ムーディーズとS&P、「AAA」サブプライム関連証券格下げに遅れ?

米スタンダード・アンド・プアーズ(S& P)とムーディーズ・インベスターズ・サービスは、サブプライム(信用力の低 い個人向け)住宅ローン関連証券ほぼ1万件の格付け引き下げ後、市場に最も意 味のある証券の格下げは実施していない。これらは金融機関や保険会社の主要な 投資先であるトリプルA格付けの証券だ。

ブルームバーグのデータによれば、サブプライム関連証券動向を示すABX 指数を構成する同格付けの証券80本中、S&Pが2月に厳格化する以前の基準 を満たしているのは1本もない。ドイツ銀行が2006年5月に発行した証券の格 付けは、裏付けとなる住宅ローンの43%が焦げ付いているにもかかわらず、S &Pとムーディーズから最高格付けを付与されている。

基準に厳密に従えば、少なくとも1200億ドル(約12兆2460億円)相当 の証券がトリプルA格付けを失い、金融機関の巨額評価損計上につながった住宅 ローン危機の痛みはさらに広がることになる。クレディ・スイス・グループによれ ば、住宅差し押さえが過去最悪を記録後、トリプルAの証券は額面1ドル当たり 61セントにまで値下がりした。「AA」へ格下げとなれば、さらに26セントま で下がる可能性があるという。

テキサス州ダラスのヘッジファンド、ヘイマン・キャピタル・パートナーズ のカイル・バス最高経営責任者(CEO)は、ムーディーズとS&Pが「格付け を据え置いている事実はこっけいだ」と指摘。「『AAA』や『AA』格付け証券 の格下げは近く、その規模は大きいだろう」との見通しを示した。同氏はABX 指数を構成するトリプルAのサブプライム証券の多くが向こう6週間で平均6 -7段階引き下げられるとみている。

ABX指数20本はサブプライムローン関連証券の価格を公に示す唯一の指 標となっている。ドイツ銀行によれば、約6500億ドル相当の同証券がなお市場 に出回っている。発行時に約75%はトリプルAの格付けを得ていた。

S&Pとムーディーズは、トリプルA格付け証券の引き下げ本数で同業のフ ィッチ・レーティングスを下回っている。ブルームバーグのデータによれば、昨 年7月以来の引き下げ件数は前者が計112件に対し、フィッチは390件。

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