NY外為:円上昇、信用市場の損失拡大でキャリー取引解消の動き(2)

ニューヨーク外国為替市場では円が上昇。 信用市場の損失拡大を受け、投資家は低金利の円で資金を調達し、高金利通貨 で運用するキャリー取引を解消したのが背景。

米証券大手ベアー・スターンズの株価が資金不足の憶測を材料に下落した ことから、円は対ドルで8年ぶり高値に迫り、他の主要通貨に対しても上値を 伸ばした。ベアー・スターンズの広報担当は流動性に関する憶測には「根拠が ない」と答えた。ドルは対ユーロで上昇。欧州中央銀行(ECB)のトリシェ 総裁が「現在の環境における為替相場の過度の変動を懸念している」と述べた のが手掛かりだった。

ウェルズ・ファーゴ・バンクの通貨トレーダー、ロバート・ハウク氏は、 「リスク回避が円に有利に働いている」と語り、「米国内でなお続くネガティ ブなセンチメントを反映している」と語った。

ニューヨーク時間午後4時1分現在、円は対ドルで101円72銭と、前週 末の1ドル=102円67銭から上昇した。前週末は一時、2000年1月以来高値 の101円43銭を記録した。ドルはユーロに対して1ユーロ=1.5350ドル、前 週末は同1.5355ドルだった。

ベアー・スターンズが憶測を否定した後、円は上昇をやや抑えられる場面 もあった。対ユーロでの円は156円15銭と前週末の157円78銭から上昇した。 上昇は3日連続。円は主要16通貨すべてに対して値上がりした。

トリシェ総裁発言

トリシェ総裁の発言はドルを支えた。スタンダード・チャータード銀行の シニア為替ストラテジストのマイク・モラン氏は同発言について、「ユーロ強 気派の勢いは短期的に抑えられることになるだろうが、それでも市場でのユー ロ優勢の流れを変えるには至らないだろう。つまり、主要通貨に対するドル売 りは変わらないとみている。実際の為替介入からはほど遠い」と語った。

トリシェ総裁は、「為替相場の過度の変動と無秩序な動きは、経済成長に とって好ましくない」と指摘した。

キャリー取引解消の動きを受けて円は対豪ドルで約2%上昇した。日本の 政策金利0.5%に対し、オーストラリアは7.25%に設定されている。

ドル・円のIV

1カ月物ドル・円オプションのインプライドボラティリティ(IV、予想 変動率)は約15%と、2週間前の約10.5%から上昇した。ボラティリティが 上昇すれば、キャリートレードが解消される可能性がある。

過去9営業日のうち、ドルが対ユーロで最安値を記録したのは8日。投資 家は連邦公開市場委員会(FOMC)が18日の会合で少なくとも0.75ポイン トの利下げを決定し、2.25%に設定すると予想している。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数 は72.99、7日には一時、72.46の過去最低をつけた。

金利先物市場動向によると、3月18日のFOMC会合でフェデラルファ ンド(FF)金利誘導目標が2.25%に引き下げられる確率は88%となってい る。これは欧州の政策金利を175ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイン ト)下回る。

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