日本株は続落へ、信用不安と円高に警戒-金融や輸出中心に売り(2)

東京株式相場は続落する見通し。10日の 米国市場で、証券大手ベアー・スターンズの資金繰りが悪化しているとの憶測 が流れるなど信用不安が高まっており、銀行や証券など金融株が売られそうだ。 外国為替市場での円高進行を背景に、採算悪化が懸念される自動車や電機など、 輸出関連株の一角からも投資資金が流出する公算が大きい。

ドイツ証券の下出衛チーフエクイティストラテジストは、「投資家のリス ク許容度低下を受けて、売りが優勢になりそう」と見ている。ただ、前日の米 国で金融株がヒステリックに売られた流れをそのまま引き継ぐ可能性は低く、 為替の円高も進行速度が鈍っており、「朝方の売り一巡後は下げ渋る場面もみ られるのではないか」(同氏)と予想していた。

米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の10日清算値は1万 2425円で、同日の大阪証券取引所の終値(1万2550円)に比べて125円安だ った。10日の日経平均株価は1万2532円13銭で取引を終えていた。

米株は3日続落、金融安でダウは連日の昨年来安値

10日の米株式相場は3日続落。景気減速と信用市場での損失拡大に伴い、 金融機関の業績は現在の見通しに届かないとの観測が広がり、金融株がそろっ て大幅安となった。S&P500種の金融株指数は3.1%下落し、2003年5月以 来の水準。500種株価指数へのマイナス寄与度ではセクター別でトップだった。

ベアー・スターンズが流動性不足に陥り、支払い不能になったとの憶測が 流れ、会社側が否定したにもかかわらず、ベアー・スターンズ株は1987年以 来の大幅安となった。米住宅金融大手のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)と フレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社)はいずれも11%を超える値下がり。 住宅不況の深刻化に伴い損失が拡大するとの見方が売りを誘った。

シティグループやバンク・オブ・アメリカ(BOA)も下落。モルガン・ スタンレーは、今年に入り株式資本市場が伸び悩んだほか、信用の状況が著し く悪化したとして、両行を含む複数の米銀の利益見通しを合計88億ドル下方 修正した。このほか、住宅ローン大手のカントリーワイド・ファイナンシャ ル・グループが14%下落。関係者によると、米連邦捜査局(FBI)は証券詐 欺の疑いでカントリーワイドを捜査している。

ダウ工業株30種平均は前日比153.54ドル(1.3%)安の11740.15で終了。 ナスダック総合指数は43.15ポイント(2%)下げて2169.34で終えた。

1ドル=101円台後半

10日のニューヨーク外国為替市場では、円相場がドルやユーロに対して上 昇。信用市場の損失拡大を受け、投資家は低金利の円で資金を調達し、高金利 通貨で運用するキャリー取引を解消したのが背景。11日早朝の東京外国為替市 場では、1ドル=101円75銭近辺、1ユーロ=156円20銭付近で推移してい る。10日午後3時時点では1ドル=102円5銭、1ユーロ=156円95銭近辺で 取引されていた。

原油は急反発、一時108ドル台で最高値

10日のニューヨーク原油先物相場は急反発。ニューヨーク商業取引所(N YMEX)で取引されている原油先物4月限は前日比2.75ドル(2.6%)上げ て1バレル=107.90ドルで終えた。一時は取引中の過去最高値となる108.21 ドルまで上昇、投資収益率で原油が金融商品を上回っているため、買いが膨ら んだ。外国為替市場でドル安傾向が続いていることも、ドル建ての原油価格に 割安感があるとして支援材料となった。

原油高を受けて、評価益や販売単価にプラスに働く石油や総合商社などの 資源関連株の一角が物色され、相場全体を下支えする可能性もある。

住生活Gが下落公算、マルエツには買いも

個別では、主力のサッシ販売低迷や年金資産の運用利回り悪化で2008年 3月期の連結業績予想を下方修正した住生活グループ、出資先企業の株価下落 を受け08年1月期の連結純利益を下方修正したサイボウズ、業績悪化を勘案 し08年3月期の期末配当を見送ると発表したナカヨ通信機が売られる公算。

このほか、10日の米株式市場での取引終了後に、米半導体メーカー2位の テキサス・インスツルメンツ(TI)が、1-3月(第1四半期)の売上高と 利益の予想レンジを下方修正したことを受け、TI株は時間外取引で値を切り 下げている。これを受けハイテク企業に業績懸念が広がり、電機株などに売り がかさむ可能性もある。

半面、09年2月期連結営業利益は80億円と前期推定比で25%増え、過去 最高になる見通しと11日付の日本経済新聞朝刊が伝えたマルエツ、発行済株 式数の4.06%を上限に自己株式を取得すると発表したケーズホールディングス、 業務用小麦粉を4月から値上げすると発表した日清製粉グループ本社が買われ る可能性がある。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE