日本株:景気敏感中心に続落、米雇用減や円高-システム障害も(2)

午前の東京株式相場は続落。2月の米国 雇用統計で雇用者数が大幅減となったほか、外国為替市場で円高基調にあるこ となどが嫌気された。鉄鋼や商社、海運など米国を中心とする世界景気の動向 に収益が左右されやすい業種が総じて下落。また東京証券取引所では10日午 前、株式売買システム上で障害が発生、一部銘柄の売買を一時停止しており、 これも相場の押し下げ要因になったとの見方が出ている。

午前の日経平均株価終値は前日比183円2銭(1.4%)安の1万2599円78 銭、TOPIXは同16.77ポイント(1.3%)安の1231.00。東証1部の売買高 は概算で9億8626万株、売買代金は1兆799億円、値下がり銘柄数は1259、 値上がりは343。業種別指数は29業種が下落、4業種が上昇。

三菱UFJ投信運用戦略部の石金淳シニアストラテジストは、「世界経済 は急速に悪化しており、景気敏感株は今後の収益モメンタム鈍化を勘案すると 魅力に欠ける」との認識を示した。朝方発表された機械受注は想定以上に良か ったものの、「国内ファンダメンタルズの先行き見通しを変えるには至らな い」(同氏)という。

日経平均は安値接近場面、システム障害

米景気統計、為替など外部環境の悪化を受け、日経平均は前日比65円安 で寄り付いた。その後は一時下げ渋ったが、再度値を切り下げて下落幅は一時 200円を超え、1月22日に付けた取引時間中の昨年来安値(1万2572円)に 接近する場面もあった。「雇用悪化に伴う米景気後退懸念が高まっているほか、 為替の円高や原油など商品価格高騰による企業業績悪化への警戒感も強く、下 値で入る買いも打診的な動きの範囲を出ない」(東洋証券情報部の檜和田浩昭 ストラテジスト)とされた。

さらに東証が10日朝方、アルプス電気と名古屋鉄道の売買を一時停止し たと発表したことも嫌気された。両銘柄とも取引開始から注文が入らない状態 となっており、原因は調査中。システム障害が原因で個別銘柄に注文が入らな い状態は初めて。東洋証の檜和田氏によると、「東証のシステム障害が投資資 金の流出を招いた面もある」という。

2月の米雇用6万人減、米ダウ指数は安値

米労働省が7日に発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比6万3000人減少。減少は2カ月連続 で、減少幅は2003年3月以来で最大だった。1月の雇用者数も2万2000人減 と、速報値の1万7000人減から下方修正された。景気不安の高まりを受け、 7日の米株式相場は、ダウ工業株30種平均が前日比146.7ドル(1.2%)安の

11893.69ドルと、06年10月以来の安値で取引を終了。

また7日のニューヨーク外国為替市場では、米雇用者数が予想外に減少し たことでドルが売られ、円・ドル相場は午前に一時1ドル=101円43銭と、 2000年1月以来の円高・ドル安水準を付けた。ただその後、FRBがターム物 資金入札の規模を当初予定から引き上げるなどと発表したことを受けてドルは 買い戻され、結局1ドル=102円台後半で取引を終えた。10日午前の東京外国 為替市場での円相場は、ドルに対し102円台前半で推移した。

こうした外部環境が日本の輸出株に逆風となり、トヨタ自動車やソニーな どに売りが先行。ソニーについては、NTTドコモ向けの携帯電話機事業から 事実上撤退すると、10日付の日本経済新聞朝刊が伝える材料もあった。

機械受注は前月比19%増、相場への影響薄い

一方、内閣府が午前8時50分に発表した1月の機械受注は、国内設備投 資の先行指標とされる「船舶・電力を除く民需」(季節調整値)が前月比

19.6%増となった。ブルームバーグ・ニュースが民間エコノミスト36人を対 象にした調査によると、コア機械受注の前月比の予測中央値は2.6%増。予想 レンジは1.5%減から5.7%増だった。機械受注が予想平均を大きく上回った ことを受け、設備投資関連銘柄の一角に買いが先行したが、コマツとファナッ クがともに下げに転じるなど目立った動きとはならなかった。

パイオニア急落、大豊建が下落率1位

個別では、プラズマテレビ用パネル生産からの撤退発表と同時に、08年3 月期の連結最終損益予想を従来の60億円の黒字から150億円の赤字に変更し たパイオニアが急落。売上減と特損計上により、08年3月期の最終損益が赤字 に転落する見通しとなった大豊建設が大幅安で、東証1部の値下がり率トップ に立つ。また、主力製品の売り上げ不振などで08年3月期の業績予想を下方 修正したナナオ、高千穂交易、山一電機もそろって大幅安。

ディフェンシブ堅調、JTは5%近く上昇

半面、景気動向や外部環境に左右されにくいディフェンシブ株に上昇する ものが目立つ。東京電力や東北電力などが買われ、東証電気・ガス指数は33 ある業種別指数の中で値上がり率トップ。食料品ではJTが5%近く上昇した ほか、サッポロホールディングス、ヤクルト本社などが高い。サッポロHにつ いては、米系投資ファンドのスティール・パートナーズが株式公開買い付け (TOB)価格を従来の825円から875円に引き上げる一方、TOB後の保有 株比率の目標を66.6%から33.3%に下げるという提案内容の修正を行ったこ とが明らかになっている。

また、大日本住友製薬やエーザイなど医薬品などにも資金が向かった。

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