債券は小幅安、株反発や高値警戒感で中期債に売り-5年入札順調(2)

債券相場は小幅安(利回りは上昇)。前日 の米国債高を引き継ぎ、買い先行で始まったものの、高値警戒感が強い中、日経 平均株価が反発したことに圧迫され、軟化した。中期債を中心に売りが出て、利 回り曲線(イールドカーブ)はフラット(平たん化)した。5年債入札は順調な 結果と受け止められた。

AIG投信投資顧問ポートフォリオマネジャーの横山英士氏は、「前日は先 物を中心に高くなったうえ、朝方は海外市場の動きを受けて買いが入った」とし ながらも、「さすがにこの水準では高値警戒感が出ていると思う」と述べた。

東京先物市場で中心限月6月物は、前日比22銭高の139円75銭で寄り付き、 直後に139円78銭の日中高値をつけた。10日につけた日中ベースでの2005年 9月以来の高値を連日で更新した。その後は、徐々に上げ幅を縮小。午後は日経 平均が戻り歩調となったことから伸び悩み、2時20分ごろに日中安値139円34 銭まで下落。引けにかけて下げ渋り、結局は3銭安の139円50銭で終了した。

日経平均株価は、3営業日ぶりに反発。前日比126円15銭高の1万2658円 28銭で終了した。朝方は179円下げる場面もあった。

新発10年債利回りは1.33%、中期債が軟調

現物債市場で、新発10年物の290回債利回りは、前日比1.5ベーシスポイ ント(bp)低い1.315%で取引開始。その後は、徐々に水準を切り上げ、午後2 時22分ごろに1.335%まで上昇した。3時過ぎは1.325-1.33%で推移している。

一方、前回入札の5年債(69回債)利回りは、前日比3bp高い0.745%、 新発2年債利回りは一時4bp高い0.55%まで上昇した。

大和住銀投信投資顧問国内債券運用第2グループリーダーの伊藤一弥氏は、 「世界的なイールドカーブのスティープニング(傾斜化)が続き、クレジット市 場の混乱を反映して朝方は強かった。しかし入札を控えたヘッジ売りで5年債が 軟調となり、入札発表後は持ち直す動きもみられた。ただ、株価が値を上げてき たので軟化した。超長期債はしっかりで、カーブはフラット化した」と説明した。

5年債入札結果、最低価格は予想上回り順調

財務省が実施した表面利率(クーポン)0.8%の5年債(70回債)の入札結 果は、最低落札価格が100円17銭(最高利回り0.764%)となり、市場予想の 中央値(100円14銭)を上回った。平均落札価格は100円18銭(平均利回り

0.762%)。最低と平均落札価格との差(テール)は1銭となり、前回債の2銭か ら縮小。応札倍率は2.53倍となり、前回の3.14倍から低下した。

三菱UFJ証券チーフ債券ストラテジストの石井純氏は、「順調ないし無難 ということでよいと思う」と評価した。

また、「最低落札価格が若干事前予想よりも高かったということと、テール が前回の2銭から今回1銭に縮まったことで、機関投資家の需要を映し出した。 もっとも、応札倍率が前回の3倍台から2倍台に下がった。金利水準が絶対的に 低くて、それほど積極的に応札にいけないところも表した」と語った。

流通市場の需要については、「潜在的に強いが、金利が下がってきたので買 いあせり感というものはそれほどないと思う。下値の方では需給は良好ととらえ ている」という。

市場では、「入札は堅調だったが、クーポン0.8%水準では、割高感も強く、 ここからは買い進めない」(横山氏)などの声も聞かれた。

日本相互証券によると、この日入札された5年債(70回債)利回りは業者 間取引において0.76%で寄り付いた。その後は、0.74%-0.77%のレンジで推 移した後、午後3時37分前後は0.765%で取引されている。

武藤日銀副総裁、所信聴取で必要な政策実行を表明

武藤敏郎日銀副総裁は、政府の次期総裁候補提示を受けた衆院の議院運営委 員会での所信聴取で、日本経済は内外とも多くのリスクを抱えているとし、これ に対応するため必要な金融政策を果断に実行する考えを表明した。また日銀の独 立性を強調、金融政策の運営では、透明性や市場とのコミュニケーションが極め て重要との認識を示した。

石井氏は、日銀の金融政策について、「次の一手は、正常化再開だろうとみ ている。タイミングは、早くとも2009年度以降まで後ずれすると思う。リスク シナリオとして、今年中の利下げ転換の可能性も多少あると思う」と指摘。

そのうえで、「正常化がすぐに行われないなら、債券は買い安心感が強い状 態が続くだろう」と述べた。

内閣府の外郭団体である経済企画協会が発表した3月のESPフォーキャス ト調査(民間調査機関36社対象)によると、日銀の次回利上げ時期予想は、 2009年2月以降との回答が19人で最多となり、次いで08年12月が6人となっ た。一方、利下げを予想する回答は3人となり、前回調査の1人から増加した。 回答者数は31人。

(債券価格)                            前日比        利回り
長期国債先物6月物         139.50       -0.03         1.469%
売買高(億円)             49955
10年物290回債            100.62                  1.33%(変わらず)

--共同取材:宋泰允、柿崎元子、鎌田泰幸、日高正裕 Editor:Hidenori Yamanaka,Norihiko Kosaka

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