債券は堅調、米景気懸念受けた株安・米債高で-機械受注は上振れ(2)

債券相場は堅調(利回りは低下)。前週末の 米国市場で、2月の雇用統計で非農業部門雇用者数が予想外の2カ月連続減少 となり、景気後退懸念が強まり、米株安・債券高となった流れを踏襲。日経平 均株価も続落したため、買いが優勢となった。1月の機械受注統計は市場予想 を大幅に上回ったものの、その後、株安が進んだことで売りは限定的だった。

岡三証券投資戦略部のシニアストラテジスト、坂東明継氏は、「米雇用統計 の結果を受けて、前週末の米国市場が米株安・債券高となった動きを引き継い だ」と説明した。

東京先物市場で中心限月3月物は、前週末比28銭高の139円33銭で取引 開始。その後は上げ幅を縮め、139円7銭まで伸び悩む場面があったが、株安が 進んだことで、再び買いが優勢になり、結局は39銭高い139円44銭と、午前 の高値で取引を終えた。

日経平均株価は続落。一時は200円の下げ幅となり、前週末比183円02銭 安い1万2599円78銭で引けた。

一方、朝方発表された機械受注統計は、市場予想を大幅に上回ったが、相 場の下落要因までには至らなかった。

T&Dアセットマネジメントの竹田竜彦ファンドマネジャーは、「機械受注 は強かったが、2月の米雇用統計の数字を受けて、円債を売り込むまでには踏 み込みにくかった」と説明した。

内閣府が発表した1月の機械受注は、民間設備投資の先行指標とされる船 舶・電力を除く民需が、前月比19.6%増加した。ブルームバーグ・ニュースの 調査によると予測中央値は前月比2.6%増の見通しだった。

新発10年債利回りは1.335%

現物債市場で、新発10年物の290回債利回りは、前週末比1.5ベーシス ポイント(bp)高い1.35%で取引開始。その後は利回り水準を切り下げて、前 週末変わらずの1.335%で午前の取引を終えた。一方、新発5年債利回りは同

0.5bp低い0.725%。

あす5年債入札、クーポン0.8%に引き下げか

あすに実施が予定されている5年利付国債の入札に関して、前週末の入札 前取引で、0.775%付近で取引された。このため、表面利率(クーポン)は、前 回債より0.1ポイント低い0.8%に引き下げられる可能性が高い。発行額は前回 債と同額の2兆円程度。

ABNアムロ証券の市川達夫チーフ債券ストラテジストは、入札について、 「国内マクロ環境は、設備投資がすでにピークアウトしたことが示されるなど 追い風が吹いている。国債の大量償還を控えての好需給環境など5年債買いを 正当化する材料は少なくない」と指摘した。

米市場は長期債堅調、株安-雇用者数は2カ月連続減

前週末の米国債市場では、長期債は堅調だったが、3カ月物財務省短期券 (Tビル)の利回りは上昇した。米連邦準備制度理事会(FRB)が信用危機 の深刻化への対応で、向こう1カ月で2000億ドルもの流動性を供給する計画明 らかにしたことが影響した。

朝方は2月の雇用統計で、非農業部門雇用者数が予想外に減少したことか ら、景気後退を招くとの懸念があらためて強まり、3カ月物Tビルの利回り3 年半ぶりの低水準に押し下げられていた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、2年債利回りは前日とほぼわ らずの1.52%程度。一時は2003年7月以来の1.40%に低下。10年債利回りは 4bp下げて3.54%付近となった。

みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は、米雇用統計に 関して①非農業部門雇用者数の減少幅が2003年3月以来の大きさ②政府部門を 除いた民間のみの雇用者数が3カ月連続で減少し、減少幅が月を追うごとに増 加―といった点を挙げ、「米国経済がリセッション(景気後退)入りの瀬戸際に あることを、あらためて認識させるもの」と分析している。

一方、米株式相場は続落。米金融当局によるターム物資金入札規模拡大銀 行株は上昇したものの、2月の米雇用者数減少が嫌気されエネルギー株や山株 に売りがかさんだ。ダウ工業株30種平均は1万2000ドルの大台を割り込み、 終値ベースでは1年5カ月ぶりに安値で引けた。

(債券価格)                           前週末比     利回り
長期国債先物3月物         138.44      +0.39       1.474%
売買高(億円)             14944
10年物290回債      100.57        1.335%(変わらず)

--共同取材:池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka,Norihiko Kosaka

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