1月コア機械受注は3カ月ぶり増-判断は「一進一退」に据え置き(4)

国内民間設備投資の先行指標である船舶・ 電力を除く民需(コア機械受注)は、1月に前月比で3カ月ぶりに増加した。 鉄鋼業や運輸業の大型案件が寄与し、伸び率は市場予想を大幅に上回った。内 閣府は、2月に反動減が見込まれることなどを踏まえ、基調判断を「一進一退 で推移している」と8カ月連続で据え置いた。

内閣府が10日発表した1月のコア機械受注は季節調整済み前月比19.6% 増で、総額は1兆2152億円となった。伸び率、総額ともに2002年2月から続 いている景気拡大局面では最高。前年同月比では11.4%増。内訳は製造業が前 月比13.8%増、非製造業が同25.9%増だった。ブルームバーグ・ニュースが 民間エコノミスト36人を対象にした調査によると、コア機械受注の前月比の 予測中央値は2.6%増。予想レンジは1.5%減から5.7%増だった。

機械受注は各企業が設備投資のため機械をメーカーに発注する段階で集 計。コア機械受注は実際の民間設備投資に半年程度先行するとされるが、毎月 の統計は振れが大きい面もある。足元では、昨年10-12月期の法人企業統計 で、設備投資額が前年同期比7.7%減と3四半期連続で減少。また、1-3月 期の鉱工業生産指数は前期比で4四半期ぶりに低下が見込まれており、これま で景気拡大を支えてきた企業部門に陰りも見られる。

鉄鋼、運輸の大型案件寄与、2月は反動減へ

内閣府経済社会総合研究所の妹尾芳彦総括政策研究官は発表後の記者説 明で、1月は鉄鋼業で輸出向け発電設備、運輸業で鉄道車両の大型案件があり、 これらで19.6%増加の半分ぐらいは説明できると指摘。その上で、2月は 「100%ではないが、確実に反動減となるだろう」と述べた。

内閣府が先月発表した業界の集計に基づく機械受注の予測調査によると、 1-3月期は前期比3.5%増加と、3四半期連続でプラスが見込まれている。 妹尾氏は、2月、3月が前月比それぞれマイナス11.1%でこの見通しを達成で きる点を指摘し、1月が高い伸びとなったことは「見通し達成には有利だ」と 語った。

ドイツ証券の安達誠司シニアエコノミストは発表後、「商品市況の上昇に よって、素材関連セクター、および物流関連セクターの能力拡大投資が復活し た可能性も否定できない」としながらも、「単月の結果であることや機械受注 統計の数字の変動性の大きさを考えると、今回の結果だけで設備投資に対する 見方を強気に変えるのは早計かもしれない。来月発表の2月分の反動減の程度 が気になる」との見方を示した。

三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは発表後、 「2月分では前月比はおそらく大幅な反動減が待っていよう。内閣府が判断を 据え置いたことも、それを見越してのことだろう」と指摘し、1-3月期につ いては「3四半期連続前期比プラスになる可能性が大きく、機械受注の基調は 底堅いと言える」としている。

三菱総合研究所の酒井博司主席研究員はブルームバーグ・テレビジョンに 出演し、「おそらく1-3月期もプラスを維持するだろう」と述べる一方、マ イナス要因としては「米国経済の変調や、原油高、素原材料高など価格高騰は、 収益の圧迫要因だ。さらには不確実性要因ということで、米国経済に端を発し た為替・株式市場の問題がある」と語った。

10日午前の東京株式市場では、日経平均株価が前週末比183円02銭安の 1万2599円78銭で取引を終えている。2月の米国雇用統計で非農業部門雇用 者数が前月比6万3000人減少したことや、外国為替市場で前週末に円が一時 1ドル=101円台に急伸したことが嫌気されている。

下振れリスクは変わらず

1月の民需の業種別機械受注の伸びをみると、増加に寄与したのは製造業 では、鉄鋼(前月比293.7%増)、造船(同69.1%増)、その他製造業(同13.2% 増)など。電気機械(同9.6%減)は2カ月連続で減少した。非製造業では、 運輸業(同51.8%増)、その他非製造業(同21.2%増)などが増加する一方、 建設業(同4.1%減)、鉱業(同22.1%減)などは低下した。

HSBC証券の白石誠司チーフエコノミストは発表後、「1-3月期機械受 注プラス化公算の強まりは、必ずしも機械受注が上昇トレンドに転じることを 意味しない」と述べ、「今後において建築基準法改正に伴う建設投資減少がG DP(国内総生産)に反映されてくることもあり、今年前半の設備投資は下振 れリスクをはらんでいるとの認識に変わりはない」としている。

官公需、外需などを含む機械受注総額は前月比26.5%増加し3兆1220億 円と過去最高水準となった。このうち外需は、1000億円規模の大型案件が入り、 同43.1%増の1兆4340億円と過去最高を記録した。白石氏は外需について「新 興国の下支えによる外需の底堅さが維持された形であるが、米国リセッション リスクがより色濃くなる中、先行きは外需ピークアウト感が生じてくる可能性 がある」との見通しを示した。

--共同取材:亀山律子 Editor:Masaru Aoki,Hitoshi Ozawa

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