、底堅い相 場付きといった印象」と指摘。その上で、3カ月に1度となる株価指数先物・ オプションのSQ算出日を14日に控え、日経平均で言えば「オプションの権 利行使価格1万2500円が強く意識されている」(同氏)との認識を示した。

一方、東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長は、目先の相場展開 について、直近で売買の盛り上がりに欠けており、「セリング・クライマック ス(売りの最終局面)には至っておらず、下落トレンドは続く」と見ている。

金融主導で米国株は連日安値、1ドル=101円台

10日の米株式相場は3日続落。大手証券のベアー・スターンズが流動性不 足に陥り、支払い不能になったとの憶測が流れるなど、景気減速と信用市場で の損失拡大で金融機関の業績は現在の見通しに届かないとの警戒感が強まった。 金融株がそろって大幅安となり、S&P500種の金融株指数は3.1%安で2003 年5月以来の水準に低下、S&P500へのマイナス寄与度ではセクター別でト ップだった。ダウ工業株30種平均は1.3%下げ、連日の昨年来安値更新。

信用不安の高まりから金融株が売られた米国市場の流れを引き継ぎ、東京 市場でも銀行や証券株などには売りが先行。しかし、午後に入ると相場全体を 買い戻す流れの中で、三井住友フィナンシャルグループなど3大金融グループ 株はそろって反発して終えた。午後に本社ビルを売却方針と日経テレコンで報 じられたりそなホールディングスも、プラスに転じて終了。

また、信用市場の損失拡大を受け、投資家は低金利の円で資金を調達し、 高金利通貨で運用するキャリー取引の解消が強まり、11日午前の東京外国為替 市場では、1ドル=101円台前半まで円高・ドル安が進む場面があった。ただ、 午後には一時1ドル=102円台まで戻すなど落ち着きを示したことで、トヨタ やホンダ、ソニーなどが買い戻された。

Gウィルがストップ高配分、リサPは急反発

個別では、主要取引銀行が保有する債権を外資2社に売却する方針と11 日付の日本経済新聞で報じられたグッドウィル・グループがストップ高(値幅 制限の上限)比例配分。自己株式を取得すると発表したリサ・パートナーズ、 ケーズホールディングスがともに急反発。アジアなど新興国向け需要の伸びで、 今期営業利益が最高になる見通しと11日付日経新聞で報じられたオークマ、 森精機製作所もそろって急伸。09年2月期連結営業利益が過去最高になる見通 しと一部で伝わったマルエツなども買われた。

また、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物 4月限が、10日に一時取引中の過去最高値となる108.21ドルまで上昇。原油 高が収益にプラスに働くとして、新日鉱ホールディングスや昭和シェル石油な ど石油関連銘柄の一部が買われた。

住生活Gが一時ストップ安、リース株下げる

半面、08年3月期の連結業績予想を減額した住生活グループが一時ストッ プ安(値幅制限の下限)まで売り込まれ、東証1部の値下がり率トップ。08年 3月期の期末配当を見送るナカヨ通信機は大幅に3日続落。前日にストップ高 比例配分だった日油は急反落。

このほか、オリックスや三菱UFJリースなどリース株の下げが目立った。 10日に発表された1月の特定サービス産業動態統計で、リース業の契約高が大 きく落ち込んだことを受けた。メリルリンチ日本証券が投資判断を「中立」か ら「売り」に引き下げた参天製薬は急反落。

新興3指数は反発、ミクシィが一時ストップ高

国内新興3市場の主要指数はそろって反発。日経平均やTOPIXの動き に連動して取引終了にかけて値を切り上げ、いずれもこの日の高値圏で取引を 終えた。ジャスダック指数の終値は前日比0.42ポイント(0.7%)高の61.97、 東証マザーズ指数が18.94ポイント(3.2%)高の613.05、大証ヘラクレス指 数は18.45ポイント(2%)高の964.45で終了。

個別では、楽天、SBIイー・トレード証券、サイバーエージェントが高 い。インターネット関連銘柄を買う流れに乗り、ミクシィは一時ストップ高ま で買われ、7営業日ぶりに急反発。半面、アーク、GCAサヴィアングループ が下落。直近上場のネットイヤーグループ、博展、大西電気はそろって安い。

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