IMF、アジア地域の財政支出拡大策を支持-日米欧への輸出鈍化で

アジア各国・地域の政府当局の間では景気 減速に対応し、歳出抑制策を棚上げするとともに、消費者にも支出の拡大を促そ うとする動きが見られている。

フィリピンでは、アロヨ政権が公共事業や社会サービスへの投資を加速させ ており、今年は財政収支均衡計画を見送る可能性がある。タイ政府は1兆5000 億バーツ(約4兆8700億円)を交通機関拡張や医療向上に投じる予定だ。香港 は減税策、シンガポールは国民に現金を分配する計画を立てている。

外需鈍化を補うため内需を一層呼び起こそうとするこうした政策を、国際通 貨基金(IMF)が後押ししている。IMFは、長期にわたってとり続けてきた 財政引き締めの推進姿勢を転換させたことになる。より自律的な成長の源を域内 で開拓することは、アジアの新興市場経済が輸出依存型から脱却することにつな がる可能性がある。

ナイス元IMFアジア太平洋担当局長は「大部分のアジアの国・地域では予 算を倹約しようとする伝統がある」と指摘。「しかし、世界的な需要や輸出が鈍 化する時期にあって、内需や消費、投資の拡大を促すことは重要だ。アジアには そのための金銭的余裕がある」と話した。ナイス氏は1997-98年のアジア金融 危機時に同局長職を務めていた。

アジアの発展途上国・地域について、IMFは2008年の成長率が8.6%に なり、過去2年間の実績・推定値の9.6%から減速すると予想している。

アジア地域の経済は、外需への依存度が世界の他の地域のほぼ倍で、輸出の 60%を占める米国、日本、欧州の景気停滞に足を引っ張られている。中国、シン ガポール、インドの購買担当者指数は既に、製造業の伸び鈍化を示している。

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